2020年10月31日、京都競馬場でスワンステークス(GⅡ/芝1400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるサウンドキアラ、アドマイヤマーズ、ステルヴィオ、カテドラル、シヴァージらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
スワンステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は2回、3着は1回。人気になればそれなりの確率で馬券に絡むが、鉄板レベルの堅さではない。
単勝50倍以上の馬はこの10年で1頭も来ていない。ぶっ飛んだ穴馬は来にくいかもしれない。取捨選択が大事だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 安田記念組の取捨選択
前走安田記念(2- 3- 2-8)
勝率 13.3% │ 複勝率 46.7%
マイルチャンピオンシップのステップレースだが、京都競馬場の改修工事により阪神開催となったことで少しステップレースとして疑問符がつくことになったスワンステークス。
とはいえ、叩き台としてここを使うケースは多く、特に安田記念組はここで叩いて、マイルチャンピオンシップに流れ込む。掲示板までに入った馬、1秒までの負けで収まった馬などが狙いか。
アドマイヤマーズは前走の安田記念は7着、コンマ7秒負け。これが初めての1400メートルで、前走と同じく58キロ。条件は前走並みか悪化しているか。ちょっと不安が残る。
予想参考データ② 距離延長組は辛いか
スプリント路線かマイラー路線か、どちらの路線が強いのかということでいえば、データ上は圧倒的にマイラー。距離短縮組が狙いだ。その点距離延長組はわずか1勝、同距離も2勝してるものの、複勝率では1200メートル組未満だ。
同距離組は、1番人気1着か重賞で1番人気だったか、この2つ。延長組は2着以上か、コンマ2秒までの負けか、重賞で2番人気までか2着か。
カテドラルはリステッド競走の朱鷺ステークスで勝ったがこの時は4番人気、ステルヴィオは京王杯スプリングカップで2着だがこちらも4番人気。データ上は同距離組と距離延長組は全滅状態である。
予想参考データ③ 牝馬の取捨選択
過去10年で牝馬は延べ30頭出ているが、勝ったのは1頭だけ、3着も2回しかなく、少し分が悪い。短距離の範疇ではあるが、なぜかスワンステークスと相性が悪い。
牝馬は格よりも勢いという格言があるが、勢いでは準オープンで1番人気1着、格ではスプリンターズステークス2着、重賞1番人気、この3つが出てくる。
サウンドキアラはヴィクトリアマイル2着だが、相手はアーモンドアイ、1分31秒3でコンマ7秒も差をつけられ、しかも大外枠。さすがにここを嫌うのは無茶があるか。
2020年の危険な人気馬は?
カテドラルは人気になる見込みだが、左回りに良績があるという見方ができる。また朱鷺ステークスのタイムが過去と比べてもパッとしない。ちょっとここは厳しいかもしれない。スワンステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、アドマイヤマーズは1つ目の消しデータに合致している。斤量が58キロなのがどうか。サウンドキアラが54キロで乗れる中での58キロははっきり言ってしんどい。救いは初距離であること。
反対にサウンドキアラは危険なデータに一つも当てはまらない。前走はアーモンドアイの強さを褒めるしかなく、責任は果たした。京都も合っているし、何より松山弘平騎手は無敗の三冠牝馬をエスコートした偉大な騎手になった。ここは人気に抗う必要はない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、サウンドキアラと言えそうだ。