古馬になった年明け初戦、中距離路線の主役に名乗りを挙げることができるか――。
2018年1月21日、中山競馬場でAJCC(GⅡ/芝外回り2200m)が行われる。出走馬中唯一のGⅠホースであるゴールドアクターが武豊騎手との初コンビで久々の勝利となるか注目される一戦であるが、初のGⅠ獲りに向けて飛躍が期待されているのが明け4歳となるミッキースワローだ。
昨秋のセントライト記念では同世代の皐月賞馬アルアインを下して重賞初制覇を成し遂げている。続く菊花賞では期待を裏切る形の6着に終わったが不良馬場や距離延長が影響して能力が十分に発揮できなかったとも考えられる。重賞初制覇となった舞台に戻り、再び主役の座に躍り出ることができるか。
今回はミッキースワローの本レース勝利に向けて期待できるポイントと当日注目すべき点を述べていく。
目次
期待① 明け4歳馬の中距離路線における好成績
3歳秋から明け4歳初戦にかけて古馬との初対戦を迎えるレースでの取捨はその馬の実績だけでなく、世代間のレベルが参考になる。
今年の明け4歳世代に関して言うと、年明けの中山金杯でセダブリランテスとウインブライトで決着したことは記憶に新しい。さらに昨秋はこの2頭以外にも明け4歳世代の活躍が目立っていたのが印象的であった。
特に芝路線では毎日王冠で重賞未勝利のダイワキャグニーが古馬一線級と交えて4着に好走したのを皮切りにその後の出走した11レースのうちGⅠ競争2レースを含む7レースでこの世代が優勝しているという活躍ぶりである。中距離路線で優勝できなかった2レースというのもジャパンC(レイデオロ2着)と有馬記念(スワーブリチャード4着)であることを考えれば、古馬一線級を交えたレースでも世代のレベルとしては十分に通用すると判断できる。
GⅠ馬ゴールドアクターが出走してくるが、休養明けであくまで本番を見据えての仕上げで臨んでくると考えられ、ミッキースワローも同世代GⅠ馬を負かしてのGⅡ優勝実績を考慮すると優勝含めた上位争いが期待できる。
期待② 非根幹距離実績
2200mの距離というのはいわゆる非根幹距離にあたり、2000mや2400mのような根幹距離とはコーナーまでの走る距離やリズムの違いから得意不得意がでる距離と言われており、AJCCの過去の優勝馬の実績をみても非根幹距離での優勝歴(特にオープン特別や重賞)が目立つ馬が多く、今回の出走馬でも同様の優勝歴を持つ馬が何頭かいる。
こちらも実績は有馬記念を勝ったゴールドアクターが最上位となるが、それに次ぐのがミッキースワローとなる。
また、同距離同コースながらセントライト記念上位馬がAJCCを明け初戦(もしくは2戦目)に選択するケースは以外にも少ないが過去20年の中で出走したフサイチアウステル(2006年)とゼーヴィント(2017年)がいずれもセントライト記念2着→AJCC2着と好走していることや、非根幹距離重賞優勝歴のある明け4歳馬のAJCCの成績が(2-2-0-3)と比較的好成績であることもミッキースワローを推す好材料となりうる。
ポイント① 休養明け
ミッキースワローのデビューは3歳2月と遅く、そこから昨秋の菊花賞までの8ヶ月間で7レースに出走してきた。それほど間隔を開けずに使われてきたことが馬体重にも表れており、菊花賞にはデビュー以来最低体重の480kgとなっていた。また、過去に例のない不良馬場で消耗戦になったこともありその後の回復が気がかりなところである。
今回、デビュー以来初の3ヶ月休養明け初戦となるため当日の仕上がり具合が非常に気になるポイントである。
前述のようにデビュー時から-16kg減少していたことを考えると成長分も含めて2桁の馬体重増があってもおかしくはない。逆にしっかりと休養をとり回復してきたと考えても良いし、パドックでの馬体の状態で判断する必要がある。また、初の休養明けということもあり当日の気合乗りや追い切りの状態などが注目される。
まとめ
今後の古馬中距離路線で主役になりうる存在としてミッキースワローに期待がかかる一戦である。好勝負が期待される一方で初の休養明けの一戦でどんなパフォーマンスを示すのか、注目されるところだ。