2018年12月16日、阪神競馬場で朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ/芝1600m)が行われる。
ファンタジストはデビューから無敗で、小倉2歳S、京王杯2歳Sと連勝。今回のメンバー中で唯一、重賞を2勝している。
騎乗する武豊騎手は、昨年GⅠに昇格したホープフルSを除けば、JRA・GⅠで唯一勝っていないのがこの朝日杯FS。鞍上の快挙達成とともに、重賞3連勝で戴冠を果たすのか。優勝へのポイントを探っていく。
目次
ポイント① 初めてのマイル戦
朝日杯FSの過去10年を見ると、前走から距離延長となった馬は【1・5・4・70】。阪神で開催されるようになった2014年以降に限れば【0・1・2・25】。距離延長組はもともと苦戦を強いられていたが、先行有利、内枠有利の中山マイルから、よりスタミナが要求される阪神外回りに舞台が移ったことで、さらに厳しい傾向となっている。
過去20年まで遡っても、それまでに芝1600m以上が未経験だった馬の優勝例はなく、早いうちからマイル以上の距離を中心に使われてきた馬と比べれば不利だと言わざるを得ない。
ポイント② 決め手勝負への対応
阪神外回りが舞台となった2014年以降、メンバー最速の上がり3Fをマークした馬が【3・1・0・0】、同2位だった馬が【1・3・0・4】と、決め手勝負になることが多い。速い上がりを使えないタイプだと厳しくなる。
ファンタジストはこれまでのレースぶりを見ても、スピードと先行力を武器にするタイプ。3戦して上がり3Fでメンバー最速を計時したことはない。前走で上がり3F33.2秒をマークしているとは言え、レースの上がり3Fが33.5秒だっただけに、参考にはしづらい。
今年も明らかにペースを速くするような馬はおらず、例年通りスローの決め手勝負になることが濃厚。決め手に優れる馬に対抗できるかがカギになる。
ポイント③ 渋った馬場への対応
阪神はレース当日に雨の予報。馬場が渋る可能性がある。今回のメンバー中、道悪を経験している馬の方が少なく、条件はほとんど変わらないが、ファンタジストは夏の小倉、そして速いタイムが連発していた今秋の東京と、高速馬場で結果を出してきた。
ロードカナロア×ディープインパクトというスピードが強調された配合でもあり、スピードをそがれるようなパワー重視の馬場になった時に対応できるかがポイントになる。
まとめ
ここまで1番人気になったことがないファンタジストだが、重賞連勝してなお、今回も1番人気にはなりそうにない。世代屈指のスピードと完成度の高さで、2歳王者の座を勝ち取ることができるか。