一時期は“東のユタカ”と呼ばれ関東随一のジョッキーと評されていた吉田豊騎手。
近年は外国人騎手や若手の台頭があってすっかり影の薄い存在になってしまった。2014年の全国リーディングでは29位。重賞制覇は昨年の青葉賞(ショウナンラグーン)まで遡らなければならない。
しかし、今年は息を吹き返しつつある。特に人気馬に乗った時、驚異的な好走率を記録しているのだ。
吉田豊騎手の変化
2015年に入って吉田豊騎手は一つの転機を迎えた。武豊騎手や福永祐一騎手らを筆頭に、一流騎手はフリーとして制約なく騎乗依頼を受けるのが一般的だ。
一方、吉田豊騎手は長年、厩舎所属を貫いてきた。騎手が厩舎に所属するメリットといえば……
・毎月一定額の給与が出る
・厩舎の管理馬に定期的に乗れる
・所属厩舎の人間と親しくなれる
などが挙げられる。もっとも、このメリットを最大限に生かせるのは若手騎手がほとんどだ。実績がない若手騎手は厩舎に所属することで経験を積むことができる。
一方、ある程度実績があるベテランになると、「自厩舎の馬以外に乗りにくくなる」というデメリットがある(自厩舎の馬に優先的に乗らなければいけないため)。吉田豊騎手ほどの実績があればいつでもフリーになれたが、彼は厩舎所属を貫いていた。結果、安定して騎乗できたが、騎乗馬に恵まれないという側面も否めなかった。
そんな吉田豊騎手がついにフリーに転身したのが今年3月から。(といっても大久保洋吉調教師の勇退に伴ったもので、自分からフリーになったわけではないが)
以降、特に人気馬に騎乗したときに確実に結果を残すようになっている。
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