NHKマイルカップ2018の競馬予想分析…ケイアイノーテックが持つ3つの不安要素

一歩抜け出せるか――。

2018年5月6日、東京競馬場でNHKマイルカップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。ニュージーランドトロフィーを制したカツジやアーリントンカップの勝ち馬タワーオブロンドン、クイーンカップで逃げ切り勝ちのテトラドラクマなどが出走を予定する。この中で人気を集めそうなのがケイアイノーテックだ。

ケイアイノーテックの前走はニュージーランドトロフィーだったが、中団待機から4コーナーでスパートをかけて一旦は先頭に出たが、最後の最後でカツジに差されてしまった。それでも1番人気で2着だったというのは最低限の結果を残したと言える。ここまでの戦績も人気になるような戦績であり、朝日杯フューチュリティステークスでは2着3着とほぼ差がなかった。チャンスが巡ってきたといっても過言ではない。

しかし、ケイアイノーテックがこのレースを勝ちきるほどの馬かといえば、そう言い切れない要素がいくつもある。血統面の問題や時計面の問題、そして騎手の問題と山積している。これらを乗り越えられるのか、そのような観点で見ていきたい。


目次

不安要素① 血統面の問題

ケイアイノーテックの父ディープインパクトは今更説明する必要がない大種牡馬であり、マイルで一番強さを発揮するといっても過言ではない。問題は母方の血統だが、母はケイアイガーベラだ。ケイアイガーベラといえば、短距離のダート重賞を2勝するなどダートで強さを見せた馬だ。

距離的に足りないということはないにしても、ちょっとタフなレースになった時に対応できるかが不安が残る。またケイアイガーベラは神経質な馬だったが、ニュージーランドトロフィーでは初めての輸送で12キロも減らしている。どこまで馬体を回復させるかだが、再びの輸送などを考慮するとそのあたりは慎重にならざるを得ない。人気になりそうな分、そこが怖い。

不安要素② 時計面の不安

ニュージーランドトロフィーは1分34秒2というタイムで走り切っているが、このタイムは今までのこのレースの勝ちタイムの中ではさほど優秀ではない。良馬場に限定すれば、下から数えた方が速い。朝日杯フューチュリティステークスでは1分33秒9で走っているが、アーリントンカップの5着馬のタイムよりも遅い。強調するような速い時計がないのは気がかりだ。

またアーリントンカップ2着のパクスアメリカーナとはこぶし賞で対戦しており、差し負けている。ニュージーランドトロフィーも確かに後方に有利な流れだったとはいえ、上がり3位の脚を見せながらも2位とはコンマ6秒の差をつけられた。ちなみにその時の上がり2位はカツジである。差し負けが今回出ている馬との対戦で目立っており、厳しさが残る。

不安要素③ 急遽の騎乗変更

元々ケイアイノーテックは武豊騎手が騎乗予定だったが、天皇賞春の前週に騎乗停止を食らい、結果的に藤岡佑介騎手に乗り替わることになった。ケイアイノーテックはこれといった主戦騎手がおらず、テン乗りが目立つ。なので本来はさほど影響がなさそうに見えるが、まだGⅠで数え切れないほど勝利した武豊騎手とGⅠ未勝利の藤岡佑介騎手では明らかに格が違う。

藤岡佑介騎手は好調なので、今回こそは勝つかもしれないが、重賞の勝ち鞍を見ても東京競馬場ではあまりいい勝っていないのも気がかりである。しかも、藤岡佑介騎手はここ数年東京競馬場の芝のレースで勝ち星すら挙げていない。そんな状況で勝ち切る姿を想像するのが酷かもしれない。

まとめ

実績だけを見れば人気になってもおかしくなく、勝ったとしても不思議ではない。しかし、決め手に欠けることや騎手の問題など引っかかることがあまりに多い。しかも前走に大きく馬体を減らした。こうしたことを鑑みても、勝利を期待することは少し難しい。

展開がハマるとすれば、前目でレース運びをし、末脚勝負を避けるような走りをすることだ。同じ位置から追い比べをすれば確実に負ける。ただNHKマイルカップは前が残りやすい。その展開に持っていけばチャンスは出てくる。あとは騎手が冷静にその走りができるかどうか、そこにかかっている。

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