またしても千切り捨てるのか?
2018年1月14日、中山競馬場で京成杯(G3/芝 2000m)が行われる。このレースにはジェネラーレウーノ、コズミックフォース、ダブルシャープ、スラッシュメタルなどが出走を予定しているが、ここでは人気の1角となることが予想されるデルタバローズについて見ていく。
2戦目でクラシック候補へと名乗りを上げるのか。強気になれるポイントと不安材料、両方の側面から考察を進めていく。
目次
期待① 圧巻のデビュー戦
初戦でのパフォーマンスはそれは衝撃的なものだった。
既に2か月以上前になるが東京新馬戦での走りは実に見どころが多いものだった。直線は外外に進路を選ぶ余裕、重い馬場を全く苦にしない圧倒的なパワー、後続につけた4馬身という決定的な着差。どこをとってもスターホース誕生を思わせるのに十分なインパクトだった。
また2,4着馬がすでに勝ち上がっていることも心強い。ハイレベルな新馬戦での圧勝劇を見ればここが通過点となったとしても驚けない。
期待② 手薄なメンバー構成
初の重賞挑戦だが心配はない。
今回のメンバー構成を見ると重賞とは思えないほど手薄だと言える。同条件のホープフルステークスが昇格した影響もあるだろうか。重賞で好走歴があるのはダブルシャープしかおらず、2勝馬すら決して多くないこのメンバーならキャリアが浅いデルタバローズが素質で押し切れる見込みは十分だ。
不安① 芝スピード勝負への適性は?
圧巻のパフォーマンスとは言え前走の走りは重馬場でのものだ。
無論重い馬場が若駒にとって厳しいものであることは事実であり、そこでの走りは高く評価されてしかるべきだ。ただこの馬に関してはむしろその馬場状態がプラスに働いた可能性も否定できない。父のイントゥミスチーフは現役時代オールウェザーでしか出走の経験がなく、産駒の適正もまだまだ未知数。スピード勝負、キレ味比べとなった場合は気がかりだ。
不安② 距離適性は?
マイルからの2ハロン延長がどう出るか?
初戦の走りを見てもデルタバローズが走りに前向きなことがよくわかる。たくましい行きっぷりは頼もしいが2000で折り合えるか疑問でもある。また父の産駒は、国内でこれまで6勝を挙げているがこの馬の初戦以外は全て1400以下でのもの。そして右回りで1勝しか挙げていないことも不安だ。
まとめ
ここまで列記したようにデルタバローズには期待出来る面と不安な面が隣りあわせだ。初戦での走りはそのたぐいまれな素質の片りんに過ぎないのか、あるいは条件が嵌っただけなのか?いづれにしてもデルタバローズが大器であることは確実だろう。だがそれがこの舞台に向いたものかの判断は非常に難しい。
底知れぬ魅力に賭けるもよし、データから適性をドライにジャッジするもよし。どんな結果が待っているのか興味は尽きない。発走は日曜日の15時35分だ。
文=櫻井秀幸