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2019年5月26日、東京競馬場で東京優駿・日本ダービー(GⅠ/芝2400m)が行われる。ヴェロックス、ダノンキングリー、ランフォザローゼス、アドマイヤジャスタ、リオンリオンなどが一生に一度の大舞台に好メンバーが集まったが、皐月賞を制し、三冠に向けて視界が開けたと思われるサートゥルナーリアを忘れてはならない。

サートゥルナーリアの前走皐月賞は、ランスオブプラーナが59秒前半で逃げる、やや速い流れの中、7番手、中団やや前目で折り合う。前目にいた馬が直線で沈む中、満を持してサートゥルナーリアが追い出しをかけ、前にいたヴェロックスやダノンキングリーと馬体を合わせる、大混戦の中、ゴール板を過ぎ、わずかアタマ差、ヴェロックスを退けて1着。休み明けを感じさせない見事な走りだった。

2400メートル、多くの馬には未知の距離ではあるが、サートゥルナーリアはそれ以外とも戦わなくてはならず、人気ほど盤石とはなかなか言い難い。


チェック① 好時計の皐月賞が与える影響

先週のヴィクトリアマイルの1分30秒台には驚かされたが、条件が整えば常識的に考えられなかったタイムが出てしまう環境にある。そういう点では皐月賞で1分58秒1というそこそこ速いタイムで勝てたのはプラス、と言いたいところだが、実際はそこまでプラスとは言い難い。

1分58秒台もしくは57秒台で決着をしたのは、2002年ノーリーズンを皮切りに今年を含め8頭いる。その中でダービーを勝てたのは2015年ドゥラメンテただ1頭、あとは3着が1頭いるぐらいで、着外に沈んでいる。速い時計で勝てたからダービーでも勝てる、そう単純な話ではない。皐月賞は最も速い馬が勝つと言われているが、まさにそうなのかもしれない。

ドゥラメンテは1分58秒2で勝ったが、サートゥルナーリアはそれより少し速い1分58秒1。母親はともにクラシックを賑わせたという点では一致するが、休み休み使ってきた馬が反動なしで走れるものか。そこのあたりに不安を残す。

チェック② テン乗りで勝つのは難しい?

ダービーはホースマンの憧れであり、ダービーに向けて逆算されることが多い。特に人馬のコミュニケーションが最たるもので、ダービーで初めての組み合わせということはあるにしても、そうしたケースはなかなか勝てない。そもそも乗り替わりで勝つケースすら1985年のシリウスシンボリまで遡らないと出てこない。

もっと言えばテン乗りになると1954年のゴールデンウエーブまで遡る必要がある。それだけテン乗りでは勝ちにくい。そんな中、皐月賞に騎乗しそのままダービーでも乗るはずだったルメール騎手が騎乗停止を食らうことになり、現在短期免許を取得しているダミアン・レーン騎手が手綱を握ることになった。

ここが厄介なところで、レーン騎手、先週2つの重賞を制するなど明らかに日本競馬に順応し、大舞台で結果を出している。ヴィクトリアマイル直後の最終レースでは、出遅れをリカバーし、競馬新聞の記者ですら想定していない脚を見せて勝った。テン乗りでもあっさり克服する可能性は否定できない。

すぐに結果を出すのは優秀な外国人騎手に見られる傾向だが、それでも数十年のジンクスをひっくり返すのは大変だろう。

チェック③ そこまで抜けた存在ではない?

今のところ、ダービーで最も勝つ可能性が高いと目されており、レーン騎手の活躍でその声はより高まっている。血統面でも2400メートルが持つことは明らかで、抜けた存在に見えても不思議ではないが、皐月賞の結果を見るに、とても抜けた存在とは思えない。

2着ヴェロックスとはアタマ差、3着ダノンキングリーは、アタマ+ハナ差、ちょっとした展開の違いでいくらでも逆転できる範囲だ。どの枠になるか分からず、すんなりと中団に取り付けない可能性もある。多少の不利があって、ライバルが完璧にレースをすればおそらく逆転されるだろう。

またサートゥルナーリアは4戦しかしていないため、対戦したことがない馬が結構いる。別の馬にあっさりやられることも十分にある。そんな中で単勝1倍台などの支持を集めるとすれば、あえて切るのも手かもしれない。

まとめ

不安要素があるとすれば反動がどうか、1か月でどこまで体調を戻せるか、そこに尽きる。4戦連続単勝1倍台、それ自体は立派だが、さて中身はどうだったか。もし裏切るならダービーでだろう。サートゥルナーリアが勝つ時は、テン乗りや乗り替わりに関する説を覆し、また新たな外国人騎手が有名になる時だ。

初めての左回りでどうかも不安要素といえば不安要素。単勝1倍台に全力投球をするだけの存在か、時間をかけて精査していくのがいいかもしれない。

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