世代最速の証明へ――。
2018年4月15日、中山競馬場で皐月賞(GⅠ/芝2000m)が行われる。今週待ちに待った牡馬クラシックの第1弾がついに開幕する。過去10年では1番人気の勝利はヴィクトワールピサ、ロゴタイプの2頭のみであり、7番人気キャプテントゥーレ、8番人気ディーマジェスティ、9番人気アルアインが優勝するなど波乱の多いレースである。今年も圧倒的1番人気に支持されるであろうダノンプレミアムが回避するなど波乱ムードが漂っている。
今回の注目馬は弥生賞2着のワグネリアンだ。前走ではワグネリアンにコンマ2秒まで迫った2着であったが、上がり最速、中山、立ち回り、位置取りなどを考えればなかなか評価出来る内容だったのではないだろうか?福永騎手の手綱捌きに注目が集まる。
果たしてワグネリアン弥生賞2着からは巻き返し、世代最速を証明することが出来るのか? 過去のデータから検証していこう。
目次
データ① 関西馬優勢
過去10年のデータを見ると関西馬が6勝をあげており、やや関西馬優勢となっている。過去10年の所属別成績を見ていこう。
所属 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
美浦 | 4- 1- 2- 55/62 | 6.5% | 8.1% | 11.3% |
栗東 | 6- 9- 8- 92/115 | 5.2% | 13.0% | 20.0% |
集計期間:2008年~2017年
勝率を見ればわずかに関東馬のほうが高いが勝ち馬の数では関西馬、連対率、複勝率においては関西馬のほうが上回っている。ほぼ互角ではあるが輸送があるにも関わらず関西馬のほうが成績が良いことを考えると関西馬のほうが優勢と言える。ちなみに波乱が多いが関東馬の激走はない。
データ② 脚質
中山競馬場ということもあり、先行馬が有利に思えるが意外な結果となっている。東京競馬場で行われた2011年を除く過去10年の脚質別の成績を見ていこう。
脚質 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
逃げ | 1- 0- 1- 10/12 | 8.3% | 8.3% | 16.6% |
先行 | 1- 3- 3- 24/31 | 3.2% | 12.9% | 22.5% |
差し | 7- 3- 4- 60/74 | 9.4% | 13.5% | 18.9% |
追込 | 0- 3- 1- 38/42 | 0.0% | 7.1% | 9.5% |
集計期間:2008年~2017年
以外にも一番勝ち馬が多いのは差しという結果になった。弥生賞、スプリングSが先行馬有利ということを考えれば意外な結果である。さすがにクラシックの皐月賞ともなれば先行力だけで押し切れるほど甘くないということだろう。福永騎手が極端に下げなければ勝ち負け可能だろう。
データ③ 前走
同条件ということもあり、弥生賞組の成績が良いが、近年では共同通信杯組の成績が良い。前走別の成績を見ていこう。
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
共同通信杯 | 4- 0- 1- 5/10 | 40.0% | 40.0% | 50.0% |
スプリングS | 3- 1- 2- 42/48 | 6.3% | 8.3% | 12.5% |
弥生賞 | 2- 5- 4- 33/44 | 4.5% | 15.9% | 25.0% |
毎日杯 | 1- 0- 0- 12/13 | 7.7% | 7.7% | 7.7% |
若葉S | 0- 3- 1- 18/22 | 0.0% | 13.6% | 18.2% |
その他 | 0- 1- 2- 37/40 | 0.0% | 2.5% | 7.5% |
集計期間:2008年~2017年
共同通信杯組が圧倒的な成績であり、人気の有無に関わらず軽視することが出来ない数字である。次に勝ち馬が多いのはスプリングS組ではあるが、複勝率など安定感を考えれば弥生賞組のほうが良い。同じ舞台ということもあり当然だろう。その他重賞からの参戦は勝ち馬がおらず複勝率も低いなど大不振だ。
まとめ
いかがだっただろうか? データを見れば特に不安要素は見当たらず、良い条件が揃っており勝ち負け必須といえる。しかし気になるのは鞍上である。福永騎手はこれまで16回挑戦し勝つことが出来ていない。2着3回3着2回など惜しい成績ではあるが、これだけ勝てないとなると福永騎手と皐月賞の相性が悪いのではないかとも思われる。しかし極端に位置取りを下げなければデータが示すとおり勝ち負け出来ると考えられる。
ダノンプレミアムという最大のライバルが居ない中、ワグネリアンは世代最速を証明出来るのか? そして福永騎手は皐月賞初制覇なるか?その答えが今から楽しみだ。