有終の美か、新世代の台頭か、それとも――。
2017年12月24日、中山競馬場で有馬記念(GI/芝2500m)が行われる。
キタサンブラック、シュヴァルグラン、スワーヴリチャード、サトノクラウンらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
2017年の競馬の“総決算”を前に、見どころを展望する。
目次
キタサンブラックは有終の美を飾れるのか?
まず、最も注目されるのがキタサンブラックだ。ここ1、2年、常に競馬界の先頭に立って他馬をけん引してきた。北島三郎オーナーの愛馬ということで、競馬という枠を超えて注目を集めたことも特筆すべき点だ。そんな現役最強馬は、この日で現役を引退する。
果たして、キタサンブラックは有終の美を飾れるのか。中山競馬場に祭りがとどろき、多くの競馬ファンが笑顔になる瞬間が訪れるのだろうか。
武豊騎手、ディープ以来の有馬記念制覇は?
キタサンブラックの鞍上、武豊騎手にとっても大一番となる。
キタサンブラックのパートナーとして数々のGIタイトルを手にしてきた。天皇賞秋の“神騎乗”は記憶に新しく、多くの競馬ファンの記憶に残る騎乗をしてきた。
そんな武豊騎手だが、不思議と有馬記念とはあまり縁がない。
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日付 馬名 着
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2016.12.25 キタサンブラック 2
2014.12.28 トーセンラー 8
2013.12.22 ラブイズブーシェ 4
2012.12.23 トレイルブレイザー 13
2011.12.25 レッドデイヴィス 9
2010.12.26 ローズキングダム 消
2009.12.27 リーチザクラウン 13
2008.12.28 メイショウサムソン 8
2007.12.23 メイショウサムソン 8
2006.12.24 ディープインパクト 1
2005.12.25 ディープインパクト 2
2004.12.26 ダイタクバートラム 4
2003.12.28 リンカーン 2
2002.12.22 ファインモーション 5
2001.12.23 トゥザヴィクトリー 3
2000.12.24 アドマイヤボス 5
1999.12.26 スペシャルウィーク 2
1998.12.27 エアグルーヴ 5
1997.12.21 マーベラスサンデー 2
1996.12.22 マーベラスサンデー 2
1995.12.24 ナリタブライアン 4
1993.12.26 ベガ 9
1992.12.27 ヒシマサル 9
1991.12.22 メジロマックイーン 2
1990.12.23 オグリキャップ 1
1989.12.24 スーパークリーク 2
1988.12.25 スーパークリーク ③
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GI100勝を達成している史上最強のジョッキーだが、有馬記念は2勝にとどまっている。スペシャルウィークでウィニングランをしながら、グラスワンダーに鼻差で負けた過去や、ローズキングダムで出走を予定しながら取り消しという自体に直面したこともあった。
昨年もキタサンブラックと挑んだが、最後の最後でサトノダイヤモンドにさされて惜敗の2着となってしまった。
今年こそ、愛馬を1着に導き、ディープインパクト以来となる美酒を味わうことができるのか?
ハーツクライ産駒が上位独占も?
そのキタサンブラックに襲いかかるのが、勢いに乗るハーツクライ産駒だ。
ジャパンカップを制して本格化を証明したシュヴァルグラン、アルゼンチン共和国杯を圧勝したダービー2着馬スワーヴリチャード、前走チャレンジカップを制して勢いに乗るサトノクロニクルと、有馬記念を制してもおかしくない実力馬が揃っているのだ。
ハーツクライといえば、無敗の三冠馬となったディープインパクトを有馬記念で破ったことで知られている。キタサンブラックの父ブラックタイドはディープインパクトの全兄。そして武豊騎手はディープインパクトのパートナーだった。
今回もあの“沈黙の有馬記念”が再現されるのか? 競馬というドラマを語る上で、これほど極上のスパイスも他にないだろう。
有馬記念波乱の歴史は再現するか?
そして有馬記念は波乱の重賞として知られている側面がある。
12月の暮れに行われ、古馬3冠の最後のレースでもある。コンディション調整が難しく、強い馬であってもなかなか勝ち切ることができない。
ディープインパクトやオルフェーヴル、ダイワスカーレットやシンボリクリスエスといった歴史的名馬が圧勝することがある一方、一昨年は8、5、4番人気の決着。3年前にしても連対したのは4、9番人気だった。
波乱の歴史は繰り返されるのか? 興味はつきないところだ。
まとめ
いかがだっただろうか?
2017年を締めくくる競馬の総決算は、見どころが満載なのだ。
あなたは2017年の最後に、どんな夢を見るだろうか? 今年最後の夢に思いを馳せながら、出走の時を待つことにしよう。