2018年6月17日、函館競馬場で函館SS(GⅢ/芝1200m)が行われる。ダイアナヘイロー、ナックビーナス、ワンスインナムーン、エポワス、キングハート、ジューヌエコール、セイウンコウセイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
ダイアナヘイローは昨夏の北九州記念で4連勝決めて重賞初制覇を飾ると、今年も阪急杯を制覇。重賞2勝の実績は今回のメンバーでも上位だ。
前走の高松宮記念は最下位に沈んだが、ローカルのGⅢなら上位人気は必至。ただ、人気ほどの信頼感があるとなると疑問だ。その理由を挙げていく。
目次
不安① 初の洋芝
函館スプリントSの過去の成績を見ると、洋芝を得意としていたシーイズトウショウが2004、05年に連覇し、2006年も2着。その2006年は、準オープンからの格上挑戦ながら、函館、札幌で4勝を挙げていた洋芝巧者のビーナスラインが最低13番人気で優勝した。「夏競馬は格より調子」という格言があるが、このレースでは洋芝適性も重要なポイントになる。
ダイアナヘイローは、洋芝の函館、札幌が未経験。速い時計が出やすい夏の小倉で良績を残し、1回阪神の開幕週に開催される阪急杯を制覇したように、本質的に高速馬場を得意としている。
昨年は勝ちタイムが1分7秒を切るなど、近年の函館スプリントSは高速決着が多いものの、今週は週初めから週中にかけて雨が降ったことで、特に力の要る馬場状態になることが予想される。パワーが要求される馬場でも力を発揮できるか。
不安② 先行争い
全7勝中4勝が逃げ切り。北九州記念は2番手から抜け出す競馬で勝っているように、控える競馬でも結果を出しているが、マイペースで先行できた時にこそ持ち味を発揮するタイプだ。
今回は、同じく上位人気の一角を担うであろうナックビーナス、ワンスインナムーンなど、同型が揃った。さらに、セイウンコウセイ、ラインスピリットなどの実力馬も、小回りを意識して早めに競りかけに行くことが予想される。
ダイアナヘイローは、オープンに昇格してからの5戦のうち、2戦が1着で、3戦が2桁着順というムラのある成績が示すように、自分のリズムで走れないと脆い面があるだけに、激しい先行争いに巻き込まれると、大敗の危険性もある。
不安③ 前走の大敗
勝った阪急杯は、今年2月いっぱいで定年引退した福島信晴元調教師にとってのラストレースだった。それだけに、当時は究極の仕上げだったはずで、レースでも勝ちにこだわる競馬をした。
続く高松宮記念は18着と大敗。実績のない左回りで、後続から早めに来られる厳しい展開になったとは言え、全く“らしさ”が見られなかった。阪急杯の反動があったのかも知れないし、転厩によって環境が変化したことが影響を及ぼした可能性もある。
繊細な牝馬だけに、滞在競馬はプラスに働きそうだが、体調面、精神面の両面でいい時の状態を取り戻せているかがカギになる。
まとめ
実績から、サマースプリントシリーズの優勝も十分に狙えるダイアナヘイロー。最下位に敗れた前走から仕切り直しとなる一戦で、どんな競馬を見せるか。