2019年11月17日、京都競馬場でマイルチャンピオンシップ(GⅠ/芝1600m)が行われる。今回は過去のデータやレース傾向を振り返り、当レースの危険な人気馬を予想していく。
馬券を買う上で特に重要なのは「どの馬を買うか」ではなく「どの馬が消しか」を見極めることだ。
人気馬を「買わない」と判断できれば、余った資金を軸馬の買い足しや穴馬の追加購入に回すことができる。そして人気馬が馬券圏外になれば配当が跳ね上がる。
「人気だから押さえようかな」と毎回人気馬を買ってしまうと回収率は落ちていく。だからこそ「買わない人気馬」を見つけることがカギになってくるのだ。
果たして、人気が想定されるダノンキングリー、インディチャンプ、アルアイン、ダノンプレミアム、ダイアトニックらの中で危険なのはどの馬なのか。しっかり考察していこう。
過去10年間のデータを参考に予想を進めていく。
目次
マイルチャンピオンシップの人気馬成績
過去10年のデータを見ると、1番人気が勝ったのは1回で、2着3着はともに2回。オッズ別成績を見れば1番人気も大混戦なことが分かるが、3倍台だと7頭いて未勝利という部分が影響しているか。
定期的に伏兵馬の台頭が目立つ感じで、1番人気はここ3年3着にも絡んでいないものの、それ以外の上位人気で決まることも多く、中穴をねらいやすいレースともいえる。
ではここからは注目のデータをピックアップして紹介していこう。
予想参考データ① 上がりの脚の信頼度が低い?
上がり3F 1位(2- 2- 1-8)
勝率 15.4% │ 複勝率 38.5%
上がりの脚がさく裂する展開は明確で、前がつぶれるような展開か、前にいる馬を凌駕するだけの爆発力があるかだが、今年そのような馬が出てくる感じはない。
これだけ高速馬場と言われながら1分31秒台で決まるケースが少なく、33秒台が続く。特に今年はどうしても逃げたいという馬がいないので、余計にペースが落ち着きやすい。
上がりの脚で勝ったような馬はここでは下手をすると苦戦するかもしれない。ダイアトニックもその1頭だが、エリザベス女王杯でのスミヨン騎手のように、パーフェクトな騎乗ぶりでどうにでもなるか。
予想参考データ② 3歳馬の取捨選択
3歳馬が4頭参戦する今年のマイルチャンピオンシップ。これまでに35頭出て、2勝3着2回は、4歳馬より明らかに見劣りし、5歳馬と比べてどうかといったところ。しかしここ2年3歳馬が勝っている。
ここ2年の傾向ではあるが、古馬GⅡ重賞で連対以上、そこが1つの目安か。2年前の覇者ペルシアンナイトは富士ステークスで5着だったが、2番人気だった。
このデータに当てはめようとすると、残るのはダノンキングリーただ1頭となる。問題は乗り替わりと初遠征、この2つがどう転ぶか。
予想参考データ③ ステップレースで信用できるのは?
レース別の成績を見ると、最も出走頭数が多かったのは富士ステークスだが、及第点という感じか。欲しいのは勝利、それ以外のケースは斤量を背負わされたケースで負けた感じか。
信頼できるのは天皇賞秋組で、勝率、複勝率ともにいい。掲示板に入ってコンマ6秒負けぐらいがいいが、そうなってくるとアルアインがやや厳しくなってくる。
スワンステークスと毎日王冠はピリッとしない。スワンステークスなら欲しいのは連対、もしくはコンマ1秒負けぐらい。毎日王冠は掲示板には入っておきたいが、ここも連対ぐらいが必要だろう。
2019年の危険な人気馬は?
アルアインは人気になる見込みだが、前走があまりにも負けすぎ。去年とローテは同じだが、去年は4着からの参戦、今年は14着から。その間に大阪杯は勝っているが、そこまで強調できるほどではなく、苦戦は必至か。マイルチャンピオンシップの好走条件に合致せず、危険な人気馬の一頭になりそうだ。
また、インディチャンプは3つ目の消しデータに合致している。マイルで強いことは承知しているが、毎日王冠で思ったような強さが出ていないように感じた。200メートル延長しただけでそこまで変わるものか。斤量が変わり、テン乗りに強い池添謙一騎手が乗るだけに人気は集まりそうだが、そういう時ほど一歩引くべきか。
反対にダノンプレミアムは危険なデータに一つも当てはまらない。前走の天皇賞秋は今更説明する必要がないが、勝ったアーモンドアイが怪物なだけで、ダノンプレミアムは休み明けでほぼ完ぺきな立ち回りだった。安田記念はアクシデントがあってのこと。関西では無敗のダノンプレミアム、地の利でどうにかしたい。人気馬の中で最も不安要素が少ないのが、ダノンプレミアムと言えそうだ。