2019年4月28日、京都競馬場で天皇賞春(GⅠ/芝3200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるエタリオウ、フィエールマン、ユーキャンスマイル、クリンチャー、メイショウテッコン、グローリーヴェイズらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
天皇賞春の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは1回、2着1回で3着はなし、1番人気の信頼度は極端に低い。
2番人気が5勝を挙げ、本来1番人気が確保すべきアベレージを残し、上位人気もまずまず。1番人気だけが信用できない、不思議な傾向が出ている。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 4コーナーで少しでも前へ
脚質・後方(0- 0- 0-44)
勝率 0.0% │ 複勝率 0.0%
ゴールドシップやオルフェーヴルなどが最後の直線でもがく、そんな光景をこの10年は見せられ、圧倒的1番人気がよもやの大敗を喫してきた。
明らかに後ろからでは届かないのは数値を見れば明らか。逃げも決まることがあるなど、基本的には前目で勝負をするのが正しい。
脚質・先行(3- 6- 5-21)
勝率 8.6% │ 複勝率 40.0%
複勝率が40%あるということは必ず1頭以上は先行馬が3着以内に入るということだ。できるだけ前でレースを進める馬を狙っていくのがいいかもしれない。
予想参考データ② 阪神大賞典組の取捨選択
4年連続で前走阪神大賞典組が2頭絡んでおり、最近のトレンドと言える。さすがに4年も続いているとなると無視はできない。
このうち、2015年、16年と3着以内に入ったカレンミロティックを除外すると、阪神大賞典で3番人気までで3着以内というのが浮かんでくる。
今年のメンバーで唯一該当するはずだったシャケトラが調教中の事故で亡くなり、2着3着の馬はいずれも人気薄。該当馬はいないことになる。
阪神大賞典組は本来無視できない存在なのだが、今年に限ってはここ数年の傾向から外れている。そこは注意しておきたい。
予想参考データ③ 長距離レース組が危ない?
長距離のレースとなると、スタミナが持つだろうかと不安視する人が増え、なるべくスタミナが持ちそうな馬から買おうとする。
アルバートがそうだが、ステイヤーズステークスで圧倒的な強さを見せても、結局天皇賞春で上位入線できなかったように、距離はそこまで重要ではない。
ダイヤモンドステークス組は過去14頭参戦しながら1頭しか馬券に絡んでおらず、唯一2着になったフェイムゲームはダイヤモンドステークスで58キロを背負って勝っていた。
今回ユーキャンスマイルが参戦するが、前走は54キロ。実質斤量4キロ増で臨む。データ的に見れば、苦戦してもおかしくはないが果たして。
2019年の危険な人気馬は?
また、エタリオウは人気になる見込みだが、血統的に強調しにくいことや斤量3キロ増になるなど、克服しなければならない点が多い。天皇賞春の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
ユーキャンスマイルは3つ目の消しデータに合致している。ダイヤモンドステークスから斤量4キロ増、万葉ステークスで53キロでも勝てなかったことを見ると、58キロで果たして勝てるかどうか。割引でいいだろう。
反対にフィエールマンは危険なデータに一つも当てはまらない。AJCCはシャケトラの2着だったが、斤量の関係ではフィエールマンの方が1キロ重く、力量的には勝っていた。休み明けで走るのは菊花賞で証明されており、ルメール騎手がうまくエスコートするはずだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、フィエールマンと言えそうだ。