オークス2018の競馬予想分析…炸裂なるか?トーセンブレスが持つ3つの勝負手

勝負手が炸裂するか――。

2018年5月20日、東京競馬場でオークス(GⅠ/芝2400m)が行われる。桜花賞で勝利したアーモンドアイ、負けて強しだったラッキーライラックを始め、多くの桜花賞組が出走を予定する。それ以外ではサトノワルキューレやオールフォーラヴといった馬たちも登場する。この中で期待できるのがトーセンブレスだ。

前走の桜花賞は他馬の出走回避により、抽選をすることなく運よく出走できた。本番は勝ち馬アーモンドアイよりやや前でレースをしていたが、ラッキーライラックが横綱相撲をするほど前が残る万全の流れの中で4着に終わった。しかし、上がり3ハロンのタイムは2位となっただけでなく、大激戦となったオークスへの優先出走権争いをものにした。桜花賞の抽選から始まるトーセンブレスの幸運はまだまだ続いている。血統面での距離適性の不安は否めないが、あの切れ味があればうまくペースを落とせば勝負できる可能性はある。

今回はアーモンドアイとラッキーライラック、そしてサトノワルキューレが主役となりそうだが、展開次第でトーセンブレスにもチャンスはある。多頭数で揉まれても問題はなく、ラッキーライラックとの差は桜花賞である程度縮まり、逆転できるところまで来ている。引き続き騎乗する柴田善臣騎手もさらに理解して騎乗できるのも大きい。トーセンブレスが持つ勝負手を炸裂させたい。


目次

勝負手① オークスと脚質の相性

トーセンブレスはこれまでの戦いぶりを見ても驚異的な脚を持ち合わせている。新馬戦では最後方にいながら長めにスパートし、中山の短い直線、急坂でプリモシーン以下を交わして勝利した。プリモシーンはNHKマイルカップで5着に入ったが、それだけのポテンシャルがある馬をあっさり完封した。オークスでは後方にいた馬が直線の末脚だけで差し切る、もしくは勝ち馬に肉薄するケースが目立つ。上がり3ハロンのタイムが着順に直結しやすい。

今回はアーモンドアイがおり、さすがに同じ位置から競馬をすることは難しいものがある。しかしアーモンドアイにも疲れはある。二走ボケという言葉があるように休み明け2戦目で末脚が不発に終わることも十分に考えられる。その点、トーセンブレスは確実な末脚を持ち、フラワーカップ、桜花賞、オークスと春3戦目となる。脚質を考えればトーセンブレスにとって歓迎したい状況であり、多少馬場が渋ってもやや重だった新馬戦でのパフォーマンスを見れば問題はない。

勝負手② 折り合いをつけるのがうまい鞍上

トーセンブレスが掲示板圏外に終わったレースは東京競馬場で行われたアルテミスステークスしかない。むしろこれだけの結果を見て左回りは実績がない、厳しいという判断をしがちだ。実際はどうだろうか。アルテミスステークスでは引っかかってしまい、折り合いを欠いてしまった。ルメール騎手を持っても折り合いに専念させられなかったのかもしれないが、手が合わなかった可能性が高い。

その点、今回騎乗する柴田善臣騎手はトーセンブレスの陣営と折り合いに専念できるよう打ち合わせを重ね、調教などでもそのことに力を入れている。結果的に折り合いがつき始め、折り合いを欠いて不完全燃焼で終わるようなことはなくなったと言える。柴田善臣騎手にとってみれば初めてのクラシック制覇が期待されるが、まずは折り合いに専念させたい。それができれば直線で弾けるような末脚が披露できる。

勝負手③ 坂を苦にしないパワー

オークス前日に雨予報があるが、そうなれば新馬戦の再現は可能である。東京競馬場の坂と中山競馬場の坂は性質が違うが、阪神競馬場での急坂も克服した以上、力のいる馬場になればチャンスはかなり出てくる。前が流れて末脚勝負となればかなり勝ち目が出てくる。インを突いて最短距離で勝てればいいが、脚質上、それが叶うとは思えない。ただ、少しでも馬場がいいところを狙いたいと他の馬たちが外を狙いだしたら、坂を苦にしないパワーを持つトーセンブレスが楽々と内を突く可能性はある。

ラッキーライラックに再び横綱相撲させるほど、最近の競馬は甘くない。何かが競りかけて潰しに行けば、自然とチャンスは回ってくる。母ブルーミンバーが1200メートルでよく走っていたように、2400メートルでどうかという不安は隠しきれない。ただどの馬にとっても2400メートルは未知の距離と言える。持ち前のパワーでここは勝負を仕掛けたい。

まとめ

トーセンブレスは関東馬であり、しかも当日輸送という形だった。今回は輸送がない。その点はプラスだが、アーモンドアイにもそれは言える。普通は苦戦が必至だが、10回やって1回の可能性があればもはやどうなるかはわからない。

トーセンブレスを管理する加藤征弘調教師はフェブラリーステークスをノンコノユメで勝利し、悲願のGⅠタイトルを獲得した。今年前半のGⅠは悲願のタイトルという言葉が続く。柴田善臣騎手悲願のクラシックタイトルということになってもおかしくない。

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