桜の女王へ――。
2018年4月8日、阪神競馬場で桜花賞(GⅠ/芝1600m)が行われる。牝馬クラシック第1戦であり、暮れのGⅠ阪神JFと同条件ということもあり、2歳女王が圧倒的に有利だと思われるが過去10年で2歳女王が桜花賞を制したのは僅か2頭であり、更に前走1着馬が勝ったのは僅か3頭という結果であり、巻き返しや波乱の多い1戦となっている。
今回注目するのはここまで4戦4勝で昨年の阪神JFを勝った2歳女王ラッキーライラックだ。前走のチューリップ賞でも休み明けながらライバルたちを全く寄せ付けない楽勝であり、無敗でクラシック第1戦を勝利できるか当然注目が集まるだろう。
果たしてラッキーライラックは無敗で桜の女王となり、3冠への挑戦をすることが出来るのか? 過去のデータからその可能性に迫っていこう。
目次
データ① キャリア
過去10年のデータを見るとキャリアの浅い馬が好成績をあげている。過去10年のキャリア別成績を見ていこう。
キャリア | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
4戦以下 | 6- 6- 5- 38/55 | 10.9% | 21.8% | 30.9% |
5、6戦 | 4- 3- 5- 73/85 | 4.7% | 8.2% | 14.1% |
7戦以上 | 0- 1- 0- 37/38 | 0.0% | 2.6% | 2.6% |
集計期間:2008年~2017年
キャリア4戦以下が良い成績である。5、6戦の馬でも勝ち馬はいるがそのほとんどが阪神JFで3着以内の経験がある世代トップクラスでありそれ以外では複勝率6.5%と大苦戦。7戦以上はほとんど勝負になっていない。勝負になるのは阪神JF3着内の経験がある馬、キャリア4戦以下の新勢力組が勝負になるとみていいだろう。ラッキーライラックはキャリア4戦であり、阪神JFも制しているため全く問題ない。
データ② 連対実績
過去10年のデータを見ると東京、阪神、京都競馬場で行われたOPのレースでの連対実績があるかどうかで大きく成績が分かれている。東京、阪神、京都で行われたOPレースでの連対実績別の成績を見ていこう。
連対実績 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
あり | 9- 8- 8- 73/97 | 9.2% | 17.3% | 25.5% |
なし | 1- 2- 2- 75/80 | 1.3% | 3.8% | 6.3% |
集計期間:2008年~2017年
ご覧のように圧倒的に差があることがわかるだろう。さらに2011年以降の過去7年で見てみると連対経験のない馬の複勝率は0%であり桜花賞で勝ち負けするには必須の条件と言える。当然ラッキーライラックは条件をクリアしており問題ない。
データ③ 前走
同条件ということもあり、チューリップ賞組の成績が圧倒的である。前走別の成績を見ていこう。
前走 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
チューリップ賞 | 7- 4- 6- 27/43 | 15.9% | 25.0% | 38.6% |
フィリーズレビュー | 2- 0- 2- 52/56 | 3.6% | 3.6% | 7.1% |
エルフィンS | 1- 1- 0- 2/4 | 25.0% | 50.0% | 50.0% |
クイーンC | 0- 3- 0- 14/17 | 0.0% | 17.6% | 17.6% |
フラワーC | 0- 1- 1- 10/12 | 0.0% | 8.3% | 16.7% |
阪神JF | 0- 1- 0- 2/3 | 0.0% | 33.3% | 33.3% |
アネモネS | 0- 0- 1- 23/24 | 0.0% | 0.0% | 4.2% |
集計期間:2008年~2017年
チューリップ賞組が断然の成績を残しており、フィリーズレビュー組は勝ち馬はいるが複勝率で見ても絶望的であり、その他はエルフィンSからの直行組が健闘している程度である。チューリップ賞以外からの参戦は軽視してもよさそうだ。前走チューリップ賞であり、さらに勝っているラッキーライラックには全く隙はなさそうだ。
まとめ
いかがだっただろうか? データを見れば全てに当てはまっており無敗でのクラシック制覇の可能性は極めて高いと言える。しかし、1つ気になるのは前走1着馬が不振ということだろう。しかし勝ち馬がいないわけではなく、ラッキーライラックほどの馬ならばそんな不安要素も軽くあしらってしまう可能性は高いだろう。
無敗の桜の女王誕生の瞬間を心待ちにしたい。