2018年4月14日、阪神競馬場でアーリントンC(GⅢ/芝1600m)が行われる。インディチャンプ、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュ、アリア、レッドヴェイロン、アドマイヤアルバ、ラセットらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
長い間、2月末から3月初めの春の阪神競馬開幕週に行われてきたが、3歳マイル王決定戦GⅠ・NHKマイルカップに向けてのレース体系整備の中で、今年から開催時期が変更され関西で行われる重要なステップレースとして位置づけられたアーリントンC。
前週に行われたニュージーランドT同様、1着から3着馬にはNHKマイルカップへの優先出走権が今年からは与えられることになった。
昨年2017年の勝馬ペルシアンナイトは秋にマイルチャンピオンシップでGⅠウィナーとなり、2016年1着のレインボーラインはその後長距離戦で能力開花し、先日行われたGⅡ・阪神大賞典を見事に制するなど数々の実力馬を輩出しているレースでもある。
配当傾向を過去10年で見てみると、両極端の結果となっていて三連単が万馬券にならなかった年も3回ある一方で、10万円を超える配当となった年も5回もあり、2008年には単勝5番人気→9番人気→10番人気の組み合わせで896,050円となっている。
2018年は人気サイドの決着となるのか、それとも荒れた決着となるのか。
開催に際し、競馬TIMES編集部では予想の参考になりそうなデータをいくつかピックアップして紹介する。
人気、血統、枠順、ローテーションなど、予想のポイントになりそうなデータとは?
対象データ:2008年~2017年で行われたアーリントンC
目次
ポイント1 極端な人気薄は消し!
上記でも触れたように三連単の配当で見ると堅い年も荒れる年もあるのがアーリントンCの特徴だ。ただし、それでも、人気別に集計した場合、単勝で二桁人気になるような馬の成績は奮わない。
人気 | 着別度数 |
---|---|
10-16人気 | 0- 2- 1- 32/ 35 |
人気 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
10-16人気 | 0.0% | 8.6% | 0 | 130 |
なお、過去10年の結果から見ると、単勝1番人気が3勝、2番人気が1勝、3番人気が0勝と上位人気が苦戦しているのも特徴となっている。
※以降、9番人気以内を対象に集計
ポイント2 社台ファーム・社台コーポレーション白老ファーム生産馬は消し!
馬産地について注目をすると、本来クラシック戦線で中心となる中距離では社台グループが現在の日本競馬界を席巻しているもののマイル路線ではその傾向は薄れ、アーリントンCでは社台ファーム・社台コーポレーション白老ファーム生産馬の成績はいまひとつだ。
生産牧場 | 着別度数 |
---|---|
上記 | 1- 1- 1-10/ 13 |
生産牧場 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
上記 | 7.7% | 23.1% | 31 | 55 |
時折、馬券圏内に入ってくる馬もいるものの、2014年に単勝6番人気で3着となったフェルメッツァが最後となっていて基本的には消しと判断していいだろう。
ポイント3 前走距離1400m-1600m以外は消し!
前走距離の視点から検討を加えると、やはりマイルが適距離の馬の活躍が目立つ。マイル前後の距離では1800mから短縮するよりも1400mから延長した馬のほうが距離に対応できていることがわかる。
前走距離 | 着別度数 |
---|---|
1400m-1600m以外 | 1- 0- 3-17/21 |
前走距離 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
1400m-1600m以外 | 4.8% | 19.0% | 19 | 56 |
2012年に単勝2番人気で1着となったジャスタウェイのようにマイルから中距離を得意とした馬もいるものの、アーリントンCではマイラーもしくはマイルより短い距離を得意とした馬の活躍が目立っていると言える。
ポイント4 前走二桁着順は消し!
クラシック路線ほどではないものの勝ち抜き戦の様相が強い3歳限定戦において前走も一定の着順を確保できている馬がアーリントンCでは結果を残せており、前走二桁着順に敗れた馬の成績は伴ってこない。
前走着順 | 着別度数 |
---|---|
10着以下 | 0- 0- 0-11/11 |
前走着順 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
10着以下 | 0.0% | 0.0% | 0 | 0 |
馬券圏内に入った馬が過去10年で1頭もいないことから考えても思い切って消しと判断していいだろう。
ポイント5 レース間隔4週以下は消し!
最近は、重賞クラスに出走するような有力馬の場合連闘や中1週のようにレース間隔を詰めて出走してくるケース自体は以前に比べれば少ない。調整を万全に進めてきた馬が結果を残せる傾向にあり、アーリントンCでも同じような傾向をみることができる。
レース間隔 | 着別度数 |
---|---|
4週以下 | 4- 0- 3-32/39 |
レース間隔 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
4週以下 | 11.1% | 30.0% | 119 | 94 |
他のポイントと比べると数字上は4勝と目立つ結果になっているが、2012年のジャスタウェイを最後に直近5年では勝利から遠ざかっている。
ポイント6 前走馬体重470kg未満は消し!
最後に前走の馬体重に注目すると、マイル戦の割にはある程度馬格がしっかりしている馬に分がある結果となっている。スピードだけでなくスピードを持続させるスタミナが要求されていることがわかる。
前走馬体重 | 着別度数 |
---|---|
470kg未満 | 1- 2- 4-26/33 |
前走馬体重 | 勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|---|
470kg未満 | 3.0% | 21.2% | 20 | 88 |
数字上は馬券圏内に入っている馬も多いが、複勝の回収率から見ると人気馬でなければ結果を残せておらず3着が多いこともわかる。
まとめ 消しデータを取り除くと?
では、ここまで挙げてきた消しデータを取り除くと、どのような成績になるのだろうか?
着別度数 |
---|
5- 5- 2- 5/17 |
勝率 | 複勝率 | 単回値 | 複回値 |
---|---|---|---|
29.4% | 70.6% | 340 | 171 |
なんと、好走率は7割超、回収率も約260%を弾き出し極めて優秀な成績となった。
今年はこのデータに該当する馬を軸に添えてみても、いいかもしれない。