2017年12月23日、阪神競馬場で阪神カップ(GII/芝内回り1400m)が行われる。サングレーザー、イスラボニータ、レーヌミノル、モズアスコット、シャイニングレイらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
開催に際し、どのような血統の馬がいい成績を残しているのか、同コースでどのような血統の馬が台頭しているのか、過去のデータをもとに見ていくことにしよう。
なお、好走血統は過去10年、コース種牡馬成績は2014年以降(精度を高めるために1、2番人気の人気馬、および単勝100倍以上の人気薄、新馬戦、長期休み明けなどの不確定要素が多いレース=血統意外の要因で決着した可能性が高いレースは、集計から除外)を参考に考察していく。
目次
過去10年好走馬血統
着順 | 人気 | 種牡馬 | 母父馬 |
---|---|---|---|
1 | 7 | キンシャサノキセキ | Kingmambo |
2 | 2 | フジキセキ | Cozzene |
3 | 5 | ディープインパクト | Danehill |
1 | 3 | フジキセキ | Big Shuffle |
2 | 5 | アルデバラン2 | サンデーサイレンス |
3 | 1 | サクラバクシンオー | Kingmambo |
1 | 8 | ディープインパクト | Meadowlake |
2 | 3 | ダイワメジャー | トニービン |
3 | 5 | ダイワメジャー | Law Society |
1 | 8 | ディープインパクト | Meadowlake |
2 | 10 | マンハッタンカフェ | ジェネラス |
3 | 7 | ダンスインザダーク | ダンシングブレーヴ |
1 | 3 | シンボリクリスエス | Crafty Prospector |
2 | 14 | マンハッタンカフェ | ジェネラス |
3 | 2 | ディープインパクト | O'Reilly |
1 | 4 | シンボリクリスエス | Crafty Prospector |
2 | 5 | サクラバクシンオー | サンデーサイレンス |
3 | 13 | デュランダル | トニービン |
1 | 2 | Fuji Kiseki | Pleasant Colony |
2 | 5 | タイキシャトル | Storm Cat |
3 | 15 | スターオブコジーン | Be My Guest |
1 | 1 | Fuji Kiseki | Pleasant Colony |
2 | 7 | アドマイヤベガ | ターゴワイス |
2 | 11 | シンボリクリスエス | Crafty Prospector |
1 | 8 | ダンスインザダーク | Miswaki |
2 | 1 | Kingmambo | Sunday Silence |
3 | 7 | サクラバクシンオー | Bering |
1 | 1 | サンデーサイレンス | Fairy King |
2 | 10 | ダンスインザダーク | Peterhof |
3 | 5 | アドマイヤベガ | Topsider |
集計期間:2007.12.16 ~ 2016.12.24
解説・分析:注目血統は?
フジキセキ、キンシャサノキセキ、ダイワメジャー、そしてデュランダルといったサンデーサイレンス系の短距離血統の台頭が目立つ。
ただし、面白いのはほとんどの好走馬が短距離に特化した戦績ではなかったという点だ。
例えばイスラボニータは御存知の通り、皐月賞馬だ。ロサギガンティアはスプリングステークスの、コパノリチャードはアーリントンカップの勝ち馬。ダイワマッジョーレはマイルチャンピオンシップの2着馬である。
阪神の芝はタフであり、12月末の開催ならなおさら厳しい環境で行われる。このため、短距離に特化しすぎている馬に関しては、スタミナ不足で台頭できないのだ。
一方、見逃してはならないのがディープインパクトやマンハッタンカフェ、そしてシンボリクリスエスといった中長距離血統の産駒が台頭しているということ。
彼らに関してはスタミナの裏付けがあるため、短距離血統とは反対にスピードの裏付けがほしい。実際、多くの馬が1400m以下での実績があった。リアルインパクトは京王杯2歳ステークスの2着馬、ガルボとサンカルロに関しては短距離実績が豊富だった。
つまり……
・短距離血統の場合はスタミナの裏付けとなるマイル以上での実績
・中長距離血統の場合はスピードの裏付けとなる短距離実績
これが求められてくると言っていいだろう。
出走予定馬・種牡馬コース成績
種牡馬 | 着別度数 |
---|---|
ダイワメジャー | 6- 5- 8-70/89 |
ディープインパクト | 6- 5- 4-58/73 |
アドマイヤムーン | 4- 4- 7-43/58 |
ステイゴールド | 4- 3- 5-27/39 |
ハーツクライ | 1- 2- 4-19/26 |
フジキセキ | 1- 2- 1-27/31 |
サクラバクシンオー | 1- 1- 2-15/19 |
キンシャサノキセキ | 0- 2- 3-18/23 |
ファルブラヴ | 0- 1- 1-11/13 |
ヨハネスブルグ | 0- 0- 0-11/11 |
アルデバラン2 | 0- 0- 0- 7/ 7 |
種牡馬 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
ダイワメジャー | 6.7% | 21.3% | 174 | 103 |
ディープインパクト | 8.2% | 20.5% | 101 | 70 |
アドマイヤムーン | 6.9% | 25.9% | 114 | 146 |
ステイゴールド | 10.3% | 30.8% | 75 | 96 |
ハーツクライ | 3.8% | 26.9% | 77 | 116 |
フジキセキ | 3.2% | 12.9% | 24 | 40 |
サクラバクシンオー | 5.3% | 21.1% | 25 | 60 |
キンシャサノキセキ | 0.0% | 21.7% | 0 | 116 |
ファルブラヴ | 0.0% | 15.4% | 0 | 57 |
ヨハネスブルグ | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
アルデバラン2 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
集計期間:2013. 2.24 ~ 2017.12.17
※良馬場開催が対象
※3番人気〜単勝100倍未満が対象
※長期休み明けなど、明らかなマイナス要素を持つ馬は除外
解説・分析:注目血統は?
サンデーサイレンス系の中距離血統が軒並み好成績なのに対し、サクラバクシンオーやヨハネスブルグ、アルデバランIIといった非サンデー系の短距離血統は目も当てられない数字となっている。
これが、当コースの本質を表していると言っていいだろう。