2018年3月25日、中京競馬場で高松宮記念(GⅠ/芝1200m)が行われる。レッドファルクス、レッツゴードンキ、ファインニードル、セイウンコウセイ、ダンスディレクター、ダイアナヘイロー、レーヌミノルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
2000年から春の中京開催最終週に行われるようになった上半期のスプリント王決定戦である高松宮記念は、競馬ファンにとって春のGⅠシーズン開幕を告げるレースとなっている。
また、2014年にチャンピオンズカップが中京競馬場で行われるようになるまでは、中京競馬場で行われる唯一のGⅠレースだったのが高松宮記念だ。
2000年以降、2010年・2011年と優勝したキンシャサノキセキ以外連覇した馬は1頭もおらず、スプリント・短距離路線の群雄割拠を象徴する結果ともなっている。
配当傾向を過去10回で見てみると、単勝はすべて10倍以内と堅い傾向を見せるものの、三連単でみると1万円未満の配当となった年が2回ある一方で10万円を超える配当となった年も2回あるなど傾向が見られない。
2018年は荒れた決着となるのか、それとも人気サイドの決着となるのか。
今回は中京競馬場で行われた2007年以降の高松宮記念の結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく(2011年は阪神競馬場で行われたため対象外)。
過去10回の該当馬(2007年以降・単勝6番人気以下で3着以内)
| 年 | 着順 | 馬名 |
|---|---|---|
| 2015 | 2 | ハクサンムーン |
| 2014 | 2 | スノードラゴン |
| 2013 | 3 | ハクサンムーン |
| 2010 | 2 | ビービーガルダン |
| 2009 | 3 | ソルジャーズソング |
| 2007 | 2 | ペールギュント |
注目点① 人気薄を狙うなら手広く検討を
該当馬のリストを見てもわかるように、過去10回で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が6頭と2割にとどまっており、該当馬がいない年も10回中4回と多くあることから積極的に人気薄を狙うかどうかは慎重に考えなければならない。
ただし、今回の該当馬を人気別やオッズで見ると、人気もオッズもそれほど気にする必要がないことがわかる。
人気別集計 高松宮記念 過去10回
| 人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 1番人気 | 4- 1- 4- 1/ 10 | 40.0% | 90.0% |
| 2番人気 | 1- 3- 1- 5/ 10 | 10.0% | 50.0% |
| 3番人気 | 2- 1- 3- 4/ 10 | 20.0% | 60.0% |
| 4番人気 | 2- 0- 0- 8/ 10 | 20.0% | 20.0% |
| 5番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
| 6番人気 | 0- 2- 0- 8/ 10 | 0.0% | 20.0% |
| 7番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 8番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
| 9番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 10番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
| 11番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 12番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 13番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
| 14番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 15番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
| 16番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 17番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
| 18番人気 | 0- 0- 0- 9/ 9 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
| 年 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
|---|---|---|---|
| 2015 | ハクサンムーン | 6 | 16.8 |
| 2014 | スノードラゴン | 8 | 19.6 |
| 2013 | ハクサンムーン | 10 | 85.6 |
| 2010 | ビービーガルダン | 6 | 11.9 |
| 2009 | ソルジャーズソング | 15 | 52 |
| 2007 | ペールギュント | 13 | 105.5 |
注目点② 人気薄は5歳から7歳まで
過去10回単勝6番人気以下で3着以内に入った6頭中5頭までが、5歳から7歳までとなっている。
4歳馬は古馬になったばかりでまだまだ成長過程にある馬も多く、だからこそ戦前評価どおりの実力を発揮していて、人気がない場合には馬券圏外に敗れてしまっていることがわかる。
年齢別集計 高松宮記念 過去10回
| 年齢 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 4歳 | 2- 0- 4- 32/ 38 | 5.3% | 15.8% |
| 5歳 | 6- 5- 2- 35/ 48 | 12.5% | 27.1% |
| 6歳 | 0- 5- 2- 35/ 42 | 0.0% | 16.7% |
| 7歳 | 2- 0- 1- 25/ 28 | 7.1% | 10.7% |
| 8歳 | 0- 0- 1- 16/ 17 | 0.0% | 5.9% |
| 9歳以上 | 0- 0- 0- 6/ 6 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
| 馬名 | 馬齢 |
|---|---|
| ハクサンムーン | 6 |
| スノードラゴン | 6 |
| ハクサンムーン | 4 |
| ビービーガルダン | 6 |
| ソルジャーズソング | 7 |
| ペールギュント | 5 |
注目点③ レース間隔は中3週か4週
今回の該当馬を見てみると、いずれの馬もレース間隔が中3週か中4週と前哨戦を使って比較的間をあけずに出走してきていることがわかる。
それだけ春のスプリント王戦となる高松宮記念を大目標に各馬が調整を進めてきたと言える。
間隔別集計 高松宮記念 過去10回
| 間隔 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 2週 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% |
| 3週 | 2- 2- 3- 62/ 69 | 2.9% | 10.1% |
| 4週 | 4- 5- 4- 41/ 54 | 7.4% | 24.1% |
| 5~ 9週 | 4- 2- 2- 29/ 37 | 10.8% | 21.6% |
| 10~25週 | 0- 1- 1- 13/ 15 | 0.0% | 13.3% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
| 馬名 | レース間隔 |
|---|---|
| ハクサンムーン | 3 |
| スノードラゴン | 3 |
| ハクサンムーン | 3 |
| ビービーガルダン | 4 |
| ソルジャーズソング | 3 |
| ペールギュント | 4 |
注目点④ 前走は中山競馬場で出走!
過去10回単勝6番人気以下で3着以内に入った6頭中5頭までが関東馬関西馬にかかわらず前走は中山競馬場で出走していた。
前走競馬場を人気に関係なく見てみると京都競馬場や阪神競馬場のほうが成績が良いため盲点になりがちで人気がなくなっている所、前評判を覆して結果を残していることがわかる。
前走場所別集計 高松宮記念 過去10回
| 前走場所 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 札幌 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 函館 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 福島 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 新潟 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 東京 | 0- 0- 0- 7/ 7 | 0.0% | 0.0% |
| 中山 | 2- 4- 3- 67/ 76 | 2.6% | 11.8% |
| 中京 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 京都 | 3- 2- 2- 26/ 33 | 9.1% | 21.2% |
| 阪神 | 4- 4- 4- 46/ 58 | 6.9% | 20.7% |
| 小倉 | 0- 0- 0- 0/ 0 | ||
| 海外 | 1- 0- 1- 3/ 5 | 20.0% | 40.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
| 馬名 | 前走場所 |
|---|---|
| ハクサンムーン | 中山 |
| スノードラゴン | 中山 |
| ハクサンムーン | 中山 |
| ビービーガルダン | 阪神 |
| ソルジャーズソング | 中山 |
| ペールギュント | 中山 |
注目点⑤ 前走馬体重は460kg~520kg
前走馬体重に注目すると今回の該当馬6頭中すべてが460kg~520kgまでとなっている。
スプリント戦であることからスタミナよりスピードが要求されると考えがちだが、レベルの高いレースである高松宮記念ではスピードを維持することができるスタミナも必要となり、馬格がしっかりしすぎても、身軽くても活躍ができていない。
前走馬体重別集計 高松宮記念 過去10回
| 前走馬体重 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 420~439kg | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% |
| 440~459kg | 0- 0- 1- 16/ 17 | 0.0% | 5.9% |
| 460~479kg | 2- 0- 3- 32/ 37 | 5.4% | 13.5% |
| 480~499kg | 2- 6- 3- 43/ 54 | 3.7% | 20.4% |
| 500~519kg | 4- 4- 3- 33/ 44 | 9.1% | 25.0% |
| 520~539kg | 1- 0- 0- 19/ 20 | 5.0% | 5.0% |
| 540~ | 1- 0- 0- 3/ 4 | 25.0% | 25.0% |
集計期間:2007年 ~ 2017年
| 馬名 | 前走馬体重 |
|---|---|
| ハクサンムーン | 484 |
| スノードラゴン | 514 |
| ハクサンムーン | 470 |
| ビービーガルダン | 498 |
| ソルジャーズソング | 508 |
| ペールギュント | 518 |
まとめ
ここまでの5つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の3頭が該当する。
キングハート
ネロ
ビップライブリー
なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているが、今年の高松宮記念の登録頭数は23頭となっていて収得賞金の関係で出走できない馬も多く今回選定した3頭の中でもビップライブリーは除外対象となっているので注意が必要だ。
また、仮に今回の該当馬が上位人気に支持されたり、出走回避した場合などは、人気薄が上位に食い込む可能性は低いと見て、素直に上位5番人気までの堅い決着を予想する方法もありそうだ。
後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。

