2019年7月28日、札幌競馬場でクイーンステークス(GⅢ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるミッキーチャーム、サトノガーネット、ウラヌスチャーム、フロンテアクイーン、スカーレットカラーらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
函館で開催された2013年を除く、過去10回分のデータを参考にする。
目次
クイーンステークスの人気馬成績
過去10回のデータを見ると、1番人気は3勝、2着4回で3着は1回と、信頼度は結構高く、軸にはもってこいか。
2番人気が4勝を挙げるなど、人気で決まりやすい傾向にはあるが、3番人気などの上位人気は不振で伏兵馬が勝つケースも。狙いにいくのもいいかもしれない。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 中団待機が狙い目?
脚質・先行(4- 4- 2-27)
勝率 10.8% │ 複勝率 27.0%
脚質・中団(3- 5- 8-33)
勝率 6.1% │ 複勝率 32.7%
開幕週で開催されるクイーンステークスだが、逃げも2勝するなど、基本は前残りと言いたいところだが、ここ5年は中団待機の馬が結構来ている。
洋芝でも33秒台の末脚を繰り出す馬が出てきており、馬場状態にもよるが末脚で決まるようなこともあり得る。ただ小回りなので、10番手より後ろはきついか。
上がり3ハロンで1位の馬の複勝率が6割ながら2勝しかしておらず、6位以下の馬が4勝している現状を見ると、前目有利にシフトを置きながら、中団までケアする方がいいか。
予想参考データ② 前走GⅠ出走馬の取捨選択
前走GⅠに出走した馬は5勝を挙げるなど、決して無視はできないが、主なGⅠはヴィクトリアマイル、オークス、NHKマイルカップだ。
傾向として強めなのは、どちらも掲示板か1秒以内の負け。NHKマイルカップは勝ち馬アエロリットが参戦していた。
GⅠでは惜しくも届かず、もしくは人気で大惨敗というのが来やすいか。ただオークス組はこの5年は来ておらず、そのあたりが微妙である。
予想参考データ③ 函館組も成績はパッとせず?
この5年間で前走函館を使った馬が来たケースは2014年2着アロマティコの1頭だけ。もっと面白いのは、前走準オープンだった馬はこの5年で1頭も来ていない。
函館の3勝クラスを勝ってここに乗り込む馬は多かったが、傾向的に函館組も3勝クラス組も思ったような成績は出せていない。
牝馬は勢い、競馬における格言の初歩で登場するが、GⅠレベルの馬が出てくる場面では勢いだけではどうにもならないということか。
2019年の危険な人気馬は?
ミッキーチャームは人気になる見込みだが、初めての56キロがどうか。洋芝で3戦3勝ではあるが、少し間隔を空けると案外なことがあり、まして斤量が重くなる。勝ったらあっさりだろうが、不安要素が強くここは推せない。クイーンステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、サトノガーネットは3つ目の消しデータに合致している。2勝クラス、3勝クラスの連勝の勢いはあるが、まだ一線級との勝負はしていない。人気に推されるようでは、あまり妙味もなく、その割にリスクも見られる。
反対にウラヌスチャームは危険なデータに一つも当てはまらない。冬の中山で勝つなど、重い芝でも問題はなく、ハンデ戦とはいえ牝馬限定戦で結果を残した。新馬戦勝ちもあるので、鉄砲もきく。先週に引き続き、藤岡佑介騎手にチャンスが回ってきた。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ウラヌスチャームと言えそうだ。