秋の大舞台を目指し、6月17日に函館競馬場で行われる函館スプリントステークスに有力馬が顔を揃えた。昨年の高松宮記念から勝利は遠ざかっているものの、実績では一番の存在であるGI馬のセイウンコウセイ。重賞2勝馬のダイアナヘイローも侮れない。小回りの函館コースだけに脚質からも注目すべき馬であるだろう。また昨年の覇者であるジューヌエコールも忘れてはいけない存在だ。連覇を唯一目指せる馬でもあり、舞台の相性はピカイチともいえる。
そんな多数の有力馬の中で今回、注目するのはナックビーナスだ。高松宮記念3着から臨むことになり、実績としては申し分ない。未だ重賞勝利はないものの、5歳馬になり本格化を迎えたナックビーナスを今回は3つの視点から考察することにする。
目次
視点①前走GI組
高松宮記念、桜花賞、NHKマイルカップといったG1レースからの臨戦過程を歩んでいる馬の好走が目立つレースであるのが、函館スプリントステークスだ。過去10年のうち、前走が高松宮記念である馬が2勝。同じGIレースの桜花賞組も同じく2勝を挙げており、NHKマイルカップ組も勝ち馬を輩出している。また勝ち馬こそ輩出していないものの、ヴィクトリアマイルカップ組は、複勝率60%とハイアベレージを残している相性の良いレースである。
格の高いレースを経験し、スプリント路線に矛先を変えて成功する馬や「夏は牝馬」との格言があるように牝馬の台頭も目立つレースでもある。ナックビーナスは、前走の高松宮記念で3着と好走し、臨む立場だけに臨戦過程は申し分ないといえるだろう。
視点②年齢
過去10年の年齢による勝ち馬の内訳は、3歳馬と5歳馬が3勝ずつ、4歳馬が2勝。そして6歳馬と7歳馬がそれぞれ1勝を挙げている。競争馬として充実期を迎える4・5歳馬による成績が良く、また斤量的に恩恵を受ける3歳馬も成績としては良いといえる。
函館スプリントステークスの過去10年における好走馬を考察すると、前走の勢いそのままに同レースでも好走するケースが多いことが挙げられる。5歳を迎えて重賞戦線で好走続けるナックビーナスは、正に年齢もさることながら好走条件にもピッタリと嵌っている馬といえるだろう。
視点③三浦皇成騎手
今回、ナックビーナスとコンビを組むのは、前走素晴らしいエスコートで高松宮記念3着に導いた三浦皇成騎手である。同騎手にとって函館1200mは相性の良いコースであるだ。過去10年のうち、実に26勝を挙げており、2016年の函館2歳S(芝・1200m)ではレヴァンテライオンを見事優勝に導いている。
過去10年で騎乗回数が200回以上ありながら複勝率は34.5%を超える良績を残している。小回りコースだけに騎手の手腕も大きく関わることになるレース・コースだけにナックビーナスの鞍上が三浦皇成騎手である点は強調材料として捉えるべきだ。
まとめ
如何だったろうか?臨戦過程、年齢、鞍上と3拍子の好材料が揃っているナックビーナス。未だ重賞制覇はないものの、重賞を勝つだけの実力は兼ね備えている馬だ。陣営サイドも秋の更なる飛躍に向けて、同馬の賞金加算が至上命題として捉えていることだろう。いよいよ開幕となる今年の夏競馬で、どのような結末が用意されているのか。是非心待ちにしながら、今週の競馬を楽しん欲しい。