有終の美なるか――。
2018年3月11日、中京競馬場で金鯱賞(GⅡ/芝2000m)が行われる。開催時期が幾度となく変更するレースとして知られ、かつては宝塚記念、2012年から有馬記念、2017年から大阪杯の前哨戦となっている。いずれもGⅠの前哨戦であり、ここを勝った馬が本番で結果を残すことも多く、注目度の高いレースである。
注目するのは、今回ラストランとなるデニムアンドルビーだ。GⅠには手が届かなかったがオークス2着、ジャパンC2着など牡馬の一線級相手でもひけを取らない実力を発揮してきた。近年では年齢的衰えも見られ、なかなか結果は出なかったが前々走では僅差2着。更に常に上がり3ハロン3位以内と力を示してきた。現役最後となる今回は陣営も力が入っているだろう。
果たしてデニムアンドルビーは有終の美を飾ることは出来るのか? 過去のデータからその可能性に迫っていこう。なお、今回は同時期同条件で行われていた中京記念、中日新聞杯も含めた過去10年のデータでみていく。
目次
データ① 前走着順
過去10年のデータを見ると前走で4着以内かどうかで好走率が大きく変わっている。過去10年の前走着順別成績を見ていこう。
前走着順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
4着以内 | 6- 7- 5- 37/55 | 10.9% | 23.6% | 32.7% |
5着以下 | 4- 3- 5- 108/120 | 3.3% | 5.8% | 10.0% |
集計期間:2008年~2017年
勝ち馬の数だけ見ればあまり差はないが、数字を見ればその差は歴然であり、大敗からの巻き返しは少ないといえる。前哨戦とはいえ、グランプリに向けて出走してくる馬の集まりであり、レベルの高い戦いというのが要因だろう。デニムアンドルビーは前走7着だが果たして…?
データ② 間隔
過去を見ると間隔がある程度開いた馬が好走している。過去10年の間隔別の成績を見ていこう。
間隔 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
中2週以内 | 1- 2- 2- 45/50 | 2.0% | 6.0% | 10.0% |
中3週以上 | 9- 8- 8- 100/125 | 7.2% | 13.6% | 20.0% |
集計期間:2008年~2017年
間隔を詰めてきた馬は人気になっても大敗しており、データからも大苦戦していることがわかる。前哨戦とはいえ上がり馬などの実績の無い馬がいきなり通用するほど甘いレースではないということだ。デニムアンドルビーは前走後ここを目標に調整されているので、ローテーションの面では心配はなさそうだ。
データ③ 4角通過順
2014年から4年連続で前走4コーナー通過が5番手以内だった馬が3勝しており先行馬有利となっている。過去4年の前走4角通過順別の成績を見ていこう。
前走4角通過順 | 着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|
5番手以内 | 3- 3- 3- 13/22 | 13.6% | 27.3% | 40.9% |
6番手以下 | 1- 1- 1- 44/47 | 2.1% | 4.3% | 6.4% |
集計期間:2014年~2017年
過去4年のデータなのであまり参考にならないかもしれないが、近年は先行馬、もしくは早めに動いていくタイプの馬が有利となっている。デニムアンドルビーは後方からレースを進めるタイプだが早めに動いていくことも可能であり、バルジュー騎手の手綱さばきに注目だ。
まとめ
いかがだっただろうか? データを見ればデニムアンドルビーを後押しするのは難しく、過度な期待は出来ない。しかし、彼女にとってはこれが最後であり、騎手を含む関係者全員が最高の舞台を整えていることが考えられる。馬の状態が最高であり、騎手が完璧な騎乗をすれば有終の美を飾ることも夢ではない。デニムアンドルビー最後のレースから目が離せない。