2019年4月29日、新潟競馬場で新潟大賞典(GⅢ/芝2000m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるミッキースワロー、ロシュフォール、メートルダール、ルックトゥワイス、アストラエンブレム、エアアンセムらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
なお、特に明記していない場合は過去10年のデータを対象とする。
目次
新潟大賞典の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは1回もなく、2着は1回、3着は2回と信頼度はとても低い。
上位人気も同じような状態だが、1番人気ほどではなく、5番人気がこの10年で4勝を挙げるなど、そこそこの配当を狙う人にはありがたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① ペースでレースの中身が激変!
新潟競馬場は開幕週、新潟大賞典がJRAにおける平成最後の重賞となる。開幕週ということもあり、時計が速くなりそうなものだが、これがそうとは言い切れない。
去年は2分フラット、前半1000メートルが62秒3のスロー。2009年は1分56秒9、前半の1000メートルは58秒2のハイペース。ペース次第で求められるものが変わる。
前目でレースを進めたい馬が今年は限られ、何が何でも逃げたい馬は少ない。そうなると、ペースは遅く、追い出しを我慢する馬が多くなる。
こうなると最後の直線に懸ける組は厳しく、しかも開幕週なので外に出すメリットも少ない。今年は前でレースを進める馬が有利と見るべきか。
予想参考データ② 巻き返した馬の共通点?
ハンデ戦なので、前走大敗を喫した馬でも巻き返すことは出来ている。1秒負け2秒負け、そこまで気にしない方がいい、と見るのが普通ではある。
しかし、1秒以上の大敗を喫した馬が巻き返したケースのほとんどは前走GⅡ以上での競馬、去年のステイインシアトルのようにGⅢでも2番人気に支持された馬もいる。
つまり、GⅡ以上で1秒以上の負け、もしくはGⅢでも人気に支持されての惨敗なら巻き返す可能性はあるということだ。
GⅢやオープン特別組は勝利もしくは馬券圏内、コンマ3秒程度の負け。ここが1つのラインとなってきそうだ。
予想参考データ③ ハンデの増減は前走から1キロ以内に
新潟大賞典はハンデ戦だが、斤量の増減が±1キロ以内だった馬が過去10年で10勝、2着9回、3着10回。鉄板レベルのデータだ。
その中でも増減なしが7勝2着5回3着3回なので、ここが本線。次に斤量増、斤量減と続く。斤量を2キロ以上減らして参戦した馬は22頭いながら1頭も絡んでいない。
斤量57キロまではそれなりのアベレージだが、57.5キロからやや怪しくなる。今回のトップハンデはミッキースワローの57.5キロ、前走有馬記念から0.5キロ増だ。
ハンデ戦では斤量を大きく減らした馬を買いたくなるものだが、新潟大賞典だけを見ればむしろ危険な狙い方だと言える。
2019年の危険な人気馬は?
メートルダールは人気に支持される見込みだが、やや後ろから競馬をすることが多く、最後差し切るような展開になると厳しい。同じ条件で好走したことはあるが、展開が向くとは言い難い。新潟大賞典の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ミッキースワローは2つ目の消しデータに合致している。ジャパンカップだけを見れば十分通用してもおかしくなく、キャリア初のGⅢなら巻き返して当然。ただ、57.5キロと脚質が向くかどうか。横山典弘騎手次第のところがあって、どっちに転んでも不思議ではない。
反対にエアアンセムは危険なデータに一つも当てはまらない。前走小倉大賞典から斤量変わらず、重賞でも安定感を見せる。前目で我慢強く乗れれば勝機は見える。ミッキースワローなどの参戦でオッズもおいしくなるはずだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、エアアンセムと言えそうだ。