冗談じゃなく、地上波最高峰の予想家
彼の予想には根拠がある。しかも、“並の根拠”ではない。
競馬番組に出ているテレビタレントは大体が「前走強い勝ち方をした」とか「人気になっているから」なんて、当り障りのない言葉を並べる。玄人のファンからしたら彼らに価値を見いだせるわけもない。
そんな中、斉藤さんは「前走は不利があったので負け方が良かったから今回は〜」とか「戦績を見ると阪神での好走が目立つのに、ここ最近は得意の条件で使われていなかったから今回は〜」と、テレビという秒数が限られた枠の中でしっかりとした根拠を詰め込んでくる。時間があるなら、自称競馬ファンが口をアングリするような分析を披露することもできるだろう。
実際、連敗ばかりがクローズアップされるが、穴馬券をコンスタントに当てている。
直近の結果だけみても、5月16日の新潟メインでは14番人気のヒカルランナーの複勝を1万円購入して11.8倍を的中。(キミは10倍以上の複勝を当てたことがあるかい?)5月9日のプリンシパルSでは枠連を1万2000円購入し、8―5の枠連22.5倍を3000円分的中させている。
他にもアンタレスSのクリノスターオーやニュージーランドTのヤマカツエース、毎日杯のミュゼエイリアンの単勝を当てている(いずれも10倍以上。1万円以上購入)。
連敗するかもしれない。だがこれだけの穴馬券を当てている。
なぜ馬鹿にさらなければいけないのだろうか? というか、彼の連敗を馬鹿にしたキミは、きっと競馬で勝てていない。ソウニチガイナイ(馬名だと思ったキミは違う意味で負け組だろう)。
実際の収支がどうかなんて知らない。本当は目ん玉が飛び出るほど負けているのかもしれない。
が、やり方としては間違いではない。少なくとも競馬が「プレーヤー同士の金の奪い合い」という構図であるかぎり、斉藤さんの策略は正しい。みんなと同じことをやっていても、みんなと同じようにジリジリ負けていくだけ。勝つ方法としては、むしろジャンポケの懸け方のほうが“正攻法”なのだ。
実際、キミは単勝1点で男らしく勝負できるだろうか? 二桁人気馬のワイドを1点で買えるだろうか?
大抵の方にはムリだろう。その時点で、どうあがいても、大抵の競馬ファンは斉藤さんに負けている。大抵の競馬ファンができないことをしている斉藤さんは、それだけで勝っている。
そんなわけで斉藤さんを馬鹿にしているソコのキミ、批判している暇があったら彼から馬券術を学んだほうがいい。そのほうが身のためだ。
競馬を愛しているから、嫌いになれない
斉藤さんのことを嫌いという人もいるだろう。暑苦しさは否定できない。本人が認めているのだから誹謗中傷ではなく、客観的な事実なのだろう。
ただ、それでも彼がMCを続けているのは、続けられているのは、本当に競馬を愛しているからではないだろうか。だから、嫌いなキミにも、許してもらいたい。
ウイニング競馬の公式HPの斉藤さんのページのトップにあるのが
「競馬がなければ生きていけない」
の文字だ。しかも好きな馬は「カラジ」。ああ、なんてこった。「好きな馬はカラジ」なんていうヤツに悪いヤツがいるわけない! どう考えても本物の競馬ファンなのだ。(そして、不謹慎かもしれないが、後藤浩輝騎手の訃報が届いた時の彼の姿、言動は忘れられない。)
競馬を愛していないのに競馬番組のMCを務めたり、ドバイやフランスに行ったりするタレントがいる中、本当に競馬を愛している彼がちょっとくらい、いや、ものすごく暑苦しかったところで、寛容になるべきではないだろうか。
そんなわけで私は土曜日の午後、暑苦しさを承知の上でテレビ東京にチャンネルを合わせてしまう。
さて、今日はどんな予想を見せてくれるのだろうか。
【文】=横山雅之(競馬TIMES編集部)
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