2019年3月31日、ドバイ・メイダン競馬場でドバイターフ(GⅠ/芝1800m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるアーモンドアイ、ドリームキャッスル、ディアドラ、ウートン、ヴィブロス、アイキャンフライらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
メイダン競馬場での開催になった2010年以降9年分のデータを参考にする。
目次
ドバイターフの人気馬成績
JRAで馬券発売されたこの2年間で見ると、1番人気は去年のリアルスティールの3着しか来ていない。
2番人気は1勝3着1回と気を吐いているが、7番人気が2年連続馬券圏内に来ており、JRAでの人気はあくまでも日本馬メインになりがちなところを覚えておきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 外国馬は3着以内で
2018年は3着が日本馬同士で同着だったため、この9年で28頭が3着以内に入ったが、そのうちの23頭が前走3着以内だった。
もっと言えば、残りの5頭のうち4頭が日本の馬だった。つまり、馬券圏内に来る外国馬のほぼすべてが前走3着以内となっている。
唯一の例外は2010年1着のアルシェマーリだが、オールウェザー時代のマクトゥームチャレンジラウンド3での結果。参考外でもいい。
結果を残すのは地元で開催されるジェベルハッタ、日本の中山記念。ジェベルハッタは同じ舞台、中山記念は距離は同じだが、コース形状などがまるで違う。
引退予定だったヴィブロスがそれを撤回し臨む一戦だが、2年連続中山記念だったものを香港マイルからの参戦。どう影響するか。
予想参考データ② レーティングでも一枚抜ける
アーモンドアイ、ディアドラ、ヴィブロス。日本からは牝馬3頭の参戦が見られるが、ある意味ドバイターフに特化した最強の布陣と言える。
とはいえ、井の中の蛙大海を知らずということわざがあるように、世界との差というものは認識しなければならない。分かりやすいのがレーティングである。
すると、アーモンドアイが世界レコードの影響もあって128ポンドと抜けており、2位のアイキャンフライと8ポンドの差をつけており、頭1つ、それ以上の差を見せている。
そのアイキャンフライとディアドラ、ヴィブロスとは3ポンド離れており、こちらもやや離れている。
それ以降は3ポンド差に9頭がひしめいていることから、抜けたアーモンドアイ、どうにか追うアイキャンフライ、その他大勢と言った形だ。
おそらく日本馬に人気が集中するが、アイキャンフライより日本馬に人気が集中しているようだと、ちょっと疑うべきかもしれない。
予想参考データ③ 日本で活躍する血統を狙え!
メイダン競馬場は時に日本と同じような高速馬場になりやすく、特に去年は相当な高速馬場だったようだ。今年は落ち着いたようだが、それでも日本並の芝状態と言える。
それだけ管理が行き届いているということだが、ここ数年日本馬が常に馬券圏内に入っていることを考慮すると、日本で活躍する血統を狙う方がいい。
日本馬はディープインパクト産駒がかなり幅を利かせており、これを見ても、軽い馬場に適性があるような馬が好走しやすいことが分かる。
裏を返せば、ヨーロッパで活躍するような血統ではなかなか勝負にならないということだ。まして、日本馬がこれだけ集まるとそれを凌駕するのは大変だ。
2019年の危険な人気馬は?
ヴィブロスは人気に支持される見込みだが、好走した過去2年と臨戦過程が違い、元々引退を考えていたほど。予定変更であっさり勝てるほど甘くはない。ドバイターフの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ウートンは2つ目の消しデータに合致している。レーティングが低く、しかも、フランスのGⅢを去年勝って以来、なかなか結果を出せない。ジェベルハッタ2着だが、切れ味で劣っている。割引、もしくは消しでもいいかもしれない。
反対にドリームキャッスルは危険なデータに一つも当てはまらない。ジェベルハッタは前残りの中、大外を回し、直線だけで差し切ってみせた。アーモンドアイは海外遠征に不慣れな厩舎ということもあり、何かあってもおかしくないが、こちらは地元。ジェベルハッタのパフォーマンスを見せれば大丈夫だ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ドリームキャッスルと言えそうだ。