2018年12月16日、阪神競馬場で朝日杯FS(GⅠ/芝1600m)が行われる。グランアレグリア、アドマイヤマーズ、ケイデンスコール、ファンタジスト、マイネルサーパスらが出走する。
今回は過去4年の朝日杯FSの傾向から、軸馬にふさわしい馬を導き出していく。
過去4年のデータを振り返っていくと、ある興味深い傾向が浮かび上がってくる。果たして信頼性の高い軸になりえる馬とは、どの出走馬なのだろうか?
目次
上がりは才能
まずは上がりに注目していこう。日本の競馬は瞬発力とスピードが命だ。残り3ハロン、残り2ハロンの地点からいかに速い脚を使えるか。それが競走馬としての人生を左右していくる。
特に2歳戦の場合、上がりの数字は重要だ。
2歳戦は実力にばらつきがあり、競走馬の実力がはっきりと反映されやすい。
このため、実力のある馬はたいていしっかりと速い上がりを使った競馬ができる。言い方を変えると、2歳戦で速い上がりを使えない馬は出世できない可能性が大いにあるというわけだ。
事実、朝日杯FSの過去4年を振り返ってみると前走上がり1位の馬の成績が圧倒的だった。
3F 1位 ( 2- 3- 1- 8/14 )
勝率 14.30% │ 単勝回収値 143
複勝率 42.90% │ 複勝回収値 97
3F 2位 ( 1- 0- 0- 8/ 9 )
勝率 11.10% │ 単勝回収値 51
複勝率 11.10% │ 複勝回収値 21
3F 3位 ( 0- 0- 0- 5/ 5 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
3F ~5位 ( 0- 0- 1- 5/ 6 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 16.70% │ 複勝回収値 30
3F 6位~ ( 1- 0- 0- 5/ 6 )
勝率 16.70% │ 単勝回収値 38
複勝率 16.70% │ 複勝回収値 18
ご覧の通りだ。上がり2位ですら非常に厳しい。
ちなみに2位ながら好走したのはダノンプラチナ。同馬はデビューから上がり2位と安定して末脚を発揮していた。しかも当日は一番人気に支持されていた。このクラスの馬でないと、好走は厳しいというわけだ。
原則としては前走で上がり1位の脚を使っている馬を狙うのがいいだろう。
底を見せていない馬を狙え
2歳戦ではキャリアも重要になってくる。キャリアが浅すぎる馬を買うのにリスクはあるが、一方でキャリアのありすぎる馬を買うこともリスクと言える。
なぜならキャリアの多すぎる馬は以下に該当する可能性が高いからだ。
・勝ちきれない馬
・単純に弱い馬
・おつりが残っていない馬、成長が見込めない馬
実際、朝日杯でもキャリアを重ねるごとに数値が落ちている。
1戦 ( 1- 0- 0- 1/ 2 )
勝率 50.00% │ 単勝回収値 295
複勝率 50.00% │ 複勝回収値 90
2戦 ( 1- 1- 0-11/13 )
勝率 7.70% │ 単勝回収値 17
複勝率 15.40% │ 複勝回収値 16
3戦 ( 1- 2- 0- 6/ 9 )
勝率 11.10% │ 単勝回収値 51
複勝率 33.30% │ 複勝回収値 82
4戦 ( 1- 0- 2- 9/12 )
勝率 8.30% │ 単勝回収値 118
複勝率 25.00% │ 複勝回収値 58
5戦 ( 0- 0- 0- 3/ 3 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
6戦 ( 0- 0- 0- 1/ 1 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
基本的に5戦以上の馬は「厳しい」と考えていいだろう。
カギは早熟性
人間でもそうだが、若ければ若いほど、その時点での力を決定づけるのはポテンシャルではなく早熟性になりやすい。
競走馬の世界でも同じ。2歳馬は人間で言えば小学生や中学生だ。そのくらいの年代ではポテンシャルより早熟性のほうが重要になる。
だからこそ、誕生月に着目するべきだ。
1月生 ( 1- 1- 0- 2/ 4 )
勝率 25.00% │ 単勝回収値 147
複勝率 50.00% │ 複勝回収値 80
2月生 ( 1- 2- 1- 7/11 )
勝率 9.10% │ 単勝回収値 129
複勝率 36.40% │ 複勝回収値 94
3月生 ( 1- 0- 1- 8/10 )
勝率 10.00% │ 単勝回収値 46
複勝率 20.00% │ 複勝回収値 37
4月生 ( 1- 0- 0-12/13 )
勝率 7.70% │ 単勝回収値 17
複勝率 7.70% │ 複勝回収値 8
5月生 ( 0- 0- 0- 2/ 2 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
ご覧の通り、早生まれのほうが好成績を残していることが分かる。
1、2月生まれ重視、3月以降は軽視。2歳戦ではそう考えていいだろう。
馬体重に注目
ある程度馬格のある馬のほうがポテンシャルを秘めている可能性が高い。
人間でも身長160センチより190センチのほうがスポーツ選手として大成する可能性は高い。特にフィジカルが勝敗に直結してくる陸上界のトップ選手は、190センチを超える大男がごろごろいる。
世界記録保持者のウサイン・ボルト氏は195センチ。古くはカール・ルイスも188センチと、大柄だった。
そこで朝日杯の馬体重別の成績を見てみると……
~459kg ( 0- 0- 0- 8/ 8 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
460~479kg ( 1- 2- 0-12/15 )
勝率 6.70% │ 単勝回収値 30
複勝率 20.00% │ 複勝回収値 49
480~499kg ( 2- 1- 1- 6/10 )
勝率 20.00% │ 単勝回収値 82
複勝率 40.00% │ 複勝回収値 58
500~519kg ( 1- 0- 1- 3/ 5 )
勝率 20.00% │ 単勝回収値 284
複勝率 40.00% │ 複勝回収値 104
520kg〜 ( 0- 0- 0- 2/ 2 )
勝率 0.00% │ 単勝回収値 0
複勝率 0.00% │ 複勝回収値 0
460キロ未満の馬たちは苦戦を強いられていることが分かる。
基本的には460キロを超える馬格のある馬を軸にしていくべきだろう。
オススメの軸馬は?
今回挙げた条件を改めて振り返ってみると……
・10番人気以内
・上がり1位
・キャリア4戦以内
・1、2月生まれ
・馬体重460キロ以上
この条件に該当した馬の成績はというと……
( 2- 3- 1- 1/ 7 )
勝率 28.60% │ 単勝回収値 287
複勝率 85.70% │ 複勝回収値 194
ご覧の通り、驚異的な成績を残している。
この条件に該当する今回の出走馬を見ていくと……
グランアレグリア
ケイデンスコール ※馬体重460キロ以上が条件
この2頭が該当する。
軸にするもよし、相手にするもよし。一つだけ言えることは、これらすべての馬を馬券から外すことは的中よりも外れに近づいてしまう可能性が高そう、ということだ。