2017年12月23日、阪神競馬場で阪神カップ(GⅡ/芝内回り1400m)が行われる。サングレーザー、イスラボニータ、レーヌミノル、モズアスコット、シャイニングレイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
サングレーザーは500万下から破竹の4連勝を飾ってスワンSを制し、前走のマイルチャンピオンシップでも0.1秒差の3着。半年足らずで短距離界のスターダムにのし上がった。
芝1400mはスワンSを含め3戦全勝と得意の距離。当然、今回も中心的存在になるが、人気ほどの信頼感があるかどうかは微妙だ。その理由を挙げていく。
目次
不安① 激戦の疲れ
夏からコンスタントに使われ、今回がこの秋4戦目。重賞での厳しい戦いが続いており、前走はGI初挑戦で激走。疲労の蓄積や、前走の反動が心配だ。
しかも、前走が中2週で、今回はそこから中4週と、レース間隔を詰めて使われている。折り合いに不安があるタイプだけに、テンションの維持がカギになる。
本来の力を発揮できずに大敗する危険性すらあり、当日はパドックや返し馬での雰囲気をしっかりとチェックしておきたい。
不安② 状態面
前走後は短期放牧に出て、帰厩したのが今月12日。追い切りでしっかりとした動きを見せてはいるが、攻め内容はやや物足りなく映る。少なくとも前走から上積みを望むのは難しいだろう。
不安③ マイルCS好走馬は不振
過去11回で、マイルチャンピオンシップから参戦した馬は4勝、2着7回、3着5回と好成績を残しているが、実は大敗からの巻き返しが目立つ。
マイルCSで掲示板に載った馬に限ると……
2006年 シンボリグラン マイルCS3着→阪神C5着(2番人気)
マイネルスケルツィ マイルCS4着→阪神C3着(4番人気)
2007年 スズカフェニックス マイルCS3着→阪神C1着(1番人気)
2010年 ゴールスキー マイルCS3着→阪神C5着(1番人気)
2011年 リアルインパクト マイルCS5着→阪神C10着(1番人気)
2012年 シルポート マイルCS4着→阪神C14着(5番人気)
2013年 ダイワマッジョーレ マイルCS2着→阪神C7着(1番人気)
コパノリチャード マイルCS4着→阪神C10着(2番人気)
2016年 ミッキーアイル マイルCS1着→阪神C6着(1番人気)
イスラボニータ マイルCS2着→阪神C2着(2番人気)
スズカフェニックスが勝ってはいるが、1、2番人気が6頭も複勝圏外に敗れている。人気を考えれば、かなり心許ない数字だ。
京都芝1600mと阪神芝1400mで求められる適性が違うことや、GⅠで好走した反動など、理由はそれぞれだろうが、いずれにしてもこのレースに限っては、マイルCSでの好走が強調材料にはならない。
まとめ
不安材料を挙げてきたが、それらを軽々とはねのけるだけのポテンシャルを持っていることも確か。さらなる飛躍が期待される来年に、はずみをつけることができるか。今回は、サングレーザーにとって試練の一戦になる。