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皐月の舞台で見せた輝きを、もう一度――。

2017年10月22日、京都競馬場で牡馬クラシック最終戦の菊花賞(GI/芝外回り3000m)が行われる。人気を集めそうなのが、皐月賞馬のアルアインだ。ダービーでは惜しくも5着に敗れたものの、セントライト記念では堅実に2着と力のあるところを示した。

では、アルアインは菊花賞を勝てるポテンシャルを持っているのだろうか?


不安要素① ディープインパクト産駒はやはり……

まず懸念されるのが、ディープインパクト産駒であるという点だ。

ディープインパクト産駒は長距離戦を苦手としているわけではないが、マイル〜2400mにおけるパフォーマンスが高すぎるゆえに、他の馬との適性の差が縮まって結果があまり出ていない。

昨年はサトノダイヤモンドが菊花賞を勝ち、「3000m以上のGIで勝てない」というジンクスを打ち破った。

もっとも、だからといって激推しできるほどの強調材料があるかというと、そうではない。

3000m以上のGIにおける成績を見てみると……

◆種牡馬:ディープインパクト
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勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
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2.7% 10.8% 16.2% 6 42
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依然として低調なことに変わりはない。ディープインパクト産駒よりスタミナが求められるレースを得意としている血統の馬は少なくないため、相対的な意味で割引が必要なのだ。

不安要素② 母系の距離適性は?

前述したサトノダイヤモンドは、母系にスタミナの要素を感じさせる血が入っていた。

母父のOrpenはマイラー血統で、フランスの芝1200mのGIモルニ賞を勝っているスプリンターだったが、母のマルペンサはアルゼンチンのGI銀杯大賞(芝2000m)など、GI3勝を挙げている名品である。

サトノダイヤモンドが菊花賞を勝てた背景には「中距離以上をこなせる裏付け」と「圧倒的な力の差」(※単勝2.3倍の一番人気)があったわけだ。

では、アルアインはどうか?

母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米GI/ダ7F)の勝ち馬で、アメリカの牝馬におけるチャンピオンスプリンターに輝いた実績を持っている。名馬であることは間違いない。しかし、「スプリンター」だったという点は見逃せない。

また、ボールドルーラー系はアメリカの典型的なダート血統だ。パワーに優れている反面、スタミナという点では欧州のサドラーズウェルズ、ガリレオといったラインにはかなわない。

まとめると、母系にスタミナの要素が薄い点は、大きなネックとなりそうなのだ。

不安要素③ 歴代菊花賞馬の戦績を見てみると……

さらに歴代菊花賞馬の戦績と照らし合わせてみると、引っかかる点が出てくる。

21世紀になってから菊花賞馬になった16頭のうち、マイル以下で勝鞍があるのはオルフェーヴルとアサクサキングスだけなのだ。この2頭にしても、勝利数はそれぞれ一つのみ。

要するに、「ほとんどがもともと1800m以上の中距離で高いパフォーマンスを発揮するであろうと見込まれていた馬」ということになる。

一方、アルアインを見てみると、マイルでの勝鞍が2つ。マイルで3回使われていて、皐月賞やダービーの際は距離不安がささやかれた。(NHKマイルカップへ、というプランもあったほど)

仮に短い距離への適性があるとしても2000m、あるいは2400mまでは能力の高さでカバーできる。しかし、3000mまでは……という不安はどうしても付きまとうわけだ。

まとめ

アルアインは皐月賞を制した素質馬だが、少なくない不安要素があることがわかった。

果たして、アルアインは不安を跳ね返し、菊の大輪を咲かせることができるのだろうか。

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