エリザベス女王杯2017の予想分析…ヴィブロスが現役最強牝馬になれる4つの根拠

現役最強牝馬の称号を手にするために――。

2017年11月12日、京都競馬場でエリザベス女王杯(GI/芝外回り2200m)が行われる。人気を集めそうなのが、今年のドバイターフを制したGI馬ヴィブロスだ。秋華賞で初のGI制覇を達成し、その力を海外でも示した。1番人気に支持されることが、濃厚となっている。

果たしてヴィブロスは3つ目のタイトルを掴み取ることができるのだろうか? その可能性を探っていこう。


目次

期待① ディープインパクト産駒の傾向

父のディープインパクトは数多くのGI馬を輩出している。国内GIウィナーは全部で27頭もいる。

ただし、ディープインパクト産駒の特徴として「GI一勝で燃え尽きてしまう」点が挙げられる。実際、GI勝ち馬が27頭もいるにもかかわらず、2勝以上を挙げているのは7頭のみ。GI1勝馬の多さはキングカメハメハ(10頭中5頭)やステイゴールド(7頭中4頭)といったリーディング上位の種牡馬に比べても突出している。

そうなると、ヴィブロスも(国内に限れば)2勝目を挙げるのは困難に思えてくる。

だが、ディープインパクト産駒の中でも比較的、牝馬は2勝目を上げやすい傾向にある。牝馬だけに絞ると、13頭中5頭が複数GIウィナー。ヴィブロスの海外GI制覇を含めるなら、約半数の6頭が複数GIを勝っている計算になる。

ヴィブロス自身が海外も含めてGI2勝を挙げていることもあり、ディープ産駒の枯れやすさを心配しすぎる必要はないわけだ。

期待② 枯れない一族という裏付け

さらに母系の血統も、“枯れない裏付け”としては十分だ。ヴィブロスの全姉ヴィルシーナは古馬になってからヴィクトリアマイルを連覇している。エリザベス女王杯では2年連続の道悪に泣いて制覇を果たせなかったが、2着に来た実績もある。

半兄のシュヴァルグランにしても長く第一線で活躍しているわけで、ヴィブロスが枯れてしまっている心配をする必要はなさそうなのだ。

期待③ 枯れていない戦績

もう一つ付け加えるなら、キャリア過多による消耗が少ない点も強調材料として挙げられる。ディープインパクト産駒はとかくキャリアを重ねて強くなるということが少ない。

GIにおけるキャリア別の戦績を見てみると、その事実がはっきりする。

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キャリア 勝率 複勝率 単回値 複回値 着別度数
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~20戦 11.5% 33.7% 105 101 36- 36- 33-207/312
21戦~ 4.2% 10.4% 63 32 2- 2- 1- 43/ 48
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※単勝オッズ100倍以上の人気薄は除外

恐るべきことに、キャリア20戦以内の馬を買っていれば自動的にプラスになる。一方、21戦以上になると、好走率はわずか10%まで落ちる。

ヴィブロスはまだキャリア10戦。余力十分、というわけだ。

期待④ ドバイターフと負けて強しの前哨戦

さらに前走の内容も「負けて強し」の内容で、2着に敗れたからといって悲観するような走りではなかった。また、今年のドバイターフで負かした馬たちが後に活躍している事実を踏まえても、トップクラスの実力があることは間違いない。

京都の中距離重賞という舞台設定はディープインパクト産駒が得意な条件でもあり、大きな不安要素も見当たらない。

以上のように、ヴィブロスには好材料がいくつもあり、GI勝ちを邪魔する要因も少ないことがわかった。再びGIのゴール板を一着で駆け抜けるシーンが訪れても、何ら不思議はないのだ。

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