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ハーツクライ産駒の特徴は?血統の傾向や距離適性、買い方ガイド


ここではハーツクライ産駒(子ども)の特徴について書いていきます。

種牡馬としてどのような特徴を持っているのか?血統や実際の産駒の成績、性別(牡馬/牝馬)、馬場適性(重馬場、道悪)、距離適性(長距離/中距離/短距離)、ダート適性など、様々なデータから“買い時”を紐解いていきます。

プロフィール〜血統・誕生日・馬主・調教師・生産者〜

サンデーサイレンス
アイリッシュダンス
母の父トニービン
母の母ビユーパーダンス
性別
馬齢5歳
生年月日2001年4月15日
毛色鹿毛
馬主(有)社台レースホース
調教師橋口弘次郎(栗東)
生産牧場社台ファーム
産地千歳市
馬名意味心の叫び(アイリッシュダンスの演目のひとつ)

賞金

総賞金555,731,000
内付加賞18,531,000
収得賞金(平地)213,300,000
収得賞金(障害)0

能力分析

能力値評価
絶対能力A
スピードA
パワーC
スタミナA

ハーツクライ解説 ~爆発力と底力が魅力のアンタイヒーロー~

競走馬時代、有馬記念で当時無敗だったディープインパクトを破りました。伏兵という立場を活かした思い切った競馬で才能を開花させると、次走のドバイシーマクラシックでは2着以下に影すら踏ませない圧勝劇を演じました。

キングジョージでは敗れこそしたものの、当時ヨーロッパ最強だったハリケーンランとエレクトロキューショニストの2頭と大接戦を演じて3着……。

・伏兵の立場を活かした大胆なレースぶりで真価を発揮
・古馬になってからも衰えない圧倒的な成長力
・欧州最高峰の中距離GIで激戦を演じられる驚異的なスタミナ

現役時代に見せたこれらの特徴はしっかりと産駒に受け継がれています。

ジャスタウェイは古馬になってから急成長を遂げて世界レーティング1位を獲得しました。ヌーヴォレコルトはオークスでハープスターという圧倒的1番人気馬を倒し、ウインバリアシオンやフェイムゲームらは天皇賞春で馬券に絡みました。

伏兵のときに力を発揮する血統なので、血統予想との相性は抜群。買い時が分かりやすいので、特徴をつかむことができれば軸馬として重宝することでしょう。

産駒の特徴

・サンデー系で最もスタミナがある種牡馬
・「長距離」、「晩成」、「大舞台での大駆け」が合言葉
・“王道の競馬”をすると取りこぼす
・大胆な競馬で真価を発揮する

“買い時”

・2000m以上の中長距離戦
・距離短縮馬
・キャリアの浅い高齢馬
・先行馬か決め手のある馬
・重賞の2番人気以下、特に重馬場時

買い時① 2000m以上の中長距離戦

現役時代に馬券になったGIはすべて2200m以上というスタミナ自慢。凱旋門賞馬トニービンのスタミナをしっかりと受け継ぎ、産駒に伝えています。

距離別集計

距離勝率複勝率単回値複回値
1000m0.0%100.0%0470
1150m
1200m1.6%17.7%2482
1300m
1400m6.6%19.7%11370
1500m0.0%36.4%091
1600m8.1%19.4%13371
1700m
1800m5.2%22.6%4667
1900m
2000m5.5%27.3%68104
2100m
2200m3.2%22.1%7088
2300m0.0%0.0%00
2400m11.0%32.9%15394
2500m8.3%33.3%233115
2600m2.4%14.3%2353
2800m
3000m0.0%0.0%00
3200m0.0%66.7%0290
3400m
3600m

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

距離が長くなればなるほど、パフォーマンスを上げていることがわかります。とにかくスタミナの問われる条件で買うべきでしょう。

なお、2000m未満だと持続力が求められやすい1400mのパフォーマンスが一番高く、他の距離は総じて期待値が高くありません。特に上記の通り、1800mは回収値がかなり低いので、注意しましょう。

買い時② 距離短縮馬

スタミナが持ち味だと距離延長で良さそうなものですが、距離短縮馬のほうが狙えるのがハーツクライ産駒の特徴です。

前走距離別集計

前走距離勝率複勝率単回値複回値
同距離5.6%23.2%5677
±200以内6.3%24.9%7786
±400以内6.0%24.1%8184
±600以内5.7%23.6%7783
今回延長5.5%20.8%9180
今回短縮6.1%27.9%9296

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

ご覧のとおり、距離短縮で大幅にパフォーマンスを上げていますよね。反対に距離延長はあまりよくありません。

なお、距離短縮馬が2000m以上のレースに出走した際の複勝率は37%超、複勝回収値は100を優に超える成績を記録しています。

買い時③ キャリアの浅い高齢馬は買い

ハーツクライ産駒の最大の特徴は「成長力」です。ディープインパクトやキングカメハメハといった典型的なクラシック血統の場合、3歳春の時点でそれなりに完成する一方で6歳以上の高齢になると途端にパフォーマンスを落とす傾向にあります。

一方、ハーツクライ産駒が本当に力をつけるのは古馬になってからです。さすがにキャリア過多になると消耗してよくありませんが、キャリアが浅い馬なら成長を望むこと、パフォーマンスの維持を期待することは可能です。

年齢別集計

年齢勝率複勝率単回値複回値
6歳10.5%28.9%111112
7歳0.0%25.0%065

集計期間:2014. 1.11 ~ 2016.11. 6
※キャリア25戦以内

ウインバリアシオンは6歳で日経賞を制し、天皇賞春でも馬券になりました。また、メイショウナルトも6歳時に七夕賞を勝っています。

「キャリアの浅い高齢のハーツクライ産駒は買い」と覚えておきましょう。

買い時④ 決め手のある馬

ハーツクライの現役時代を思い出してもらえると、分かりやすいと思います。

日本ダービーやジャパンカップでは最後方から上がり最速で追い込んで2着になりました。父と同じく、圧倒的な決め手を持っている馬は強調できます。

前走脚質別集計

前走脚質勝率複勝率単回値複回値
3F 1位8.6%30.7%8192
3F 2位10.2%24.1%10066
3F 3位6.7%28.8%115125
3F ~5位5.3%27.2%8783
3F 6位~4.1%19.5%6577

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

ご覧のとおり、上がり上位の馬の成績が圧倒的に良いんです。

なお、

・2000m以上
・前走上がり3位以内

この条件になると、ほとんどベタ買いでも儲かります。

前走脚質別集計

勝率複勝率単回値複回値
7.3%31.5%96110

集計期間:2014. 1. 6 ~ 2016.12.25

決め手のある馬を狙っていきましょう。

買い時⑤ 距離短縮馬

ハーツクライは有馬記念でディープインパクトを破ったように、「伏兵」のときに「大胆な騎乗」をすることで真価を発揮します。反対に1番人気に支持されると、騎手は後方に控えたり、外を回したりする「安全な騎乗」、「王道の騎乗」をしようとします。そうなると、力を発揮できずに終わることが多い。

最高のサンプルといえるのがヌーヴォレコルトです。

レース名距離S着順人気
エリザベG1芝22001
オールカG2芝22001
宝塚記念G1芝22003
ヴィクトG1芝16001
中山記念G2芝18003
エリザベG1芝22001
秋華賞G1芝20001
ローズSG2芝18002
優駿牝馬G1芝24002
桜花賞G1芝16005
チューリG3芝16004
こうやま500*芝16002
未勝利・牝*芝16001
新馬・牝芝16001

集計期間:2013.10.19 ~ 2017. 3.11
例えばオークスではハープスターという圧倒的な1番人気馬がいました。ヌーヴォレコルトは2番人気でしたが、「ハープスター1強」という様相が濃かったことは周知の事実かと思います。

ヌーヴォレコルトは伏兵でした。だからこそ、ハープスターより前で騎乗し、馬群を割って早めに抜け出して追いすがるライバルを抑えることができたんです。

一方、秋華賞やエリザベス女王杯では1番人気に支持されました。当然、騎手は「1番人気の騎乗」をします。しかし、これではハーツクライ産駒の潜在能力を引き出せないんです。実際、秋華賞では内々を回ったショウナンパンドラに足元をすくわれ、エリザベス女王杯では目標にされてラキシスに差し切られてしまいました。

そして中山記念ではイスラボニータやロゴタイプがいたため、再び伏兵という立場になりました。すると、最内を突く「大胆な騎乗」で皐月賞馬たちを蹴散らして見せました。

要するに、「目標になる人気馬=騎手が大胆な騎乗をしようと思う要素」があるかないかが大切になんですね。

事実、重賞における人気別の成績を見てみると……

人気別集計

人気勝率複勝率単回値複回値
1番人気29.6%66.7%7488
2番人気28.6%57.1%15294
3番人気11.8%41.2%6088

集計期間:2014. 2.18 ~ 2016.12.17
1番人気馬より2、3番人気馬のほうが明らかに成績がいいというのは、他の種牡馬ではなかなかないことです。注視していきましょう。

なお、重賞では馬場が渋った時の期待値が高いことも付け加えておきましょう。

予想に役立つデータ一覧(芝編)

ここではこの種牡馬に関わる産駒のデータ、傾向を一挙公開しています。予想の参考にお使いください。

※データは2014年1月1日〜2016年12月31日まで
※極端な人気薄は対象外

年齢別集計

年齢勝率複勝率単回値複回値
2歳15.4%35.6%10076
3歳10.1%30.2%7780
4歳9.9%32.3%5680
5歳11.7%31.3%8684
6歳11.5%30.8%9198
7歳0.0%25.0%065
8歳

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

馬体重別集計

馬体重勝率複勝率単回値複回値
~399kg0.0%0.0%00
400~419kg0.0%19.2%088
420~439kg10.7%30.6%10979
440~459kg9.2%28.1%5268
460~479kg12.4%33.6%90101
480~499kg10.9%29.4%7867
500~519kg15.6%41.3%8282
520~539kg7.8%34.4%3171
540~0.0%33.3%057

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

枠番別集計

枠番勝率複勝率単回値複回値
1枠11.7%28.9%6864
2枠14.1%33.9%8481
3枠14.5%36.9%15098
4枠11.4%33.2%6578
5枠11.0%32.5%6181
6枠8.7%29.1%8092
7枠9.5%27.0%4863
8枠9.0%32.5%6587

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

馬番別集計

馬番勝率複勝率単回値複回値
1番10.1%28.7%5864
2番14.9%36.0%7472
3番14.1%36.3%9581
4番16.2%37.3%7285
5番16.5%34.6%15496
6番14.4%36.0%15397
7番11.2%32.8%7877
8番6.1%32.1%2990
9番3.4%32.5%1876
10番11.7%29.2%4383
11番8.9%27.8%3453
12番8.8%25.3%12680
13番6.5%21.5%4770
14番10.3%25.0%5262
15番5.7%27.1%3180
16番13.0%33.3%9090
17番0.0%20.0%066
18番13.8%37.9%226134

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

人気別集計

人気勝率複勝率単回値複回値
1番人気33.7%62.6%8280
2番人気19.0%52.5%7986
3番人気11.0%41.4%6482
4番人気9.3%40.2%7692
5番人気9.2%31.6%9495
6番人気6.2%22.2%9077
7番人気2.2%17.0%3176
8番人気2.3%14.3%5272
9番人気3.3%11.0%7361
10番人気2.3%11.4%6688
11番人気4.5%6.7%18689
12番人気0.0%0.0%00
13番人気2.4%9.8%127129
14番人気0.0%5.3%090
15番人気0.0%0.0%00
16番人気0.0%0.0%00
17番人気
18番人気

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

クラス別集計

クラス勝率複勝率単回値複回値
新馬0.0%100.0%0330
未勝利12.0%31.8%8480
500万下9.6%29.3%6277
1000万下12.7%36.8%8991
1600万下10.6%30.8%10081
OPEN特別4.5%20.5%1042
G312.5%37.5%125118
G213.8%32.8%4857
G16.7%28.9%3866

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

距離別集計

距離勝率複勝率単回値複回値
1000m33.3%66.7%260185
1150m
1200m8.1%27.9%4381
1300m
1400m11.6%27.4%11575
1500m5.0%40.0%1178
1600m11.5%24.7%10464
1700m
1800m12.2%31.3%6170
1900m
2000m10.0%35.3%6496
2100m
2200m6.9%30.3%6681
2300m33.3%33.3%12346
2400m11.8%34.6%10678
2500m17.9%39.3%14688
2600m14.3%31.4%7789
2800m
3000m20.0%40.0%6062
3200m0.0%50.0%0181
3400m50.0%75.0%165140
3600m

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

馬場状態別集計

馬場状態勝率複勝率単回値複回値
芝・ 良11.0%31.8%8083
芝・稍重12.4%33.9%6974
芝・ 重6.3%20.0%3049
芝・不良12.5%37.5%2155

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

間隔別集計

間隔勝率複勝率単回値複回値
連闘
2週9.7%28.6%7977
3週13.3%35.4%8079
4週9.2%29.8%4465
5~ 9週12.0%32.1%9886
10~25週9.9%30.7%6988
半年以上
初出走他
不明・他
明け2戦9.7%30.2%4767
明け3戦11.4%32.3%10893
明け4戦8.7%30.4%7187
明け5戦11.5%30.8%9173
明け6~12.8%34.6%8285

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

前走脚質別集計

前走脚質勝率複勝率単回値複回値
平地・逃げ4.5%19.1%1545
平地・先行13.5%36.2%9585
平地・中団11.8%33.3%7783
平地・後方8.7%26.2%7379
平地・マクリ6.5%25.8%2848
3F 1位16.0%43.8%8190
3F 2位18.1%34.3%9168
3F 3位15.5%37.4%10899
3F ~5位11.1%34.7%8583
3F 6位~6.2%24.0%6075

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

前走クラス別集計

前走クラス勝率複勝率単回値複回値
同クラス10.8%31.3%7379
昇級戦12.7%33.2%10282
降級戦11.3%36.3%78105
新馬13.0%29.7%9070
未勝利11.7%32.9%8084
500万下10.2%28.7%7375
1000万下11.1%37.3%7688
1600万下8.2%28.2%6274
OPEN特別11.4%34.3%144113
G36.7%31.7%5879
G26.8%27.1%24107
G123.8%42.9%9672

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

前走距離別集計

前走距離勝率複勝率単回値複回値
同距離12.0%32.2%6476
±200以内11.3%32.8%7482
±400以内11.2%31.9%7780
±600以内11.0%31.8%7581
今回延長10.3%29.9%8580
今回短縮10.6%33.3%8387
500m以上延長10.3%29.5%8288
500m以上短縮8.0%26.0%1982

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25

前走馬場状態別集計

前走馬場状態勝率複勝率単回値複回値
ダ→芝5.4%16.2%9376

集計期間:2014. 1. 5 ~ 2016.12.25


ハーツクライ産駒の特徴と買い時って?鳴尾記念のマジェスティハーツから学べ

(C)minafl

6月7日に阪神競馬場で行われた第68回鳴尾記念(GIII/芝2000m)は、2番人気のラブリーデイ(牡5)が勝利し、重賞3勝目を飾った。

このレースで穴を開けて波乱を演出したのが単勝35倍という低評価だったマジェスティハーツ(牡5)だ。近走振るわなかったが、直線で鋭い伸びを見せて2着に食い込んだ。

マジェスティハーツの戦績を振り返ってみると、ハーツクライ産駒の特徴が面白いように見えてくる。そこで今回は、彼のキャリアを見てハーツクライ産駒の買い時を探っていこう。

生粋の穴馬ハーツクライ

今となっては忘れられているかもしれないが、ハーツクライは生粋の穴馬だった。競走馬時代、19走して1番人気は2回のみ。ディープインパクトを破った有馬記念に代表されるように、常に穴馬としてキャリアを送ってきた。

ジャスタウェイやワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトといったスターホースを輩出したため印象が薄れているかもしれないが、本質的には穴馬なのである。

実際、マジェスティハーツの戦績を振り返ってみると面白いことが分かる。

3歳時、500万条件を3番人気で勝つと、続く1000万条件を4番人気で連勝を飾った。勢いそのままに迎えた神戸新聞杯では7番人気の低評価ながら2着に入り、すべて伏兵という立場でレースに臨みながら菊花賞への出走権を手にしている。

その後、馬券に絡んだレースを見てみると……

大阪ハンブルクカップ 2着(4番人気)

新潟大賞典 2着(2番人気)

中日新聞杯 3着(5番人気)

鳴尾記念 2着(8番人気)

ご覧のとおり、新潟大賞典を除くと4番人気以下という低評価を覆して馬券に絡んでいる。「ハーツクライ産駒は穴でこそ!」。マジェスティハーツのキャリアを見るだけで、特徴が如実にわかるというものだ。

【次のページヘ】ハーツクライ産駒は人気に応えられない!?

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“隠れダート馬”ハーツクライ産駒が熱い!芝種牡馬なのに砂が得意!?


ハーツクライといえばディープインパクトを破った芝の名馬だ。種牡馬となってからジャスタウェイやワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトといった芝のGI馬を輩出している。

しかし最近、ダートで激走する産駒が増えている。

今回は“隠れダート種牡馬”ハーツクライに迫っていこう。

ダートランキングにおける異色の存在

まずは2015年の種牡馬別ダート勝ち鞍ランキングを見てみることにしよう。(※5月22日現在)

1位 キングカメハメハ(54勝)
2位 クロフネ(33勝)
3位 ゴールドアリュール(32勝)
4位 ハーツクライ(27勝)
5位 サウスヴィグラス(23勝)

上位の種牡馬を見ると、ハーツクライが異色の存在だということが分かる。

まずキングカメハメハはダービー馬とはいえ、もともとダートが得意なミスプロの系統だ。

クロフネやゴールドアリュールはご存知の通り、現役時代にダートGIを勝った“ダート王”。サウスヴィグラスにしてもダートで活躍し、産駒はほとんどがダートを主戦場としている。

一方、ハーツクライは芝血統のサンデーサイレンス系だ。現役時代は芝のGI有馬記念とドバイシーマクラシックを勝った。種牡馬としてはヌーヴォレコルト(オークス馬)やワンアンドオンリー(ダービー馬)を輩出。なんといっても代表産駒は世界ナンバーワンの芝馬ジャスタウェイだ。

明らかに芝馬の背景を持っている。にもかかわらず、ダートでこれだけの白星を挙げているのだから驚きだ。

ズブ目のサンデー系はダートで走る!?

ハーツクライ産駒はディープインパクト産駒らに比べてややズブい面を持っている。言い換えるとスパッとした切れ味より、長くいい脚を使う能力を持っている。持続力が優れているわけだ。

そういうサンデー系はダートで走る傾向にある。例えば思い浮かぶのがスペシャルウィークだ。

スペシャルウィークは長くいい脚を使うタイプだった。特に産駒はズブい面を持っているため、なかなか重賞を勝ち切ることができない。

芝の大物はブエナビスタやシーザリオのように、瞬発力に秀でた牝馬がほとんど。牡馬で芝のGI馬を勝ったのはトーホウジャッカルのみ。そのトーホウジャッカルにしても勝ったGIは3000mの菊花賞だ。瞬発力よりスタミナや持続力を要求されるレースで勝っていることになる。

一方でダートではこのズブさが生きる。牡馬の芝馬が苦戦する中、ゴルトブリッツが帝王賞を制すと、ローマンレジェンドが東京大賞典を勝ち、GI戦線で活躍し続けている。

スペシャルウィークとの共通点

さらにスペシャルウィークと似ている点がある。両産駒ともに芝で勝ち切れないシーンが目立つこと、そして打開策としてダートに転向する馬が増えていることだ。

芝で稼ぐことができないのであればダートに転向するのは普通のこと。たとえ芝種牡馬のハーツクライであっても例外ではない。

実際、ハーツクライ産駒の2014年開催は134勝のうち、芝で86勝を、ダートで48勝を挙げている。一方、2015年は5月22日現在の段階で53勝のうち、芝で26勝、ダートで27勝と逆転現象が起きている。

そう考えると“ある仮説”を立てたくなる。スペシャルウィークはローマンレジェンドらを輩出した。となるとハーツクライからもダートの大物が出る可能性があるのではないか。

なかなか芝種牡馬からダートの大物は出ないが、「ハーツクライなら」と思わせてくれる戦績を残している。また、生産者や調教師の間でもハーツクライ産駒に対する理解が進んでいる。ダート適性の高いハーツクライ産駒を早い段階で見極めることができれば、近い将来、“大物”が誕生する可能性は十分にありそうだ。

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ヌーヴォレコルトがヴィクトリアマイルで危険視される理由とは?

(C)minafl

抜群の安定感、断然の実績、4歳の成長力――。

何をとってもヌーヴォレコルトに死角はないように見える。5月17日に行われるヴィクトリアマイル(GI/芝1600m)の話だ。当サイト独自の人気予想でも断然の1番人気となっている。

しかし、何も不安がないわけではない。例えばヌーヴォレコルトの場合、他ならぬ父がタイトル獲得の妨げになる可能性がある。

父のキャラクター

ハーツクライは実に興味深い競走馬だった。最大のハイライトはなんといっても4歳時にディープインパクトを破った有馬記念だろう。

当時、ディープインパクトはシンボリルドルフ以来、史上2頭目の3冠馬として断然の人気を集めていた。単勝は1.3倍。誰もが“天才”の勝利を疑わなかった。その前に立ちはだかった馬こそ、ハーツクライだった。直線で早めに抜け出すと、ディープインパクトの追撃をおさえてGI初制覇を達成したのだ。

ハーツクライはキャリアを通じて“伏兵”という立場だった。1番人気になったのはデビュー戦と菊花賞のみ。デビュー戦は才能だけで突破できたが、菊花賞は7着に敗れている。

人気に支持された時より伏兵として強敵に臨む時のほうが力を発揮する――。

現役時代から、ハーツクライはそういう競走馬だった。

ハーツクライ産駒の特徴

種牡馬となってからもこの傾向は続いていく。産駒は断然の人気を裏切り、思わぬところで激走する。

ヌーヴォレコルトはまさに絵に描いたようなハーツクライ産駒だ。ハーツクライ産駒の特徴が詰まっている。それは戦績を見れば明らかだ。

桜花賞 5番人気3着
オークス 2番人気1着
ローズステークス 2番人気1着
秋華賞 1番人気2着
エリザベス女王杯 1番人気2着
中山記念 3番人気1着

ご覧のとおり、人気に支持された秋華賞とエリザベス女王杯で取りこぼし、伏兵だったレースはすべて人気以上に走っている。特にオークスでは断然の1番人気ハープスターを破って初の栄冠を勝ち取っている。ハープスターの父はディープインパクト。そう、“父の再現”をしてみせたわけだ。

【次のページ】ヴィクトリアマイルにおけるヌーヴォレコルトの不安要素とは?

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ラブミーチャン初仔の将来性は?次の婿に最適な種牡馬も考察


2009年に全日本2歳優駿を制してNARグランプリ年度代表馬に輝くなど、地方競馬を盛り上げたラブミーチャンが3月27日、初仔となる牡馬を出産した。馬主であるDr.コパ氏が自身のツイッターで報告している。

今から期待に胸膨らむが、実際のところ、将来性はどうなのだろうか? また、ラブミーチャンの相手に最適な種牡馬は何なのか?

今回は、彼女たち親子の未来について考えていきたい。

父は“ダート王”

待望の初仔の父はゴールドアリュールだ。同馬は言わずと知れたサンデーサイレンス系最強の“ダート王”である。

サンデーサイレンス系は芝を得意としているが、ゴールドアリュールはダート路線で開花した。3歳時に世代最強を決めるジャパンダートダービーを2着に1.3秒差をつけて快勝すると、3歳の暮れに東京大賞典を制覇。翌年にフェブラリーステークスを制し、“ダート王”の名をほしいままにした。

ただゴールドアリュールが進化を発揮したのは種牡馬になってからと言っていいかもしれない。日本ではダートGIを勝っても評価されず、種牡馬になれないことすらある。ゴールドアリュールにしても、最初から繁殖牝馬に恵まれていたわけではない。

そんな中、ダート路線で活躍馬を次々と輩出した。現ダート王者のコパノリッキーをはじめとして、エスポワールシチー、クリソライト、オーロマイスター、シルクフォーチュンなどなど、産駒たちはダート界を席巻している。

今ではその地位を確立し、2014年の種付け頭数は188頭に上る。2015年は300万円という高額な種付け料ながら満口となっている。

父がダート王、母もダートGIを制した地方競馬の年度代表馬となれば、期待せずにはいられない。

ラブミーチャンの活躍は決してフロックではなく、半弟のダブルスター(父シニスターミニスター)はオープン馬、半妹のハニーハニー(父メイショウボーラー)も1000万条件まで勝ち上がっている。近親にはポルックスステークスを制したイッシンドウタイも。

そうなると、(競馬なので「大成功します!」と断言できないのが心苦しいところだが)活躍する可能性は高いのではないだろうか?

ラブミーチャンの次なる相手

ラブミーチャンがダート馬なのだから、ダート王のゴールドアリュールをつけるというのは理にかなっている。おそらく活躍してくれるはずだ。

ただ、個人的にはもう少し夢を見てみたい。ラブミーチャンの相手にふさわしい種牡馬はどこかにいないものか?と考えたくなる。

そこで今回は、私が思う“最適の相手”を紹介しよう。その種牡馬は「ハーツクライ」だ。

ハーツクライは芝の一流種牡馬である。ラブミーチャンはダート馬だが、ハーツクライをつければ芝適性の高い仔が生まれてくるかもしれない。

「ハーツクライ×短距離馬」というのがハーツクライの“成功配合”なのだ。

ハーツクライは自身が重たい血統をしている。だから母系にスピードの血が入ると重さが緩和されてちょうどいい中距離馬が生まれる。ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトといったGI馬はほとんどがこの配合だ。またジャスタウェイやウインバリアシオンは母系がダート血統で、この点も強調できる。

仮に芝で走らなかったとしても、ハーツクライ産駒は意外とダートで走ることが最近になって分かってきた。“成功配合”で芝での活躍を狙い、ダートという“保険”をかけられる意味でも、ハーツクライは最適の種牡馬ということができるのではないだろうか?

初仔のデビューは2017年

今年生まれた初仔は、早ければ2017年にデビューすることとなる。

まずは無事にデビューを迎えられるように願うばかりだ。願わくば、父や母に負けないくらいの活躍を期待したいところである。


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