2018年4月7日、阪神競馬場で阪神牝馬S(GⅡ/芝1600m)が行われる。リスグラシュー、ソウルスターリング、ミスパンテール、アドマイヤリード、レッツゴードンキ、ラビットラン、ミリッサ、ジュールポレールらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
2006年にGⅠ・ヴィクトリアマイルが新設され上半期の古馬牝馬のレース体系が整備されていく中で、これまでの12月開催から4月開催に実施される時期が変更となりヴィクトリアマイルに向けての重要な前哨戦として位置づけられたのが阪神牝馬Sである。
実際、阪神牝馬Sからヴィクトリアマイルに挑戦した馬の成績は過去10年で4勝2着3回3着3回と好成績を残しているが、この内、阪神牝馬Sで勝利したのは2008年のエイジアンウインズのみとなっているのも大きな特徴となっている。
配当傾向を過去10年で見てみると、ここ数年は比較的堅い決着となっており、昨年2017年は三連単で6,370円、一昨年は3,320円と2年続けて万馬券になっていないものの単勝1番人気は3勝しかできていない。
2018年はどのような決着となるのか。
今回は過去10年の阪神牝馬Sの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく。
目次
過去10年の該当馬(2008年以降・単勝6番人気以下で3着以内)
年 | 着順 | 馬名 |
---|---|---|
2015 | 2 | ベルルミエール |
2014 | 3 | ローブティサージュ |
2013 | 3 | クィーンズバーン |
2012 | 1 | クィーンズバーン |
2011 | 2 | アンシェルブルー |
2010 | 1 | アイアムカミノマゴ |
2010 | 3 | カノヤザクラ |
2009 | 1 | ジョリーダンス |
2008 | 3 | パーフェクトジョイ |
注目点① 人気薄を狙うなら単勝6番人気から10番人気を中心に
該当馬のリストを見てもわかるように、過去10年で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が9頭で3割となっていて比較的平均的な結果となっている。
過去10年の中では直近2年では堅い配当を裏付けるように該当馬がいないがそれ以外の年は毎年1頭以上該当していることから人気薄を狙うかどうかは慎重に考えなければならない。
ただし、今回の該当馬を人気別に見ると、高配当になる場合の人気にはそれほど気にする必要がないことがわかるが、単勝10番人気以下の極端な人気薄を狙うのが得策ではないことがわかる。
人気別集計 阪神牝馬S 過去10年
人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1番人気 | 3- 2- 0- 5/ 10 | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 2- 1- 0- 7/ 10 | 20.0% | 30.0% |
3番人気 | 0- 3- 2- 5/ 10 | 0.0% | 50.0% |
4番人気 | 1- 1- 3- 5/ 10 | 10.0% | 50.0% |
5番人気 | 1- 1- 1- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% |
6番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
7番人気 | 1- 2- 1- 6/ 10 | 10.0% | 40.0% |
8番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
9番人気 | 1- 0- 2- 7/ 10 | 10.0% | 30.0% |
10番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
11番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
12番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
13番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% |
15番人気 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% |
16番人気 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% |
17番人気 | 0- 0- 0- 5/ 5 | 0.0% | 0.0% |
18番人気 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
年 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|
2015 | ベルルミエール | 7 | 11.7 |
2014 | ローブティサージュ | 9 | 24.6 |
2013 | クィーンズバーン | 7 | 21.5 |
2012 | クィーンズバーン | 11 | 55.1 |
2011 | アンシェルブルー | 7 | 13.2 |
2010 | アイアムカミノマゴ | 9 | 23.7 |
2010 | カノヤザクラ | 10 | 25.1 |
2009 | ジョリーダンス | 7 | 19.9 |
2008 | パーフェクトジョイ | 9 | 29.2 |
注目点② 人気薄は4歳馬5歳馬から
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った9頭中7頭が4歳馬か5歳馬となっている。
まだまだ成長過程にある4歳馬や充実期を迎えている5歳馬が阪神牝馬Sにおいては戦前評価を覆したパフォーマンスを発揮できていることを示している。
年齢別集計 阪神牝馬S 過去10年
年齢 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
4歳 | 6- 7- 4- 53/ 70 | 8.6% | 24.3% |
5歳 | 2- 3- 3- 43/ 51 | 3.9% | 15.7% |
6歳 | 1- 0- 3- 20/ 24 | 4.2% | 16.7% |
7歳 | 0- 0- 0- 14/ 14 | 0.0% | 0.0% |
8歳 | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | 馬齢 |
---|---|
ベルルミエール | 4 |
ローブティサージュ | 4 |
クィーンズバーン | 5 |
クィーンズバーン | 4 |
アンシェルブルー | 4 |
アイアムカミノマゴ | 4 |
カノヤザクラ | 6 |
ジョリーダンス | 8 |
パーフェクトジョイ | 5 |
注目点③ 社台ファーム・ノーザンファーム生産馬に注目
今回の該当馬9頭中6頭が社台グループの中でも中心的な存在である社台ファーム・ノーザンファームの生産馬となっている。
牡馬の場合、クラシック戦線で中心となる距離になると社台グループが現在の日本競馬界を席巻しているものの、牝馬では牡馬ほど中心的な存在にはなりにくくなっている。
しかし、人気薄だからといって軽視しているとまだまだ存在感を示してくるだけの実力を持った馬も多く侮ってはならない。
生産者別集計 阪神牝馬S 過去10年
生産者 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
社台ファーム | 3- 5- 0-21/29 | 10.3% | 27.6% |
ノーザンファーム | 2- 4- 4-21/31 | 6.5% | 32.3% |
岡田スタツド | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% |
タイヘイ牧場 | 2- 0- 0- 1/ 3 | 66.7% | 66.7% |
錦岡牧場 | 1- 0- 0- 2/ 3 | 33.3% | 33.3% |
矢野牧場 | 0- 1- 0- 2/ 3 | 0.0% | 33.3% |
グランド牧場 | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% |
社台コーポレーション白老ファーム | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% |
シンコーファーム | 0- 0- 1- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% |
浜本牧場 | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% |
ビッグレッドファーム | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% |
ノースヒルズマネジメント | 0- 0- 1- 0/ 1 | 0.0% | 100.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
ソート:着別度数順 ※3着以内に入った生産者のみ
馬名 | 生産牧場 |
---|---|
ベルルミエール | 社台ファーム |
ローブティサージュ | ノーザンファーム |
クィーンズバーン | ノーザンファーム |
クィーンズバーン | ノーザンファーム |
アンシェルブルー | 矢野牧場 |
アイアムカミノマゴ | 社台ファーム |
カノヤザクラ | 浜本牧場 |
ジョリーダンス | 錦岡牧場 |
パーフェクトジョイ | ノーザンファーム |
注目点④ 前走は1400m~1600mに出走
今回の該当馬9頭中7頭が前走でマイル戦か1400m戦を使われていた。
マイル前後の距離から挑戦する馬も多い中で、他馬との比較で人気を落としていてもマイル適性のある馬が活躍できていることがわかる。
前走距離別集計 阪神牝馬S 過去10年
前走平地距離 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1200m | 1- 0- 1- 21/ 23 | 4.3% | 8.7% |
1400m | 4- 2- 3- 29/ 38 | 10.5% | 23.7% |
1600m | 3- 5- 5- 46/ 59 | 5.1% | 22.0% |
1800m | 1- 2- 1- 21/ 25 | 4.0% | 16.0% |
2000m | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% |
2200m | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% |
2400m | 0- 1- 0- 1/ 2 | 0.0% | 50.0% |
2500m | 1- 0- 0- 1/ 2 | 50.0% | 50.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | 前走距離 |
---|---|
ベルルミエール | 1600 |
ローブティサージュ | 1600 |
クィーンズバーン | 1400 |
クィーンズバーン | 1400 |
アンシェルブルー | 1600 |
アイアムカミノマゴ | 1400 |
カノヤザクラ | 1200 |
ジョリーダンス | 1400 |
パーフェクトジョイ | 1800 |
まとめ
ここまでの4つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の2頭が該当する。
レッドアヴァンセ
ワントゥワン
なお、本原稿は最終登録の段階で執筆しているため、仮に今回の該当馬が極端な人気薄に支持されたり、出走回避した場合などは、上位に食い込む可能性は低いと見て、素直に上位5番人気までの堅い決着を予想する方法もありそうだ。
後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。