抜群の素材がいきなり重賞へと挑戦だ。
2018年1月8日、京都競馬場でシンザン記念(G3/芝外回り 1600m)が行われる。ファストアプローチ、カシアス、スターリーステージなどの好メンバーが揃う模様で、ここに挑むのが関東の牝馬アーモンドアイだ。
一見無謀とも思える挑戦に勝算はあるのだろうか。アーモンドアイの魅力と疑問点について見ていこう。
目次
期待・圧巻の勝ち上がり
未勝利戦の勝ち上がりは衝撃的だった。
前走にあたる東京での未勝利戦は非常にインパクトがある内容だった。進路取りに手間取った初戦の轍は踏まぬようにと、外々を余裕を持って進出しほとんど追われることなく突き抜けてみせた。新馬戦もスムースなら勝ち負けしていたと思わせる内容だったが、やはりこのクラスでは物が違った。
追われればどこまで伸びるのか? 相手が強くなってもあっさり負ける器には思えない。
期待・外回り戦
新馬戦は内回りで敗れている。
新潟内回りでのデビュー戦は流れにも乗りきれず脚を余す悔しい敗戦となった。母フサイチパンドラから受け継いでしまったかもしれない不器用さを見せた形だ。
その点今回のレースが京都外回りで行われることはプラス材料だろう。右回りは未知数とはいえ広いコースなら能力を思う存分発揮できる。
期待・マイルでの続戦
勝ち上がったマイルでのレースが続くのもありがたい。
初戦は1400の距離も災いした感じがあり、忙しい流れに戸惑った部分が大きい。ゲートもまだまだ甘く挽回の余地があるという観点からも短い距離よりはマイルのほうが走りやすい。
またライバルを見ても朝日杯ではっきりと距離のカベを感じたカシアスや、逆にマイルでは距離不足の感があるファストアプローチがおり、この距離での適正面でも優位に立てそうだ。
不安・未熟な面の多さ
素質を持てあましている感も強い。
ここまで挙げてきた、ゲートの甘さ、小回りでの不器用さなどは今後に成長の余地を残しているとはいえ、現時点でははっきりとした弱点である。
またデビュー戦では揉まれた際の反応の悪さも目に付いた。確かな素質を秘めている馬ではあるが、現状での完成度が高いとは決して言えない。
まとめ
ここまで見てきたようにアーモンドアイには、底知れぬ素質とまだまだ改善が必要な部分が両方沢山ある。
持ったままで突き抜けた大物感でここも突破するのか、もろさを露呈し重賞の壁にぶつかるのか?
若さは良いほうに出るのか、悪いほうに出るのか? 決戦は奇しくも成人の日。発走は15時45分だ。
文=櫻井秀幸