阪神JF2017の予想分析…マウレアの姉妹GⅠ制覇は?3つの期待と1つの不安

2017年12月10日、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF/GI/芝外回り1600m)が行われる。

ロックディスタウン、ラッキーライラック、コーディエライト、ソシアルクラブ、リリーノーブルらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?

来年の牝馬クラシック路線を占う上でも重要な一戦。

ここでは今回の出走予定メンバーの中で有力馬の一頭であるマウレアに注目してその根拠などを述べていく。


目次

期待① 前走の勝因

前走、11月19日に東京競馬場1600m9頭立てで行われた2歳500万牝馬限定の赤松賞に単勝2.1倍の1番人気に堂々支持されて出走した。

マウレアは大外9番枠からのスタートとあって、スタート直後は再後方を追走も道中何度も他馬と接触しながらも馬群の中に入って中団を追走する。

最後の直線も横一線に並ぶ中、馬群を割って中に入り、1着から6着まで0.2秒差のタイム上は接戦の中も、伸びて快勝した。

鞍上の戸崎圭太騎手もひるまないで根性を見せるレースぶりだったとコメントするように終始揉まれながらも新馬戦に続いて連勝したことで今後に楽しみが広がるようなレースとなった。

期待② 戸崎圭太騎手

今回も鞍上は新馬戦、赤松賞と騎乗した戸崎圭太騎手が騎乗予定となっている。

今年はすでにJRA通算166勝をあげていて、ここまで関東リーディング1位、全国リーディング2位とルメール騎手、デムーロ騎手と並んで3強の体制と言いつつも、重賞はGⅢ4勝のみと少々物足りない成績となっている。

しかしながら、今秋のGⅠに限るとスプリンターズステークス(メラグラーナ・2番人気7着)以外上位人気馬には騎乗できなかったこともあり、人馬ともに実力のある状態でレースに挑めなかった。

今年は関東地区での騎乗が例年以上に多く、阪神競馬場への遠征は9月8日(メインレース・GⅡセントウルステークス・メラグラーナ4着)以来、今年2回目だが他の競馬場と比べても成績に遜色はない。

マウレアとのコンビで参戦できる阪神ジュベナイルフィリーズはチャンスだ。

期待③ 血統

マウレアの父はディープインパクト。

昨年は出走する産駒はいなかったものの初年度産駒が走った2010年以降11頭が出走し2勝2着1回3着1回の勝率18.2%、複勝率36.4%の好成績を残している。(勝ったのは2011年ジョワドヴィーヴルと2014年ショウナンアデラ)

また、母はバイザキャットでマウレアは2013年の桜花賞を制したアユサンの全妹にあたる。(管理する調教師も2頭とも同じ美浦・手塚貴久調教師)

アユサンは2012年の阪神ジュベナイルフィリーズで7着に敗れてはいるものの、桜花賞というGⅠの舞台で今回と同じ阪神競馬場の芝1600mを勝利しているのは十分強調材料だ。

不安 赤松賞組

比較的好材料なデータが多いマウレアではあるが、赤松賞というレースに注目すると、過去10年で9頭が出走し、1勝2着1回という結果であまりいい材料とは言えなかった。

赤松賞1着馬をピックアップすると次の通り。

2007年 カレイジャスミン 12番人気 7着
2008年 ダノンベルベール  3番人気 2着
2009年 アパパネ      2番人気 1着
2010年 ダンスファンタジア 2番人気 9着
2011年 トーセンベニザクラ 9番人気 10着
2015年 クロコスミア    7番人気 8着

前走が東京競馬場だった馬の阪神ジュベナイルフィリーズでの成績は前走が京都競馬場だった馬の成績を遥かに上回っているのだが、赤松賞組に限って言えば残念な結果と言わざるをえない。

前走場所着別度数勝率複勝率
札幌0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%
函館1- 0- 0- 1/ 250.0%50.0%
福島0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%
新潟0- 1- 0- 5/ 60.0%16.7%
東京4- 5- 6- 32/ 478.5%31.9%
中山0- 0- 1- 4/ 50.0%20.0%
中京0- 0- 0- 0/ 0
京都5- 4- 3- 91/1034.9%11.7%
阪神0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%
小倉0- 0- 0- 5/ 50.0%0.0%
地方0- 0- 0- 3/ 30.0%0.0%

集計期間:2007年 ~ 2016年

まとめ

新馬戦、赤松賞と連勝で阪神ジュベナイルフィリーズに挑戦するマウレア。輸送が心配される関東馬ではあるものの、(一部、栗東留学馬も含まれるが)関西馬との成績差は殆ど見られない。

調教師着別度数勝率複勝率
美浦4- 5- 5- 42/ 567.1%25.0%
栗東6- 5- 5-108/1244.8%12.9%

集計期間:2007年 ~ 2016年

管理する手塚調教師も赤松賞のダメージはなく中間の調整が順調なことから「長距離輸送がカギだけどGⅠでも楽しみはありそう」とのコメントをしている。

多頭数の競馬は新馬戦(15頭立て)で経験しており、18頭フルゲートになるであろう阪神ジュベナイルフィリーズでも不安はない。

姉ヴィルシーナ(2013年・2014年ヴィクトリアマイル)、妹ヴィブロス(2016年秋華賞)以来5組目となる姉妹GⅠ制覇となるか注目だ。

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