阪神大賞典2018の競馬予想分析…レインボーラインが頭で狙えない3つの理由

2018年3月18日、阪神競馬場で阪神大賞典(GⅡ/芝3000m)が行われる。クリンチャー、アルバート、サトノクロニクル、レインボーライン、カレンミロティックらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?

昨年はサトノダイヤモンド、シュヴァルグランが出走していたが、今年はGⅠ馬が不在でどの馬にも一長一短あり、上位人気馬は実力が拮抗している。

レインボーラインは菊花賞2着、NHKマイルCと天皇賞(秋)でともに3着とGⅠでの好走歴が光る。今回のメンバーなら実績は上位だ。しかしその一方で、積極的には狙いにくい不安要素もある。


目次

理由① 長距離適性

重賞を勝っているのはマイルのアーリントンCで、NHKマイルCと天皇賞(秋)でともに3着という戦績からも、本質的な適性距離は2000m前後だと考えられる。

一昨年の菊花賞で2着に入っているが、このレースはスローペースで上がりの勝負になり、長距離適性がそれほど問われない競馬になった。それは、3着がマイラーのエアスピネル(翌年に京都金杯と富士Sを勝ち、マイルチャンピオンシップ2着)だったことからも明らかだ。

当時は3歳馬同士の戦いということもあり能力でカバーしたが、古馬一線級のステイヤーが相手となれば、ごまかしは利かないだろう。

ステイゴールド産駒らしく距離に融通が利くタイプだが、一族にはマイル~中距離で活躍している馬が圧倒的に多い。半姉のアニメイトバイオはローズSを勝ち、秋華賞と阪神JFで2着。伯父のエースインザレースは兵庫ジュニアグランプリを勝ち、芝のマイラーズCで3着。さらに祖母の半兄には、天皇賞(秋)で2年連続2着のセキテイリュウオーがいる。母系から考えても、本質的には中距離向きと考えていい。

菊花賞のような切れ味が求められる競馬になれば問題なく力を発揮できそうだが、真に持久力を問われる展開になったときの対応力は未知数と言える。

理由② 勝ちみに遅い

展開やコース、馬場を問わず、ラストは確実に伸びてくる一方で、追い込み一手で展開に左右される面がある。そのため、GⅠで2着1回、3着2回とGⅠ級の力を示しながらも、勝ち星からは3歳時のアーリントンC以来、2年近く遠ざかっている。

今回はヤマカツライデン、カレンミロティックという強力な先行馬がいるだけに、極端にペースが緩むということは考えにくいが、自分でレースをつくれず勝ちみに遅いという点は、GⅡでもかなりのウィークポイントになってしまう。

理由③ 昨秋のダメージ

極悪馬場で行われた昨年の天皇賞(秋)に出走した馬は、レース後にかなりの反動があった。同レースに出走した馬の中で、その後に勝ったのはキタサンブラック1頭だけしかいない。そのキタサンブラックでさえ天皇賞直後のジャパンCでは3着に敗れ、天皇賞で2着だったサトノクラウンはその後に2桁着順が続いている。

レインボーラインも天皇賞で3着に奮闘した後、GⅠ2戦で一線級を相手に全力の競馬をしただけに、かなりのダメージがあったはず。有馬記念8着後にひと息入れてリフレッシュし、復帰戦を迎えるが、中間の追い切りでは速いタイムこそ出ているものの、まだ動きに硬さが見られる。もともとが叩き良化型だけに、いかにも休み明けという状態の今回は割り引きが必要かも知れない。

まとめ

クラシックではサトノダイヤモンド、マカヒキ、ディーマジェスティが3強を形成していた現5歳世代でトップクラスの能力を示していたレインボーライン。重賞を制し、掲示板を外したことがない得意の阪神で、復活の糸口を掴むことができるだろうか。

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