2018年12月9日、シャティン競馬場で香港カップ(GⅠ/芝2000m)が行われる。ワーザー、ステファノス、ディアドラ、サングレーザー、タイムワープらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
当コーナーでは、過去のデータやレース傾向から勝ち馬を導き出していく。なお、特に明記していない場合、過去10年を対象とする。
目次
データ① 実績
香港ローカルGⅠを含めると、勝ち馬10頭中7頭がGⅠ馬。残る2頭はいずれも海外(香港以外)のGⅡを勝っており、もう2頭にはシャティン芝2000mのGⅡで2着があった。
データ② 前走
勝ち馬10頭中5頭が、地元のステップレースであるジョッキークラブカップから参戦。残る5頭の前走は、いずれも海外(香港以外)のGⅠだった。
データ③ 年齢
4歳が断トツの6勝。5歳が2勝で続き、3歳と6歳がそれぞれ1勝。高齢馬は不振。
データ④ 所属
香港が5勝でトップ。以下、日本と欧州がそれぞれ2勝で、南アフリカが1勝。
データ⑤ 人気
1番人気【4・2・0・4】
2番人気【2・1・2・5】
勝ち馬10頭中9頭が3番人気以内。ちなみに例外の1頭は、日本馬のエイシンヒカリ(2015年)。
結論
中心となるのは、香港のタイムワープ。昨年の覇者であり、その優勝後も同舞台の香港ローカルGⅠ香港ゴールドカップを勝つなど、力を示している。今年は9着と精彩を欠いたものの、昨年と同じくジョッキークラブカップからの参戦で、連覇の可能性は十分だ。
昨年の香港カップで2着だったワーザーは、前走のジョッキークラブカップで3着。国際GⅠのクイーンエリザベスⅡ世カップをはじめ、香港ローカルを含めるとシャティン芝2000mのGⅠを3勝している。今年は日本に遠征もして宝塚記念で2着に入り、実績は最上位と言っていい。優勝したGⅠ4戦の全てで手綱を取っているヒュー・ボウマン騎手に鞍上が戻るのも魅力だろう。
日本馬は、2015年エイシンヒカリ、16年モーリスと2年連続で優勝。昨年はメンバーがやや手薄で、ネオリアリズムの3着が最高だったが、今年は強力な布陣が揃っており、チャンスは十分だ。
3頭のうち、ディアドラとサングレーザーは、ともに充実著しい4歳馬。特にディアドラは、芝2000mで秋華賞を勝っており、筆頭格になる。サングレーザーも札幌記念を勝ち、天皇賞(秋)でも2着と、勢いがある。順調度や上がり目という点を考えれば、今年は日本馬が優勢と言える。