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2019年6月2日、東京競馬場で安田記念(GⅠ/芝1600m)が行われる。ダノンプレミアム、アエロリット、ステルヴィオ、インディチャンプ、サングレーザーなどがマイル、中距離のスターが見事に揃い、超豪華な顔ぶれとなった。その中で一番光り輝く存在と言って過言ではないのがアーモンドアイだ。近年に例のない盛り上がりを見せる。

アーモンドアイの前走ドバイターフは、中団の外側でレースを進め、内に包まれて外に出せないような状況を避け、万全の体制を整える。最後の直線では満を持して追い出し先頭に立つと、後はもう余力を残しつつ前を目指すのみ。ヴィブロスが最後追い込んではきたが、完勝といっていいレベル。世界のアーモンドアイとして凱旋門賞を目指す予定も、無理せず安田記念を選んだ。

戦わずしてもはや勝利同然の印象すら与えるが、競馬に絶対はなく、シンボリルドルフも伏兵馬に足元をすくわれることがあった。死角があるならどこか。


死角① 初の56キロ

負けの要素になるものは初めて経験するもの、これが相場だろう。安田記念で初めて経験するもの、それは斤量だ。安田記念では牡馬は58キロ、牝馬は56キロを背負う。これまでの最高は55キロなので、それを1キロ上回ることになる。

他の馬も同様に56キロや58キロが鬼門になるわけだが、これまでに経験をした馬が多く、そのあたりの検討もしやすい。1キロ増えてそんなに変わるものか、疑問に持つ人は多いだろうが、牡馬における58キロ相当ぐらいになれば、パフォーマンスにある程度の影響はあるだろう。

前でも後ろでもどこからでも競馬が出来るのはアーモンドアイにとってプラスだが、少しでも末脚が鈍り、前に行く馬がうまく逃げた時、よもやの敗戦はないとは言い切れない。

死角② ルメール騎手の復帰

NHKマイルカップで下手を打ち、ダービーまでアウトになった翌日、5月6日のかしわ記念、ゴールドドリームを勝たせ、勝利ジョッキーインタビューでは素朴な言葉で前日の粗相について謝罪をしたルメール騎手、安田記念ではこの時以来の現場復帰となる。

それまで絶不調とされたデムーロ騎手が勝ち始め、オーストラリアの若武者レーン騎手が旋風を巻き起こしている。その中でルメール騎手が復帰をすることから、3週間の騎乗停止で果たしてレース勘が鈍っていないか、不安が残る。

今回はモズアスコットやステルヴィオ、サングレーザーなど有力どころが揃い、打倒アーモンドアイに燃えている。中にはアーモンドアイを潰しにいく陣営もいるだろう。それをうまくいなせるか、そこがジョッキーの腕の見せ所。アーモンドアイをうまくコントロールできるのか、ルメール騎手にかかっている。

死角③ 海外出走明けの調整は?

そもそも凱旋門賞をパスしたのは、パフォーマンスからは想像もつかない目に見えぬ疲労などがあり、実は危ない兆候もあったという穏やかではない話があって、「英断」を下した形になっている。

それを額面通り受け取るのならば、目に見えぬ疲労、危ない兆候があるような状態からまだそこまで時間が経っておらず、本当に大丈夫なのかと普通は考える。少なくとも100%の出来ではないだろう。この時点で100%の出来だったとすれば、相当な回復力であり、なおのこと凱旋門賞を目指してほしいという気持ちにさせられる。

宝塚記念のように内回りのレースでは紛れがある、だから広いコースで競馬が出来る安田記念を選んだのは賢明と思える。ただ、久しぶりのマイル、まだ復調途上の可能性が高く、厩舎的にも海外出走明けの経験値が高くない。本当に確勝レベルなのか。

まとめ

重箱の隅をつつくような感じになっているかもしれないが、強いと思われた名馬は疲れや体調不良で負ける。シンボリルドルフもメジロマックイーンもディープインパクトも、そのシーズンで何回も走らせて疲れがあったり体調不良があって負けた。コースの問題もあるだろうが、そこに理由を求めるのが自然ではないか。

牝馬なので発情期、フケで負けることもある。仮にそうだったとしても驚きはない。アーモンドアイの大目標はどこなのか、それは分からないが、少なくとも安田記念が大目標ではないだろう。

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