2018年5月20日、東京競馬場でオークス(GⅠ/芝2400m)が行われる。アーモンドアイ、ラッキーライラック、サトノワルキューレらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
今回は出走各馬の調教にフォーカスしていく。どんなに能力の高い馬であっても、出走した時の状態が良くなければ100パーセントのパフォーマンスを発揮することは難しい。仮に有力馬の状態が100%でないなら、多少実力が劣る馬であっても台頭してくる可能性は十分に考えられる。特に重賞の場合、各馬の実力が拮抗している。このため、状態一つで着順が入れ替わることは珍しくない。
陣営にとっては「いかにいい状態で出走させられるか」が、馬券を買うファンにとっては「いかに状態を見極められるか」がレースのカギを握ってくるのだ。
今週には最終追い切りが美浦、栗東の東西トレーニングセンターで行われた。これを受けて、体調や仕上がり具合を一週前の調教と最終追い切りから考察していく。
目次
最終追いきり診断
今回は上位人気が予想される馬を中心に見ていくことにしよう。
ラッキーライラック・牝3歳(オルフェーヴル・栗東・松永厩舎)
評価A-
5月9日1週前追い切り栗東CWコース(不)
6F81秒1―65秒4―50秒9―37秒8―11秒8
調教助手が一杯に負荷を掛けた状態での併せ馬。レッドエクシード(3歳未勝利)を1.1秒以上追走して6F標識から少しずつ前を意識しながら走り、直線手前で気合いを入れて0.1秒先着。素軽さよりも力強さを感じる走りで馬体もスッキリしており、前走よりもリラックスしているように見える。
5月16日最終追い切り栗東CWコース(良)
6F86秒0―69秒2―53秒8―39秒1―11秒5
調教助手が騎乗して一杯に追っての併せ馬。シャンティローザ(4歳上1000万下)を0.7秒差追走して0.2秒先着。僚馬が少し抑えてるのに対して一杯の追走をしたので先着は当然。一週前にしっかり追っているため今回は終い重点で余力を残してフィニッシュ。大きなスライドで走るため、ゆったりと走れる距離の方が向いていそう。
アーモンドアイ・牝3歳(ロードカナロア・美浦・国枝厩舎)
評価A-
5月9日1週前追い切り美浦南Wコース(重)
6F82秒3―66秒6―52秒0―38秒4―12秒6
ルメール騎手騎乗で馬なり併せ馬。4歳上500万下の僚馬を目標にリラックスして追いかけ、雨でぬかるむ馬場を気にせず1馬身先着。合図をしなくても直線で手前を変え、スムーズに加速、完成度の高い走りが出来そうな仕上がり。
5月16日最終追い切り美浦南Wコース(良)
6F85秒0―68秒9―53秒6―39秒0―12秒0
今回もルメール騎手が騎乗しウッドコースで馬なり併せ馬の調整。レッドローゼス(4歳上1600万下)を0.2秒差追走し、ラスト1Fでは届きそうになかったが相変わらずの加速力で同時入線した。1週前で自己ベストに近い動きでほぼ仕上がっていたため、今週は万全に近づけるための調整程度で終了。
サトノワルキューレ・牝3歳(ディープインパクト・栗東・角居厩舎)
評価B+
5月9日1週前追い切り栗東CWコース(不)
6F85秒1―67秒9―52秒8―38秒3―11秒9
調教助手騎乗で馬なりの3頭併せ。3頭の先頭を走る感じでスタート。ペースはともかく気分よく走っていて後ろを待つだけの余裕ある走り。内からカンタービレ(3歳オープン)が並び掛けてきて結果的には併入だが、手応えは断然上。今のところは細くは見えていないが、馬体重には要注意。
5月16日最終追い切り栗東坂路(良)
4F57秒5―41秒1―26秒0―12秒9
今週の追い切りも調教助手が騎乗、馬なりでの調整。道中ゆったりとしたペースで単走追い切り、折り合いに専念してラストのみ手綱を緩めフィニッシュした。短期間で2度の輸送が心配だが、調教での動きはしなやかで折り合いもつき反応よくいている。
オールフォーラヴ・牝3歳(ディープインパクト・栗東・中内田厩舎)
評価B+
5月10日1週前追い切り栗東芝コース(重)
5F65秒0―49秒8―36秒4―11秒6
今回始めてのコンビとなる和田竜二騎手が乗って強めの追い切り。気合いを入れたのはラストのみだったが、4Fあたりから自分で加速し始め、ぶれることなくしっかりとした足取りでゴールまで走っていた。馬体の張りもよく順調に仕上がっている。
5月16日最終追い切り栗東CWコース(良)
4F53秒7―38秒6―11秒9
ラスト1Fのみ強めの調教。最後までしっかり伸びきってのゴール。前走よりも出来は良くなって力は出し切れる状態になっている。輸送があるためテンションが上がらないように調整できている。
リリーノーブル・牝3歳(ルーラーシップ・栗東・藤岡厩舎)
評価A
5月9日1週前追い切り栗東坂路(不)
4F54秒5―39秒9―25秒4―12秒0
川田騎手が跨がってラストのみ一杯に追って駆け抜ける。馬体だけ見ると明らかに短距離指向の強い体型をしており、距離に対する不安は拭えない。追い切りは重心の低いフォームで実によく動き、タイムも上々。仕上がりはこの時点でも満点に近い。
5月16日最終追い切り栗東CWコース(良)
6F79秒3―62秒6―49秒3―36秒4―11秒8
最終追い切りは川田騎手が騎乗、単走ながらスタートから一杯に追われて自己ベストを更新するタイムをマーク。中間もしっかりと乗り込まれ、軽快で最後までしっかり動いており万全の仕上がりに見える。距離さえ持てば好勝負出来そう。