2017年12月16日、中山競馬場でターコイズステークス(GⅢ/芝外回り1600m)が行われる。
重賞に格上げされて今年で3年目。過去2年の1~3着馬をみると、一昨年はハンデが順に53kg、53kg、52kgで、4角通過順が②⑤①。軽ハンデの前残りで決着した。しかし昨年はハンデが56kg、56.5kg、55kgで、4角通過順が⑬⑯⑦。前年と一転し、重いハンデを背負った実績馬が後方からの競馬で力を示した。何ともつかみどころがない難解な重賞だ。
今年も上下のハンデ差は7kgで、波乱の雰囲気が漂う。そこでまずは、上位人気が確実で、トップハンデを背負うラビットランの取捨がカギになる。
結論としては、クリアすべきハードルはやや高く、勝ち切るまではどうかといったところだ。
目次
不安① 中山コース
重賞初挑戦となった2走前のローズSで、8番人気の伏兵ながら後方から驚異的な脚を繰り出して重賞初制覇を飾った。溜めれば爆発的な末脚を発揮する。
前走の秋華賞は、京都内回りのコース形態を意識して出していく競馬をしたが、他馬より早く鞍上の手が動き、ラストの詰めが甘くなった。それでも直線でしぶとく伸び、改めて力を見せたが、やはり道中で脚を溜めて末に賭ける競馬が現時点で最も力を発揮できるスタイルなのだろう。
今回は初めての中山コース。しかもレースセンスが求められるトリッキーな中山芝1600m。よほど力の差がない限り、後方一気の競馬では厳しい。メンバーを見ても、流れが極端に速くなることは考えづらく、展開の助けも見込むのも難しいだろう。
初騎乗となるクリスチャン・デムーロ騎手がどのように持ち味を発揮させるかに注目だ。
不安② トップハンデ
前述した通り、ハンデはトップの55kg。GⅡ勝ちの実績を考えれば仕方のないところだが、年齢を考慮すれば56kgに換算され、牝馬にとっては酷量といえる。
米国血統で本質的にパワー型とはいえ、馬体重は440kg台と大きくはなく、初めて背負う斤量が、持ち前の切れ味に影響を与えることは避けられないだろう。
不安③ 状態面
ローズSで優先出走権を獲らなければ秋華賞に出走できない立場だっただけに、秋2戦で目一杯の競馬をしている。それだけに、疲労や反動が心配だ。
前走後はリフレッシュ放牧に出てひと息入れている。中間の調整過程や陣営のコメントから判断しても、復調途上の印象。少なくとも前2走ほどの状態にはないだろう。
今回は久々となる長距離輸送もあるだけに、当日はパドックや返し馬での雰囲気や、馬体重もしっかりとチェックしておきたい。
まとめ
今夏一番の上がり馬としてGI戦線に名乗りを上げ、今後の牝馬路線をリードしていく存在として期待されるラビットラン。ここで改めて力を示し、来年に弾みをつけることができるだろうか。