2018年6月2日、阪神競馬場で鳴尾記念(GⅢ/芝2000m)が行われる。サトノノブレス、トリオンフ、トリコロールブルー、マルターズアポジー、ヤマカツライデン、アメリカズカップ、ストレンジクォークらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
その昔、鳴尾競馬場で競馬が行われていたことがレース名の由来となっている鳴尾記念は1951年から行われている阪神競馬場ではおなじみとなっているレースだが、これまでに開催時期や負担重量、距離やグレードなど様々な要素が度々変更となっている。
配当傾向を過去6年で見てみると、単勝1番人気は2014年にエアソミュールが勝利したのみで、2012年を除き三連単はすべて万馬券、昨年2017年は単勝3番人気→1番人気→7番人気の組み合わせで14,460円となっている。2018年はどのような決着となるのか。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップして紹介する。人気、血統、枠順、ローテーションなど、予想のポイントになりそうなデータとは?(対象データ:2012年~2017年に行われた鳴尾記念)
目次
ポイント1 人気薄は消し!
春のグランプリGⅠ・宝塚記念へ向けてのステップレースの一つである鳴尾記念ではあるが、先程も触れたように2012年を除いて直近では5年連続三連単は万馬券と順当に収まることが少ない。それでも、人気別に集計した場合、単勝1番人気が勝利できなくても比較的上位人気の組み合わせになることが多く単勝7番人気以降になるような馬の成績は奮わない。
人気 | 着別度数 |
---|---|
7-16人気 | 0- 3- 3- 31/ 37 |
人気 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
7-16人気 | 0.0% | 16.2% | 0 | 148 |
昨年2017年に10頭立て単勝7番人気で3着に食い込んだマイネルフロストをはじめとして直近5年では少なくとも毎年1頭は馬券圏内に入っているものの、他に絞り込める要素は少ないことから基本的には消しと判定していいだろう。
※以降、6番人気以内を対象に集計
ポイント2 7歳馬以上は消し!
年齢別で集計すると、成長途上の4歳馬や脂が乗っている5歳馬・6歳馬の活躍が鳴尾記念では中心となっている。そのため、一部の晩成型を除き競走馬としてのピークが過ぎつつある7歳以上の高齢馬は人気になっていても結果が伴ってこず、不振が目立つ。
馬齢 | 着別度数 |
---|---|
7歳以上 | 0- 1- 0-10/ 11 |
馬齢 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
7歳以上 | 0.0% | 9.1% | 0 | 10 |
昨年2017年こそ7歳牝馬のスマートレイアーが単勝1番人気で2着となったが、同馬は当時すでに重賞3勝やGⅠ・秋華賞2着など実績を残していた馬であることから、そのくらいの実績馬でなければ基本的には消しと判断していいだろう。
ポイント3 関東馬は消し!
西高東低と言う長らく競馬界で常識となっている東西の能力差が、鳴尾記念では顕著に現れ地の利も相まって関西馬が圧倒的有利となっており、関東馬は結果を残せていない。
所属 | 着別度数 |
---|---|
関東馬 | 0- 0- 0- 3/ 3 |
所属 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
関東馬 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
そもそも関東馬の挑戦例自体が少ないが、2013年には単勝2番人気となった関東馬ダイワファルコンが10着に敗退するなど人気にかかわらず活躍できていない。
ポイント4 前走5着以内は消し!
通常のレースでは、前走でも上位に入線した馬が活躍する傾向にあるが、鳴尾記念ではまったく逆の結果となっている。これは、前走で格下のレースを勝ち上がってきた馬よりも前走格上のレースで掲示板を外すような敗退をした馬が立て直した結果、成績を残していることを示している。
前走着順 | 着別度数 |
---|---|
5着以内 | 0- 2- 0-13/15 |
前走着順 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
5着以内 | 0.0% | 13.3% | 0 | 16 |
2着にいる2頭は共に前走がGⅠもしくはGⅡで、なおかつ鳴尾記念では単勝1番人気に支持されていた(2012年ショウナンマイティ、2017年スマートレイアー)。
ポイント5 前走GⅠ・GⅡ以外は消し!
最後に前走のレースクラスからポイントを探すとポイント4からも分かる通り、前走でGⅠ・GⅡという格上のレースを走っていた馬が鳴尾記念では結果を残せており、GⅢ・OPEN特別・1600万下から挑戦している馬の成績は奮わないことがわかる。
前走クラス | 着別度数 |
---|---|
GⅠ・GⅡ以外 | 1- 0- 2-12/15 |
前走クラス | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
GⅠ・GⅡ以外 | 6.7% | 20.0% | 52 | 43 |
昨年2017年こそ武豊騎手騎乗単勝3番人気のステイインシアトルが前走のOPEN特別・福島民報杯6着から巻き返して優勝を果たしているが、それ以外では時折3着となる馬がいるものの結果がほとんど残せていない。
まとめ 消しデータを取り除くと?
では、ここまで挙げてきた消しデータを取り除くと、どのような成績になるのだろうか?
着別度数 |
---|
5- 1- 1- 2/ 9 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
55.6% | 77.8% | 301 | 157 |
なんと、好走率は約8割、回収率も約230%を弾き出し極めて優秀な成績となった。
今年はこのデータに該当する馬を軸に添えてみても、いいかもしれない。