2018年6月3日、東京競馬場で安田記念(GⅠ/芝1600m)が行われる。スワーヴリチャード、ペルシアンナイト、サングレーザー、リスグラシュー、リアルスティール、レッドファルクスらが出走するが、どんなレースが展開されるのか?台頭する可能性を秘めた伏兵とは?
スワーヴリチャードは前走の大阪杯でGⅠ初制覇。中長距離路線の一線級が集まった中で強い競馬を見せ、今や中距離の現役No.1と言ってもいい存在だ。
今回も1番人気に支持される可能性が高く、初のマイルGⅠでも主役を務めそう。2階級制覇を達成することができるのか。その可能性を探っていく。
目次
ポイント① 初のマイル
今回は、デビュー以来、初めて芝1600m以下のレースに出走する。左回りが良く、東京と相性がいいことからの選択だろうが、マイルのスペシャリストが集まった中にあっては、適性や経験の面で分が悪いと言わざるを得ない。
しかも、これまでに経験したレースは、スローペースで上がりが速い、いわゆる後傾ラップが多かった。それだけに、マイルGⅠ独特の流れに戸惑わないか、さらに1分32秒を切るような超高速決着になった時に対応し切れるかという不安はある。
なお、ハーツクライ産駒の芝1600m以下のGⅠ成績は【1・3・2・24】と不振気味。唯一勝ったのは、現時点でハーツクライの最高傑作といえ、ドバイデューティフリーをレコード勝ちし、当時世界No.1のレーティングを得ていたジャスタウェイ。その偉大な名馬のように、距離不問の活躍を見せることができるか。
ポイント② 2000m戦からの臨戦課程
過去10年の安田記念で前走が2000m以上のレースだった馬は【0・2・1・11】と優勝がない。サンプル数は少ないものの、その中にはディープスカイ(2009年2着)、イスラボニータ(2016年5着)といったGⅠ馬も含まれている。
過去に結果が出ていないローテーションも、能力の高さと目下の充実度で克服することができるか。
ポイント③ 高速馬場
Cコースに替わった先週は、先行有利の傾向が顕著だった。ダービーの1~3着馬の4コーナー通過順は④①②。目黒記念は同じく⑤③⑤。前が止まらず、速いタイムが出ている馬場状態だ。
スワーヴリチャードが得意としているのは、道中で脚を溜めて差し脚を生かす競馬。前走は外枠でスローペースだったこともあり、向こう正面で押し上げて3コーナー手前で先頭に立つ積極的な競馬を見せたが、直線の長い東京に替わり、初めてのマイルで前走のような競馬をするとは考えづらい。前が止まらない高速馬場の中、本来の差すスタイルで先行馬を捕らえ切れるか。
まとめ
ついに本格化し、GⅠタイトルを掴んだスワーヴリチャード。マイル戦線も制圧し、現役最強の座を確固たるものにすることができるか。