2020年10月11日、京都競馬場で京都大賞典(GⅡ/芝2400m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるキセキ、グローリーヴェイズ、キングオブコージ、ステイフーリッシュ、ダンビュライトらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年のデータを参考にしていく。
目次
京都大賞典の人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気は3勝、2着は1回、3着は2回。1倍台後半の馬は2頭とも勝っているが、1倍台前半の馬は飛んでいる。少々疑ってかかるべきか。
単勝万馬券が飛び出すなど、例年一筋縄ではいかず、去年も大波乱だった。頭数が多い分、取捨選択はしっかりとしておきたい。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 宝塚記念組の取捨選択
前走宝塚記念(5- 1- 5-11)
勝率 22.7% │ 複勝率 50.0%
ステップレースを含めて宝塚記念組のアベレージがいい。22頭中11頭が3着以内に入っており、取捨選択をするには最適と言えるだろう。
パターンは2つあり、まずは掲示板に入っていた馬、そして、阪神2200メートルが合わずに1秒以上負けていた馬、この2つだ。京都の2400メートルは阪神2200メートルとは結構違う。ゆえに宝塚記念で凡走したから切るというのは安易である。
キセキは3回宝塚記念を使ったが、その後の休み明け初戦、毎日王冠は超ハイペースを粘って3着、フォア賞は4頭立て3着。今回浜中俊騎手との初コンビだが、テン乗りより継続騎乗で成績を出す馬なのでそこがどうか。
予想参考データ② 大波乱の立役者から学べること
単勝万馬券が飛び出したり、90倍の馬が勝ったりと大波乱が時折起こるが、実は2ケタ人気の馬が馬券に絡んだのはわずか2頭しかおらず、いずれも勝ち馬だった。
先日亡くなってしまったばかりのドレッドノータスは、直前3戦がいずれも掲示板入り。2013年1着のヒットザターゲットは同年小倉大賞典を勝利しており、一定の調子の良さ、実績があった。
3戦ともに掲示板入りしている馬は穴馬に多く、波乱の種は間違いなく存在する。ただキングオブコージは今年4戦4勝、目黒記念も勝った。過去の実績か、ここ最近の勢いか、どちらを選ぶかは人それぞれだろう。
予想参考データ③ 重馬場の京都大賞典
台風接近で冷たい雨が降り注ぐ京都競馬場、重馬場もしくは不良馬場になってしまう可能性が高いのだが、実は過去の京都大賞典で稍重以上に悪化したケースはたった4回しかない。
最後の重馬場開催は1990年、この時は6頭立てで勝ったのはスーパークリーク。59キロを背負っていたことを考えれば文句はないが、このレースが残念ながら引退レースとなった。83年と85年にもあったが、この時はいずれも京都巧者であり、中央競馬全10場にも出走を果たしたヤマノシラギクが勝っている。スーパークリークもまた京都でよく勝っていた。
不良馬場の菊花賞を制したキセキは全てを満たしている感じがするが、長距離はさほど、馬場が渋れば滅法強いわけでもない。思えば菊花賞から勝ちから見放されており、騎手が変わっていきなり勝てるのかどうか。
2020年の危険な人気馬は?
キセキは人気になる見込みだが、前走の宝塚記念は2着ながらクロノジェネシスの1秒負け。1着からの着差でいえば実は大して変わっていない。菊花賞以降でタイム差なしの負けは1回だけ、脚質は安定せず、テン乗りとなるとどうか。京都大賞典の好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、ダンビュライトは1つ目の消しデータに合致している。GⅠでは明らかに足りず、3秒負けを2回も喫しておりどうか。年々大舞台で持ち味を出せなくなっている状況だと、衰えもあるのではないか。
反対にステイフーリッシュは危険なデータに一つも当てはまらない。この馬は相手なりの馬で、3着が目立つ。ただハンデ戦で背負わされることが多く、56キロだとより安定感を見せる。ジリ脚でも馬場が渋れば強みになる。一発が入っても全くおかしくはない。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ステイフーリッシュと言えそうだ。