Mリーグにおいて常に存在感を放ち続ける名門チーム「赤坂ドリブンズ」。実力派選手たちが揃い、麻雀ファンから根強い支持を集めている。
この記事では、赤坂ドリブンズの所属選手や戦績、監督、スポンサーといった基本情報を網羅。Mリーグをより深く楽しむためのチーム名鑑として、最新シーズンにおける注目ポイントも交えて紹介する。
赤坂ドリブンズとは?
赤坂ドリブンズ(Akasaka Drivens)は、Mリーグ創設初年度である2018年に誕生したプロ麻雀チームである。オーナー企業は広告大手の博報堂DYメディアパートナーズ。Mリーグの初代王者としてその名を刻み、以降も強豪チームとして安定した実力を見せ続けている。
園田賢、村上淳、鈴木たろうといった各麻雀プロ団体のトップリーガーを集めて構成された初期メンバーは、個々の実力を最大限に発揮し、戦術重視のスタイルで初年度優勝を勝ち取った。以降も実力本位のメンバー選考と、安定した戦略的運用を続けることがチームの特徴である。
運営スタンスにも独自色が強く、Mリーグ参加チームの中で唯一、企業スポンサー契約を結ばずに活動している点も注目に値する。これは「赤坂ドリブンズを応援したいと思う企業に、自由に愛してもらいたい」という越山剛監督の意向によるものである。
さらに2020-21シーズンからは、公式YouTubeチャンネルを通じた「クラブハウスLIVE中継」と呼ばれる感想戦の生配信など、ファンとの距離を縮める取り組みも積極的に実施。競技性の高さとファンコミュニケーションを両立する稀有な存在として、Mリーグを語る上で欠かせないチームである。
所属選手一覧
赤坂ドリブンズは2018-19シーズンの初代王者チームとしてスタートし、その後も多くの実力派選手が在籍してきた。以下はシーズンごとの所属選手の一覧である。
シーズン | 所属選手 |
---|---|
2018-19 | 園田賢、村上淳、鈴木たろう |
2019-20 | 園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子 |
2020-21 | 園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子 |
2021-22 | 園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子 |
2022-23 | 園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子 |
2023-24 | 園田賢、鈴木たろう、浅見真紀、渡辺太 |
2024-25 | 園田賢、鈴木たろう、浅見真紀、渡辺太 |
2025-26 | 園田賢、鈴木たろう、浅見真紀、渡辺太 |
園田賢(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1980年11月25日生まれ、兵庫県神戸市出身。東京大学を目指す浪人中に麻雀に熱中し、慶應義塾大学へ進学。在学中に最高位戦日本プロ麻雀協会へ入会し、2003年にプロデビュー。2018年のMリーグ発足時に赤坂ドリブンズからドラフト1位指名を受け、以降チームを支える主力として活躍している。
冷静かつ多彩な打ち筋を武器に「卓上の魔術師」の異名を持つ戦術家。鳴きの技術に優れ、トークスキルやインタビューでの存在感でもファンから高い人気を誇る。2025年にはMリーグ初の「裏3」達成を果たし、話題を呼んだ。
鈴木たろう(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1973年10月4日生まれ、茨城県常総市出身。1997年にプロデビュー後、日本プロ麻雀協会を経て2020年に最高位戦日本プロ麻雀協会へ移籍。豊富なタイトル歴を誇るトッププレイヤーで、特に「雀王」4度制覇、最強戦準優勝など輝かしい実績を持つ。
2018年、赤坂ドリブンズにドラフト指名されMリーグ参戦。チームの初代王者獲得に大きく貢献した。論理的かつ柔軟な打ち回しを信条とし、「ゼウスの選択」の異名でも知られる。2024年にはMリーグ史上最高得点(112,800点)を記録。2025年にはプロ雀士の水口美香との結婚を公表した。
浅見真紀(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1985年8月30日生まれ、埼玉県所沢市出身。千葉大学大学院修了後、2010年に最高位戦日本プロ麻雀協会へ第35期として入会。プロ入り直後から頭角を現し、野口恭一郎賞(女性棋士部門)を受賞するなど活躍。
2023年、赤坂ドリブンズの非公開トライアウトに合格し、同年のMリーグドラフトにて指名を受けMリーガーに。キャッチフレーズは「聡明なるバイプレイヤー」。デザインや論理的思考力にも長け、実況配信や資料作成などチームへの多角的な貢献も行う。
渡辺太(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1988年7月25日生まれ、埼玉県さいたま市出身。医師免許を持つ異色の経歴を持つプロ雀士。オンライン麻雀『天鳳』では「太くないお」として5代目天鳳位を獲得し、3麻・4麻ともに制覇。さらに『雀魂』でも3麻・4麻で魂天到達という前人未到の快挙を成し遂げた。
2023年に最高位戦へ入会し、B1リーグからスタート。同年のMリーグドラフトで赤坂ドリブンズに2巡目指名され、「麻雀シンギュラリティ」のキャッチフレーズで注目を集める。VTuber活動も行っており、麻雀AI「NAGA」においてもモデルプレイヤーの一人とされる。
過去の所属選手一覧
村上淳(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1975年4月10日生まれ、東京都武蔵野市吉祥寺出身。最高位戦日本プロ麻雀協会所属の実力派プロ雀士で、通称「ずんたん」「リーチ超人」。桐朋学園から早稲田大学商学部を卒業し、在学中に第22期生としてプロデビュー。
最高位戦では2度の三冠(日本オープン・Classic・最高位)を達成したほか、モンド王座戦でも優勝を果たし、長年にわたりAリーグ上位で活躍。2018年にMリーグ・赤坂ドリブンズから2位指名を受けて参戦し、創設メンバーのひとりとしてチームを支え続けた。
2023年にドリブンズとの契約を満了し退団。YouTubeでは丸山奏子との「ずんまるちゃんねる」で配信活動も行うなど、麻雀普及活動にも尽力。オカルトを否定し、門前リーチにこだわる“デジタル型”の雀風で知られる。
丸山奏子(最高位戦日本プロ麻雀協会)
1993年8月17日生まれ、北海道旭川市出身。元Mリーグ・赤坂ドリブンズ所属で、愛称は「まるこ」。短大卒業後に不動産会社へ就職する傍ら、雀荘でのアルバイトをきっかけに競技麻雀の世界へ進み、2018年に最高位戦日本プロ麻雀協会に入会。
2019年、Mリーグの男女混合義務化を受けて行われたドラフトで赤坂ドリブンズから指名され、プロ2年目でMリーガーに抜擢。デビュー戦では大逆転トップを飾り話題に。その後も努力を重ね、女性雀士の代表格として注目を集めた。
2023年に赤坂ドリブンズを契約満了で退団。YouTube「ずんまるちゃんねる」や個人チャンネル「もぐもぐまるこ」、ラジオなど幅広く活動。明るく親しみやすいキャラクターで多くのファンに支持されている。
歴代成績と主な戦績
赤坂ドリブンズはMリーグ初年度(2018-19)で初代王者に輝いた名門チームであり、以降も堅実なチーム作りで上位争いを演じてきた。以下は、これまでの各シーズンにおける成績と主な戦績の一覧である。
シーズン | 総合順位 | レギュラー 順位 | レギュラー Pt | 平均Pt | 1着率 | 連対率 | 4着回避率 | セミF 順位 | セミF Pt | ファイナル 順位 | ファイナル Pt |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018-19 | 優勝 | 4位 | ▲8.7 | ▲0.1 | 31% | 54% | 68% | 1位 | 598.8 | 1位 | 594.5 |
2019-20 | 7位 | 7位 | ▲276.3 | ▲3.1 | 22% | 44% | 73% | – | – | – | – |
2020-21 | 4位 | 3位 | ▲3.2 | ▲0.0 | 27% | 49% | 73% | 3位 | 26.6 | 4位 | ▲59.7 |
2021-22 | 7位 | 7位 | ▲263.8 | ▲2.9 | 23% | 48% | 74% | – | – | – | – |
2022-23 | 7位 | 7位 | ▲514.3 | ▲5.5 | 20% | 44% | 77% | – | – | – | – |
2023-24 | 2位 | 2位 | 345.3 | 3.6 | 27% | 53% | 76% | 4位 | 37.8 | 2位 | 184.3 |
2024-25 | 3位 | 1位 | 1115.5 | 11.6 | 35% | 61% | 80% | 1位 | 714.8 | 3位 | 282.9 |
監督情報|チームを率いるリーダーは誰か
越山 剛(こしやま ごう)は、赤坂ドリブンズのチーム監督を2018年のMリーグ発足時から務める人物である。東京都大田区出身で、1973年3月23日生まれ。最高位戦日本プロ麻雀協会に所属するプロ雀士でありながら、広告代理店「博報堂」の社員という異色の経歴を持つ。
1996年に博報堂へ入社し、営業局・スポーツ事業局・ビジネス開発局などを経て、現在は博報堂コンテンツビジネス室に所属。スポーツコンテンツやメディア戦略にも深く関わってきたキャリアを持ち、Mリーグ発足に際して博報堂が赤坂ドリブンズのサポート企業となった流れで監督に就任した。
2014年には麻雀プロとして最高位戦に登録(第39期後期)、2020年時点ではD2リーグに所属している。ドリブンズでは、選手のスカウトやメンバー起用の決定権を持ち、戦略構築においても中心的な役割を担っている。
氏名 | 越山 剛(こしやま ごう) |
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生年月日 | 1973年3月23日(52歳) |
出身地 | 東京都大田区 |
所属団体 | 最高位戦日本プロ麻雀協会 |
Mリーグ経歴 | 2018年〜 赤坂ドリブンズ監督 |
職業 | 博報堂 コンテンツビジネス室所属 |
スポンサー・オーナー企業
赤坂ドリブンズのオーナー企業は、広告業界大手の博報堂DYメディアパートナーズである。チームはMリーグ発足と同じく2018年に設立され、以降も一貫して博報堂グループが運営を担っている。
特徴的なのは、Mリーグ参戦チームの中で唯一、外部スポンサー契約を結んでいない点である。監督である越山剛氏は「サポーターやファンと同様に、ただチームを愛してくれれば十分」と語っており、企業からのスポンサードによるチームブランディングではなく、ファンやプレイヤー主体の運営方針を打ち出している。
その一方で、YouTubeでの「クラブハウスLIVE中継」など独自のファンサービス施策を展開するなど、他チームとは異なるアプローチでブランド価値を築いている。
赤坂ドリブンズの配信情報|ABEMAで全試合視聴可能
赤坂ドリブンズが出場するMリーグの全試合は、ABEMAで無料視聴が可能である。ABEMAはMリーグの公式配信パートナーであり、レギュラーシーズンからファイナルシリーズまで、全日程の全対局をリアルタイムで配信している。
また、見逃し配信やハイライト動画も充実しており、試合後でも気になる対局を視聴可能。さらに選手の舞台裏や控室の様子を映した「クラブハウスLIVE中継」など、ABEMAならではのオリジナルコンテンツも用意されている。
赤坂ドリブンズの熱戦をリアルタイムで楽しむなら、ABEMA公式サイトへの登録をおすすめする。
まとめ|赤坂ドリブンズは実力と情熱を兼ね備えた老舗チーム
赤坂ドリブンズは、Mリーグ初年度の覇者としてその名を轟かせた名門チームであり、実力重視の編成と徹底した勝利へのこだわりが特徴である。村上淳、園田賢、鈴木たろうらトッププロたちが築き上げた伝統は、今もチームに根付いている。
また、監督・越山剛のリーダーシップのもと、チーム独自の取り組みやファンとの距離感の近さも魅力。スポンサーを持たず、あくまで自分たちの力で戦い抜く姿勢には、他チームとは一線を画す誇りが感じられる。
2025-26シーズンもさらなる飛躍が期待される赤坂ドリブンズ。Mリーグの未来を背負うチームとして、その戦いぶりから目が離せない。