マイルは長いが実績は上位、どこまで誤魔化しが効くか――。
2018年1月8日、京都競馬場でシンザン記念(G3/芝 1600m)が行われる。GI馬に留まらず三冠馬を出していることでも有名なこのレース。朝日杯FSから臨戦する馬に注目が集まるが、500万下や新馬・未勝利勝ちから臨む者も少なくない。今年も予想が楽しいレースの1つになるのではないか。
カシアスの適距離は1200~1400mであることが推測される。前走は朝日杯FSで初のマイル戦に出走したが、残り200mあたりで止まってしまった。マイルは長い説を支持する結果となったが相手が下がるここで巻き返しを狙う。
実績上位も距離不安、カシアスの期待と不安について考察していこう。
目次
期待① 実績上位
カシアスは函館2歳で勝利し、京王杯2歳でも連対した。その後のG1朝日杯FSではゴール手前まで手応えがあったものの、ゴール前で脚が止まり7着に終わった。
ここに出走する中には重賞を勝利した馬は他におらず、1勝馬さえ少なくないのが現状である。2走前はタワーオブロンドンに0.3秒差、G1で3着に入った相手にいい勝負ができていた。そのため、ここでは実力上位であることは間違いなく、力を十分に発揮できれば馬券に絡んでもおかしくない。
期待② 京王杯2歳からの成長
前々走の京王杯2歳では前肢の出が少し重く感じられたほか、チャカついて幼さを見せる部分も見られた。しかし、前走の朝日杯FSではその幼さや硬さは見られず、+10kgで出てきた馬体についても成長が感じられた。
前走は勝ち馬が規格外だったが、2着のステルヴィオには0.2秒差でマイルでも十分勝負できるのではないかと思わせる内容だった。馬が良化してきているのは確実で、成長した姿を見せることができればここでも勝ち負けができるのではないか。
不安① 距離適性
カシアスの距離適性はもっと短いところだという声をよく耳にする。ここで種牡馬のデータをチェックしてみると、キンシャサノキセキの成績が低迷していることが気になる。
その成績は0-0-0-8で複勝率0%と、絶望的な数字が浮き彫りになった。函館2歳勝利、京王杯2歳の2着と実力的には上位であるが、距離適性の無さをどこまで誤魔化せるかが大きな鍵となる。
不安② 57kg
シンザン記念は別定戦であり、カシアスは出走馬の中で最も重い57kgを背負っての出走となる。ただでさえ距離に不安がある中で明けてやっと3歳になった馬に57kgというさらなる不安が重なった。
カシアスはこれまで背負っても55kgまで。この負担重量は初めてであり、好走を非常に厳しくする要因である。これだけ不安要素があれば妙味を取って消すのも面白い。
まとめ
カシアスは実力上位も距離適性や斤量から買いにくい状況にある。それに関してはその実力で距離をどこまで誤魔化せるかが鍵となる。
またシンザン記念では低迷しているキンシャサノキセキ産駒だが、マイルで通用するかは、折り合いをつけることができるか、直線で追って伸びるかが重要となる。
その点京王杯2歳からの成長として前走では折り合いをつけていいレースができていた。最後は止まったが直線でも多少なりとも伸びてはいたと思える。ここに注意してマイルを走れる馬なのか判断することをお勧めする。
短距離血統も地力の違いで押し切れるか。注目のシンザン記念は1月8日15時45分にスタートが切られる。