2018年3月11日、阪神競馬場でフィリーズレビュー(GⅡ/芝1400m)が行われる。モルトアレグロ、ラテュロス、アマルフィコースト、アンコールプリュ、アリア、アルモニカ、デルニエオール、コーディエライトらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
GⅠ・桜花賞へ向けてのトライアルレースとして1967年より行われているレースで、競馬場の改装などの例外を除いて基本的には阪神競馬場で行われている古くからの競馬ファンにも馴染み深いレースと言えるフィリーズレビュー。
前週に行われたチューリップ賞同様、1着~3着馬には桜花賞への優先出走権が与えられる。
近年では前哨戦としてチューリップ賞の価値が増してきている分、フィリーズレビュー出走馬が桜花賞で活躍する例は少なくなっていたが、昨年2017年はフィリーズレビュー単勝1番人気で2着となったレーヌミノルが桜花賞馬となった。
配当傾向を過去10年で見てみると、単勝1番人気から3番人気までが2勝ずつと割れていることからわかるように高配当となる年が多いが昨年2017年は単勝2番人気→1番人気→6番人気の組み合わせで3連単は昨年9,570円と比較的堅い決着となった。
2018年は以前の傾向通りの荒れた決着となるのか、昨年2017年のように人気サイドの決着となるのか。
今回は過去10年のフィリーズレビューの結果を元としてデータ分析するが、特に過去の穴馬の共通項から激走馬を探っていく。
目次
過去10年の該当馬(2008年以降・単勝6番人気以下で3着以内)
年 | 着順 | 馬名 |
---|---|---|
2017 | 3 | ゴールドケープ |
2016 | 1 | ソルヴェイグ |
2015 | 2 | ペルフィカ |
2014 | 2 | ニホンピロアンバー |
2014 | 3 | エスメラルディーナ |
2013 | 3 | ティズトレメンダス |
2012 | 2 | ビウイッチアス |
2012 | 3 | プレノタート |
2011 | 2 | スピードリッパー |
2010 | 1 | サウンドバリアー |
2009 | 1 | ワンカラット |
2009 | 3 | レディルージュ |
2008 | 1 | マイネレーツェル |
2008 | 2 | ベストオブミー |
注目点① 人気薄検討は手広く!
該当馬のリストを見てもわかるように、過去10年で馬券圏内に入った延べ30頭のうち単勝6番人気以下が14頭と5割近くを占めているように高配当を裏付ける結果となっている。
しかも、過去10年の内すべての年で必ず1頭はリストアップされていることから積極的に人気薄を狙うことも考えなければならない。
単勝人気で見ると6番人気から15番人気まで幅広く3着以内に入っているが、単勝オッズで見ると該当14頭中11頭までが50倍以内となっているので人気ではなくオッズを見て検討するのが得策と言える。
人気別集計 フィリーズレビュー 過去10年
人気 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1番人気 | 3- 1- 1- 5/ 10 | 30.0% | 50.0% |
2番人気 | 2- 4- 0- 4/ 10 | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 1- 2- 1- 6/ 10 | 10.0% | 40.0% |
4番人気 | 0- 1- 1- 8/ 10 | 0.0% | 20.0% |
5番人気 | 1- 0- 3- 6/ 10 | 10.0% | 40.0% |
6番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
7番人気 | 1- 1- 0- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
8番人気 | 1- 0- 1- 8/ 10 | 10.0% | 20.0% |
9番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
10番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
11番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
12番人気 | 1- 0- 0- 9/ 10 | 10.0% | 10.0% |
13番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
14番人気 | 0- 0- 1- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
15番人気 | 0- 1- 0- 9/ 10 | 0.0% | 10.0% |
16番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
17番人気 | 0- 0- 0- 10/ 10 | 0.0% | 0.0% |
18番人気 | 0- 0- 0- 8/ 8 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
年 | 馬名 | 人気 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|
2017 | ゴールドケープ | 6 | 24.1 |
2016 | ソルヴェイグ | 8 | 27.2 |
2015 | ペルフィカ | 7 | 17.4 |
2014 | ニホンピロアンバー | 13 | 186.5 |
2014 | エスメラルディーナ | 6 | 11.7 |
2013 | ティズトレメンダス | 11 | 38.4 |
2012 | ビウイッチアス | 8 | 14.5 |
2012 | プレノタート | 7 | 12.8 |
2011 | スピードリッパー | 6 | 11.5 |
2010 | サウンドバリアー | 9 | 26.2 |
2009 | ワンカラット | 6 | 18.5 |
2009 | レディルージュ | 15 | 79.6 |
2008 | マイネレーツェル | 11 | 53.1 |
2008 | ベストオブミー | 7 | 16.4 |
注目点② キャリアは4戦以上
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った14頭中13頭がフィリーズレビューまでに4戦以上出走して、クラシック本番に向けてある程度レース経験をステップを踏んで積んできた馬が活躍できていることがわかる。
キャリア別集計 フィリーズレビュー 過去10年
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
1戦 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% |
2戦 | 1- 0- 1- 11/ 13 | 7.7% | 15.4% |
3戦 | 1- 1- 1- 16/ 19 | 5.3% | 15.8% |
4戦 | 3- 2- 1- 29/ 35 | 8.6% | 17.1% |
5戦 | 3- 2- 3- 32/ 40 | 7.5% | 20.0% |
6戦 | 1- 4- 2- 19/ 26 | 3.8% | 26.9% |
7戦 | 0- 1- 2- 12/ 15 | 0.0% | 20.0% |
8戦 | 1- 0- 0- 6/ 7 | 14.3% | 14.3% |
9戦 | 0- 0- 0- 3/ 3 | 0.0% | 0.0% |
10戦 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | キャリア |
---|---|
ゴールドケープ | 7 |
ソルヴェイグ | 4 |
ペルフィカ | 4 |
ニホンピロアンバー | 6 |
エスメラルディーナ | 2 |
ティズトレメンダス | 6 |
ビウイッチアス | 7 |
プレノタート | 7 |
スピードリッパー | 5 |
サウンドバリアー | 6 |
ワンカラット | 5 |
レディルージュ | 5 |
マイネレーツェル | 8 |
ベストオブミー | 6 |
注目点③ レース間隔は十分に
今回の該当馬を見てみると、レース間隔を十分に取っている馬のほうが多くなっている。
何とかGⅠ・桜花賞に向けて間に合わせようとレース間隔を詰めて使ってきた馬よりも順調に使われてきた馬、春の始動戦をここからにした馬を選択することが得策と言える。
レース間隔別集計 フィリーズレビュー 過去10年
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
連闘 | 0- 0- 0- 4/ 4 | 0.0% | 0.0% |
2週 | 0- 0- 1- 8/ 9 | 0.0% | 11.1% |
3週 | 2- 0- 0- 23/ 25 | 8.0% | 8.0% |
4週 | 0- 2- 1- 19/ 22 | 0.0% | 13.6% |
5~ 9週 | 4- 4- 3- 46/ 57 | 7.0% | 19.3% |
10~25週 | 4- 4- 5- 34/ 47 | 8.5% | 27.7% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | レース間隔 |
---|---|
ゴールドケープ | 13 |
ソルヴェイグ | 3 |
ペルフィカ | 4 |
ニホンピロアンバー | 14 |
エスメラルディーナ | 10 |
ティズトレメンダス | 6 |
ビウイッチアス | 6 |
プレノタート | 4 |
スピードリッパー | 10 |
サウンドバリアー | 5 |
ワンカラット | 13 |
レディルージュ | 13 |
マイネレーツェル | 5 |
ベストオブミー | 7 |
注目点④ 前走は特別戦に出走
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った14頭中13頭が、前走特別戦に出走していた。
この時期は500万下の平場戦も行われているが、やはりクラシックやNHKマイルカップなど春のGⅠを目指していくにあたって、積極的にレベルの高いレースに出走している馬のほうが活躍できていることがわかる。
前走クラス別集計 フィリーズレビュー 過去10年
前走クラス | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
平場 | 1- 0- 2- 42/ 45 | 2.2% | 6.7% |
特別 | 9- 10- 8- 90/117 | 7.7% | 23.1% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | 前走クラス | レース名 |
---|---|---|
ゴールドケープ | GⅠ | 阪神JF |
ソルヴェイグ | 500万下・牝 | |
ペルフィカ | 500万下 | こぶし賞 |
ニホンピロアンバー | GⅠ | 阪神JF |
エスメラルディーナ | OPEN | ジュニアC |
ティズトレメンダス | 500万下 | はこべら賞 |
ビウイッチアス | OPEN | クロッカスS |
プレノタート | GⅢ | クイーンC |
スピードリッパー | GⅢ | フェアリーS |
サウンドバリアー | OPEN | エルフィンS |
ワンカラット | GⅠ | 阪神JF |
レディルージュ | GⅠ | 阪神JF |
マイネレーツェル | OPEN | エルフィンS |
ベストオブミー | 500万下 | 若菜賞 |
注目点⑤ 中心は関西馬
過去10年単勝6番人気以下で3着以内に入った14頭中11頭が関西馬となっている。
輸送が必要となる関東馬にとっては、遠征目的が競馬ファンの間でもはっきりしていることが多いことから有力馬は出走すれば上位人気に支持されることが多く、人気薄の関東馬が馬券圏内に入ってくることは少ない。
調教師所属別集計 フィリーズレビュー 過去10年
調教師分類 | 着別度数 | 勝率 | 複勝率 |
---|---|---|---|
美浦 | 2- 3- 1- 21/ 27 | 7.4% | 22.2% |
栗東 | 8- 7- 9-114/138 | 5.8% | 17.4% |
地方 | 0- 0- 0- 1/ 1 | 0.0% | 0.0% |
集計期間:2008年 ~ 2017年
馬名 | 所属厩舎 |
---|---|
ゴールドケープ | 関西・荒川義之 |
ソルヴェイグ | 関西・鮫島一歩 |
ペルフィカ | 関西・岡田稲男 |
ニホンピロアンバー | 関西・田所秀孝 |
エスメラルディーナ | 関東・斎藤誠 |
ティズトレメンダス | 関西・佐山優 |
ビウイッチアス | 関東・武藤善則 |
プレノタート | 関西・牧浦充徳 |
スピードリッパー | 関東・鹿戸雄一 |
サウンドバリアー | 関西・安達昭夫 |
ワンカラット | 関西・藤岡健一 |
レディルージュ | 関西・安田隆行 |
マイネレーツェル | 関西・五十嵐忠 |
ベストオブミー | 関西・鮫島一歩 |
まとめ
ここまでの5つの注目点から、人気薄で激走する可能性のある馬を選定すると次の4頭が該当する。
アンヴァル
コーディエライト
トロワゼトワル
レッドシャーロット
なお、本原稿は特別登録の段階で執筆しているが、今年のフィリーズレビューの登録頭数は27頭、同日に中山競馬場で行われる桜花賞トライアルのアネモネSと重複登録している馬も多く、収得賞金の関係で抽選対象となる馬も多い。
仮に全馬がフィリーズレビューを目指す場合、トロワゼトワルとレッドシャーロットは抽選対象となっているので注意が必要だ。
後は予想時点での単勝人気やオッズも確認の上、検討を加えていくのも、面白いのではないだろうか。