2019年8月25日、札幌競馬場でキーンランドカップ(GⅢ/芝1200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンスマッシュ、タワーオブロンドン、リナーテ、アスターペガサス、ナックビーナス、ライオンボスらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
函館で開催された2013年を除く過去10回のデータを参考にする。
目次
キーンランドカップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは2回、2着は3回、3着も3回で、信頼度はそれなり。しかし、勝ち切れない。
シンガリ人気も勝ったことがあるキーンランドカップだが、人気なりの傾向にあり、組み合わせがそこそこ難しいレースか。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 無視絶対禁物!牝馬の取捨選択
牝馬(6- 3- 5-35)
勝率 12.2% │ 複勝率 28.6%
牡馬などと比べても圧倒的に牝馬有利のキーンランドカップ。夏は牝馬、短距離なら牝馬、先週の北九州記念でもそうだが、たとえ落ち目でも無視はできない。
ここ5年は2頭ずつ牝馬が絡んでいるが、その傾向を見ると、条件戦1着の勢いのある馬か、函館スプリントステークスで馬券圏内になった馬、この2つが目立つ。
格より勢い、これが牝馬の特徴だが、ナックビーナスのようにGⅠでも結果を出す馬がいればさすがに格。そのナックビーナスは休み明けでの参戦でどうか。
予想参考データ② UHBは鬼門?
北海道で競馬中継をする北海道文化放送、UHB。キーンランドカップのステップレースとして以前オープン特別だったUHB杯、現在それを引き継いだUHB賞がある。
しかし、過去の傾向を見ると、UHB杯もUHB賞、それぞれの組は成績が振るわず、特にUHB賞は29頭出て1頭だけ勝ったのみ。しかも、9歳のセン馬、UHB賞は人気を裏切っている。
札幌開催のUHB杯、UHB賞では勝った馬より負けた馬が馬券圏内になる。UHB賞を制したリナーテからすれば非常に嫌なデータである。
予想参考データ③ 外国人騎手は軽視でいい?
今週はワールドオールスタージョッキーズが札幌で開催される。去年はスポット参戦となったモレイラ騎手がナックビーナスを勝たせたが、今年も多くの外国人騎手が騎乗する。
巡り合わせもあるが、昨今外国人騎手が席巻しながら、このレースはその傾向から外れている。まして、小回りの札幌、いきなり有力馬に乗っかる側は大変だ。
今年は女性騎手が多く、華やかさは例年以上だが、しかしながら、それと勝負は別。普段見かけない外国人騎手は疑ってかかるべきだろう。
2019年の危険な人気馬は?
タワーオブロンドンは人気になる見込みだが、前走の函館スプリントステークス、大量取消という大チャンスがありながら、58キロ、初の1200メートルで3着。相手は「強化」され、同じ58キロ。前走勝てない馬がなぜここでは勝てるのか、合理的な説明ができない。キーンランドカップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ライオンボスは3つ目の消しデータに合致している。ルパルー騎手は10年ぶりの日本での騎乗だが、これまでに馬券に1回も絡まず。まして小回り、ライオンボスは直線競馬では鬼だが、それ以外ではそれほどでもない。期待するのが酷だろう。
反対にナックビーナスは危険なデータに一つも当てはまらない。洋芝実績があるのとこのレースとの相性がいいこと、休み明けでこのレースを使って結果を出していること。そして、岩田康誠騎手にスイッチしたことも勝負気配を感じさせる。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ナックビーナスと言えそうだ。