2020年5月30日、京都競馬場で葵ステークス(重賞/芝1200m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるエレナアヴァンティ、アルムブラスト、ケープコッド、ビアンフェ、ワンスカイらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
重賞に昇格したのは2018年だが、オープン時代を含めた過去10年のデータを参考にする。
目次
葵ステークスの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は1回、3着はなし。重賞になってからも傾向はそんなに変わらないため、人気の信頼度はそこまでではない。
オッズ的には伏兵馬が結構来やすい。ただ、2倍台までの馬は過去10年で3頭おり、すべて勝利。今年はダントツ人気が想定される馬がいるだけに、どうか。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 牝馬の取捨選択
牝馬(7- 7- 3-49)
勝率 10.6% │ 複勝率 25.8%
3歳牝馬が夏のスプリント戦線を見据えてギアを上げる最初の時期というのもあるのか、牝馬が明らかに優勢であることがうかがえる。
桜花賞の惨敗組、橘ステークスで3着から5着だった馬、このあたりが狙い目としては面白く、目をつけにくい部分と言える。
該当するのは、ケープコッドのみ。エレナアヴァンティは7番人気でマーガレットステークスを勝っており、これが物足りない。
予想参考データ② 斤量の重い馬が面白い
牡馬の斤量は56キロ、牝馬は54キロの葵ステークスだが、去年は斤量がそれぞれ1キロ増えた馬が3着までを独占している。穴を開けてるのはいずれもこのタイプだ。
裏を返せば、人気馬の斤量増はあんまりうまみもなく、不安要素が強い。今年の該当馬は3頭だが、穴馬になりそうなのはマイネルグリットで、エレナアヴァンティ、ビアンフェはどうか。
ビアンフェの場合は、人気になるほど走れているわけではなく2歳戦のお釣りがある。エレナアヴァンティはマーガレットステークス以外がパッとしない
予想参考データ③ 前目が熱い
上がり3ハロン1位の馬が差し切れるという環境ではなく、前目の馬が押し切るようなケースが多く、豪快な差し切りは展開次第の部分が大きい。
前を主張したい馬が多いので、今年は展開が早く、後ろの馬でも差せる環境にもしかするとなるかもしれない。
元々1列後ろでレースをする事が多い、ケープコッドが面白いか。ここでもエレナアヴァンティが引っかかる。もうおのずと結論は出たか。
2020年の危険な人気馬は?
エレナアヴァンティは人気になる見込みだが、マーガレットステークスだけで結果を出している点が少し引っかかる。結果を出したのは2歳の夏まで、マーガレットステークスは展開がハマっただけと考えると、ここで上位を狙うのは厳しいかもしれない。葵ステークスの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ビアンフェは2つ目の消しデータに合致している。2歳重賞で勝ち負けだったタイセイビジョンが一定の成績を残した分、人気が上がったパターンだが、休み休みに使わざるを得ないのが痛い。
反対にケープコッドは危険なデータに一つも当てはまらない。桜花賞の惨敗は馬場が原因だろうが、惨敗とは言うものの、シンガリ人気だったわけだから13着でも十分。元々は1200で結果を出しており、距離短縮はむしろプラスだ。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ケープコッドと言えそうだ。