5月7日に東京競馬場で行われたNHKマイルカップ(GI/芝1600m)で、2番人気のクロフネ産駒アエロリット(牝3)が、13番人気のリエノテソーロ(牝3)を押さえて勝利した。1番人気のカラクレナイ(牝3)は17着に終わった。
アエロリットの血統や将来性はどういったものなのだろうか? 徹底的に検証していこう。
目次
プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜
父 | クロフネ |
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母 | アステリックス |
母の父 | ネオユニヴァース |
母の母 | アイルドフランス |
性別 | 牝 |
馬齢 | 3歳 |
生年月日 | 2014年5月17日 |
毛色 | 芦毛 |
馬主 | (有)サンデーレーシング |
調教師 | 菊沢隆徳(美浦) |
生産牧場 | ノーザンファーム |
産地 | 安平町 |
馬名意味 | 隕石(仏) |
血統評価は?
アエロリットは父クロフネ、母父がネオユニヴァースという血統だ。
母アステリックスは故障の影響でデビュー戦のみ(0勝)で繁殖入りした。もっとも、血統背景は素晴らしい。祖母のアイルドフランスはアメリカとフランスで3勝、重賞2勝の実績を持っている。さらにGIマルセルブサック賞で2着の実績も。
そしてその母ステラマドリッドはダートの本場アメリカでGIを4勝した名牝だ。
アイルドフランスは繁殖牝馬としてキングレオポルドを輩出。有名どころでは、近親にミッキーアイルがいる。ミッキーアイルもNHKマイルカップを先行(正確には逃げて)して勝っていることから、血統的なつながりを感じられるところだろう。
近年では同じクロフネ産駒のクラリティスカイもこのレースを勝っているように、父系、母系ともにNHKマイルカップと縁のある血統だったということが言えるだろう。
なお、クロフネ産駒がNHKマイルカップで強いのは、
・マイル適性
・完成度の高さ(早熟性)
・強い中距離馬は皐月賞やダービーに行く
この3つの要素があるためだと考えられる。
次走は?
今後に関しては一旦休養に入り、秋に向けて調整を進めていく見込みだ。
まだ具体的にどのレースを使うかは決まっていないが、菊沢調教師はレース後に「マイル以上も試していいかと考えている」と、距離を伸ばすことを示唆している。そうなると、マイルチャンピオンシップの路線ではなく、秋華賞トライアルを使い、その結果次第で本番に向かうのではないだろうか。
ただし、この選択は文字通りの「挑戦」と言えそうだ。前述の通り、アエロリットはマイル適性と早熟性を兼ね揃えた馬だといえる。NHKマイルカップは適性の高さで乗り切ったが、秋になると成長の遅かった馬たちがどんどん強くなってくる。成長の早さというアドバンテージはなくなるわけだ。
しかも1800m以上になれば、ディープインパクト産駒やハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒ら、強い中距離血統の馬たちと競い合わなければならなくなる。アエロリットにとって、二重苦、三重苦のシチュエーションになることが予想されるわけだ。
なお、前述のクラリティスカイはNHKマイルカップ制覇以降、低迷していて、勝ち星は一つもない状況にある。
クロフネ産駒という血統を考えると、セオリーどおりマイル以下、あるいはスプリント路線に転換していくのが最良と考えられるが、果たしてどのような未来が待っているのだろうか。注目されるところだ。