安田記念2018の競馬予想分析…一発逆転?タワーオブロンドンを左右する三要素

リベンジをこの舞台で――。

2018年6月3日、東京競馬場で安田記念(GⅠ/芝1600m)が行われる。大阪杯を制したスワーヴリチャード、去年のマイルチャンピオンシップを制したペルシアンナイト、最強スプリンターのレッドファルクスなどが参戦を予定している。そんな中、3歳勢唯一参戦を予定しているのがタワーオブロンドンだ。

タワーオブロンドンの前走はNHKマイルカップだった。道中は中団やや後ろにいたが、最後の直線に入ったところで内に包まれ、外に出せない。ギベオンやレッドヴェイロンからの斜行の影響をモロに受け、スムーズな競馬が全く出来ず12着に敗れた。ケイアイノーテックのように外に出して競馬が出来ていればまだ結果は分からなかった。そういう意味では消化不良と言える。

今回は3歳勢唯一の挑戦ということもあり、前走1番人気を背負うのとはまるで異なる挑戦者として参加できる。3歳マイル王はケイアイノーテックに譲ったが、春のマイル王の座が残っている。ここで勝ってケイアイノーテックを王者として待ち受けたい。


目次

要素① 3歳勢は斤量54キロ

安田記念の週から3歳勢と古馬勢の対決が始まる。通常3歳は古馬と比べて斤量が3キロ減となっているが、安田記念では4キロ減となる。54キロで騎乗できるのはとても大きい。54キロは2歳夏の斤量と同じであり、タワーオブロンドンからすれば前走57キロから一気に3キロ減となるため、かなり軽く感じる。

3歳勢の挑戦はこれまでに意外と少ないが、その中で1頭だけ勝利を挙げている。それが2011年のリアルインパクトだ。リアルインパクトも前走のNHKマイルカップで3着に敗れてからの挑戦だった。当時はグランプリボスが3歳マイルで独壇場だったが、安田記念の勝利で一気に変えてみせた。

もう1頭馬券圏内に入った3歳馬はスピードワールドだ。外国産馬のスピードワールドが唯一出られたNHKマイルカップをスキップし、3か月の休み明けでいきなり安田記念を選び、3番人気3着になった。NHKマイルカップを勝った馬がそのまま通用するわけではなく、むしろ負けたり、出なかったりしたような馬が好走しやすい。その意味ではタワーオブロンドンは当てはまる。

要素② アーリントンカップの勝ち方

アーリントンカップは道中9番手とやや後方にいたが、最後の直線で外に出して後はルメール騎手が追って、上がり3ハロンのタイム34秒2でまとめて勝利した。勝ちタイム1分33秒4はこれまでのアーリントンカップの中でも最速だ。アーリントンカップの勝ち馬にはペルシアンナイトやレインボーライン、ミッキーアイル、ジャスタウェイなどがいる。

タワーオブロンドンの勝ち方、そしてその形が鮮明に出たのがアーリントンカップである。この形なら勝てるというものがある馬は基本的に強い。その形になったのに負ければ力負けだが、その形にすらさせてもらえなければ運がなかったということだ。タワーオブロンドンには上がり3ハロン33秒2で駆け抜ける末脚がある。うまく外に出して活用したいところだ。

要素③ 阪神マイルと東京マイルの親和性

外回りコースが出来る前の阪神コースは直線が多少短いこともあり、中山競馬場のイメージに近い部分があった。ところが外回りコースが出来たことで様相が一変する。求められるものが阪神のマイルでも東京のマイルでも似たようなものになったということだ。最後の直線まで折り合いに専念し、最後は外に出して追い出しをかけるという点で共通している。

コース改修後の桜花賞を見ればわかるが、三冠馬が2頭、二冠馬でもアーモンドアイとブエナビスタがいる。ウオッカは阪神ジュベナイルフィリーズで勝っているが、東京コースでの強さは突出している。アーリントンカップであれだけの強い競馬が出来たということは本来東京競馬場のマイルでも同じような競馬が出来ても不思議ではない。

まとめ

3歳相手に勝てないのに古馬に勝てるわけがないという常識は通用しない。ミッキーアイルやメイショウボーラーなどは大敗したが、ミッキーアイルの時は超不良馬場、メイショウボーラーは皐月賞、NHKマイルカップ、安田記念とあまりにきついローテーションが原因だった。ただでさえ大レースが続くのは堪えるものだ。

タワーオブロンドンはあまりにも消化不良で終わり、満足に追うことも出来なかった。参考外の一戦と言える。しかも今回はほとんどノーマークになり人気も集まらない可能性がある。世代最強だった可能性が高いマイラーがノビノビと走ることが出来れば一発逆転も十分に考えられる。

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