2019年9月7日、中山競馬場で紫苑ステークス(GⅢ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるカレンブーケドール、レッドベルディエス、グラディーヴァ、パッシングスルー、フェアリーポルカらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
2014年新潟開催だった年を除く過去10回のデータを参考に予想を進める。
目次
紫苑ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは3回、2着は1回、3着は2回となっており、平均的な印象を与え、可もなく不可もなくといったところか。
3番人気が不振な点以外は、比較的に上位で決まりやすい印象で、穴を狙うのは少々無茶な感じも。ただ、人気サイドで決まるわけでもないあたり、厄介だ。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 意外と中団からが面白い
脚質・中団(6- 8- 6-49)
勝率 8.7% │ 複勝率 29.0%
芝がしっかりと生えている開幕週だが、意外と先行馬は苦しい。8番手から11番手あたりで来やすいが、頭数的に今年は8番手前後がいいかもしれない。
ただ逃げ、もしくは4コーナー2番手だった馬が何かしら絡みやすいのも紫苑ステークスの傾向としてあり、何が先行をするのか、そこまで見ておくべきだろう。
一方、後方の馬が直線だけで何とかするような展開になりにくいのは中山ならでは。小回りコースなどの実績や小回りコースでの勝ち方をチェックしておきたい。
予想参考データ② オークス組の取捨選択
前走オークス(1- 1- 4-21)
勝率 3.7% │ 複勝率 22.2%
この数字をどう捉えるかだが、勝ち切れず、3着が精いっぱいと見るべきか、確実に3着は狙えるのか、そこは各々の判断だろう。
1秒以上の大敗を喫していた馬も来るが、重賞での良績や中山実績があるという条件がつく。前評判が高いフェアリーポルカにはやや厳しいデータか。
カレンブーケドールも一応実績はあるが、前走は展開がハマった感もある。オークスが単なるフロックではなかったことをここで証明したケースが少ないのもどうか。
予想参考データ③ 経験がモノを言う
春からやってきたクラシック組か、それとも上がり馬か。この時期はその選択が問われるが、意外と目立つのは紫苑ステークスまでに11戦以上した馬の成績。
20頭が参戦し、4勝2着2回は勝率複勝率共にトップとなっている。つまり、上がり馬よりも2歳から一線でやってきたような馬が結果を残しやすい。
重賞昇格以降、傾向は2つに分かれる。2勝クラスで健闘した上がり馬同士の決着か、クラシック戦線を戦ってきた馬の決着か。
降級制度が廃止され、1勝クラスのランクはそこまで高いわけではない。そこで勝った馬が人気になるようでは、経験のある馬を狙った方がいいだろう。
2019年の危険な人気馬は?
レッドベルディエスは人気になる見込みだが、1勝クラスを勝ち上がっただけ、しかも52キロで勝てたようなもので、強調はしにくい。負けたレースは騎手の問題とも言えなくはないが、無理に狙うべき馬には見えない。紫苑ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、カレンブーケドールは2つ目の消しデータに合致している。津村明秀騎手の後期場だったオークス、確かにあわやの場面もあったのだが、同じことをさせてもらえるかは別。オークス2着だからと飛びつくのは危険か。
反対にフェアリーポルカは危険なデータに一つも当てはまらない。確かにデータ的には危険な部分もあったが、中山と似ている阪神で2勝している他、人気馬に軒並み不安なデータがあるため、いわば消去法な面もある。ただ今回騎乗する三浦皇成騎手は勝率連対率複勝率共に、ルーキー時代を上回っており、調子は抜群。中山とは相性がいいので、一発があってもおかしくはない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、フェアリーポルカと言えそうだ。