2017年12月2日、阪神競馬場でチャレンジカップ(チャレンジC/GIII/芝 2000m)が行われる。
モンドインテロ、デニムアンドルビー、サトノクロニクル、マキシマムドパリらが出走するが、どんなレースが展開されるのか? 台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
中でも注目なのが、サトノクロニクルだ。人気に推される可能性が高いが、この3歳馬は古馬の壁を突破できるのだろうか? 期待できる面と心配な面を探っていこう。
目次
期待① ハイレベルな3歳勢
この秋の3歳馬の活躍は記憶に新しいところだ。G1を制したモズカッチャン、ペルシアンナイトはもちろんジャパンカップ2着のレイデオロやスワンステークスを優勝したサングレーザーなど古馬相手でも通用以上の走りを見せている。
菊花賞でも穴人気に推されたこの馬も世代上位の能力を持っており、若さで古馬の壁を破る可能性は大いにある。
期待② この時期に騒ぐ好調ハーツクライの血
この馬の父ハーツクライは先週もシュヴァルグラン、グレイルと産駒が重賞を連日制覇している。
父自身もジャパンカップでハナ差の激走からの有馬記念、ドバイ連勝と秋から冬を得意としていたが産駒にもこの傾向が強くなってきている。
今年も11月に入ってからすでに産駒が重賞3勝だが、その前の重賞制覇は5月まで遡る。昨シーズンで見ても10月から2月で重賞5勝だが、その前の勝利は4月だ。
今、勢いのあるハーツクライの血は非常に怖い。
不安① 重賞未勝利、欠ける決め手
気になる点としてはまず実績面だろう。
主な勝ち鞍はオープン戦の白百合ステークスで、まだ2勝馬に過ぎず、重賞では同世代相手にも優勝経験はなし。またタイプ的に勝ち切れない部分もある。
そもそも力が足りるのか、足りたとしても勝ち切れない面が出ないだろうか?疑問も残る。
不安② 激戦だった菊花賞明け
この馬は前走は不良馬場だった菊花賞だ。
このレースでの消耗が激しかったことは明らかで、このレースで上位に入線した馬たちはその後好走どころか出走すらしていない。
1か月以上のレース間隔があるとはいえ、初めての距離にドロドロの馬場でのタフなレースが3歳馬たちに大きなダメージを与えたであろうことは明らかだ。
激戦の影響をじっくりと見極める必要がある。
まとめ
ここまで見てきたようにサトノクロニクルには魅力と心配が隣りあわせだ。
兄のサトノラーゼンはクラシック戦線以降は苦しんでいるが弟クロニクルはどうだろうか?ハーツクライの成長力と3歳の勢いが上回るか、古馬の意地に屈するか、興味は尽きない。
文=櫻井秀幸