2018年12月2日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GⅠ/ダート1800m)が行われる。
最大の注目は、3歳のルヴァンスレーヴ。ここまで7戦6勝2着1回という“準パーフェクト”の成績で、うちGⅠを3勝している。前走の南部杯では、デビュー以来初めて1番人気を譲ったが、ダートで現役最強と言えるゴールドドリームを撃破。既に国内ダート界で最強との声も多く上がっている。
そのゴールドドリームが回避したことにより、1番人気に支持されることが濃厚だが、本当に死角はないのか。3つのポイントに焦点を当てて探っていく。
目次
ポイント① 3歳馬は不振
チャンピオンズCの前身であるジャパンCダートは、2008年に舞台を東京から阪神に移し、さらに2014年に中京開催となって現在の名称に変更された。2008年に開催時期が1週遅くなって12月になったことで、古馬と3歳馬の斤量差が2kgから1kgになった。
東京開催だった頃は3歳馬が7年間で3勝と活躍していたが、2008年以降は【0・2・2・18】と苦戦している。2番人気が2頭、3番人気が3頭と、上位人気で敗れた馬も多い。翌年にフェブラリーS、チャンピオンズCとJRAダートGⅠ完全制覇を達成したゴールドドリームも、3歳時は2番人気に推されながら12着と大敗。のちにGⅠを10勝したホッコータルマエ(2012年3着)や、3か月後にフェブラリーSをレコード勝ちしたサクセスブロッケン(2008年8着)でも、3歳時は歯が立たなかった。
古馬との斤量差が前走は2kgだったが、今回は1kgに縮まる。3歳馬として、現行の条件になってから初の優勝はなるか。
ポイント② トリッキーなコースを克服できるか
中京ダート1800mは、上り坂の途中からスタートするという特殊な舞台設定。しかもコーナー部分の距離が短い、つまりコーナーのカーブがきついため、他の競馬場のダート1800mと比べてもかなりトリッキーだと言え、器用さが求められる。
ルヴァンスレーヴが唯一敗れた1戦(伏竜S2着)というのが、今回と同じくコーナー4回で直線に急坂がある中山ダート1800m。地方の競馬場で勝っているとはいえ、もともとコーナリングがそれほどうまいというタイプではなく、トリッキーなコース形態にしっかりと対応できるかがカギになる。また、直線に急坂があるコースの実績に欠ける点も気になるところだ。
ポイント③ GⅠの厳しい流れに対応できるか
持ち時計は1600mで1.35.0、1800mで1.54.8、2000mで2.05.8と、古馬一線級と戦うにはやや物足りない。キャリアが少ない分、持ち時計が不足しているのは仕方がないし、これまでのレースぶりには余裕があるだけに、まだまだ詰めることはできるだろう。とはいえ、その中でハイペースだったと言えるのは、2歳時の全日本2歳優駿くらい。それ以外はある程度、落ち着いたペースのレースだった。
今回は本格的にダートの古馬一線級が揃ったレース。さらにペースアップする可能性は高いし、先行争いが激化したり、出入りの激しい競馬になったりすることも考えられる。2015年や2016年のように、中盤でペースアップして上がりがかかる流れになった時に対応し切れるかどうかは未知数だ。
まとめ
ここまで底らしい底を見せていないルヴァンスレーヴ。条件がより厳しくなることは必至だが、高いハードルをクリアし、ダート界の頂点へと一気に駆け上がることができるか。