遂に今年もこの季節がやってきた。
2018年牝馬クラシック第一弾「桜花賞」が4月8日(日)に行われる。
初年度産駒からクラシックに有力馬を送り出してきたオルフェーヴル、ロードカナロアに代表される「新時代の種牡馬」VSディープインパクトを筆頭とする「歴代の種牡馬」との戦いが鮮明に映し出されようとしている今年の「桜花賞」。
今後の日本競馬を占う意味でも絶対に目を離すことが許されないレースになりそうだ。
今回は、歴戦の雄を相手に殴り込みをかけるロードカナロア産駒のアーモンドアイに焦点をあわせ「桜花賞」を解き明かしていくことにする。
目次
ポイント1 血統
「桜花賞」といえば初年度産駒マルセリーナを筆頭に、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスターの4勝を挙げているディープインパクト産駒を思い浮かべる方が多いかもしれない。
勿論、今日までのディープインパクト産駒における「桜花賞」の戦績は秀逸である。
しかし、昨年を堺にしてディープインパクト産駒にも陰りが見え始めてきた。昨年の「桜花賞」では産駒の馬券圏内もなく、今年も「ファアリーS」を制したプリモシーンなどが出走を予定しているものの、例年と比べると小粒感が歪めない。
また産駒全体の重賞成績でも2016年38勝から2017年16勝へと大きく下降する結果となっている。さすがにディープインパクトも加齢による衰えには、勝てないということだろう。
そこで台頭してきたのが、マイル戦を中心に活躍するロードカナロアの子供達である。
「桜花賞」の舞台となる阪神・外回り1600mでは驚くべき戦績を収めている。産駒がデビューして日が浅いこともありサンプル数は少ないものの、先週末の競馬開催までで単勝回収率400.7%、複勝回収率も111.3%を記録している。ロードカナロア産駒にとって期待値が高いコースといえるだろう。
牡馬混合重賞のシンザン記念を制し、ロードカナロア産駒の最有力馬であるアーモンドアイが阪神・外回り1600mの舞台に変わり、パフォーマンスを更に上げてくることになるだろう。
ポイント2 「シンザン記念」好走馬の戦績
「桜花賞」は、牡馬混合戦の重賞で上位争いを繰り広げた馬による好走が目立つという点も頭に入れとくべき事実である。その中でも、近年相性が良いのが「シンザン記念」だ。
過去「シンザン記念」において3着内に入線した牝馬、2007年2着ダイワスカーレット、2011年3着マルセリーナ、2012年1着ジェンティルドンナ、2016年2着ジュエラーが軒並み「桜花賞」を制している。
アーモンドアイも過去の名牝馬が歩んできた道を進むことになるのではないだろうか。「稍重」という3歳牝馬にとって、とてもタフなコースで施行された今年の「シンザン記念」であったが、馬場を全く気にする素振りも見せず、終始外々を回りながらも直線では豪脚を披露する圧巻の内容。
もし良馬場で行われていたならば、どれほどの脚を繰り出していただろうか。この中間も雨予報が出されており、もし馬場が荒れた状態のレースとなった場合でも、評価を下げる必要はなさそうだ。
ポイント3 上がり3Fの重要性
阪神・外回り1600mに生まれ変わった2007年以降の「桜花賞」は、瞬発力に秀でた馬達が上位を独占している。
2017年以降、過去3着内の33頭中、実に24頭が4角を6番手以下で通過した馬達によるもの。うち18頭は10番手以下の馬で占められており、差し・追い込み馬が好走しやすいレース。
上がり3F順位が3位以内の馬に限れば【8.7.3.20】と、約半数が馬券に絡む活躍ぶりである。まさに末脚のキレ、鋭さが高レベルで要求されるレースで、アーモンドアイはその条件にも合致している。
無論、過去3戦いずれもメンバー中最速の末脚を繰り出している。
1戦目「新馬戦」3Fの上がり34.4
2戦目「未勝利」3Fの上がり33.5
3戦目「シンザン記念」3Fの上がり34.3
アーモンドアイ最大の魅力、末脚を最も活かせるコースこそ「桜花賞」が行われる阪神・外回り1600mであるのではないだろうか。
まとめ
オルフェーヴル産駒ラッキーライラックに次ぐ、単勝上位人気が予想されるアーモンドアイ。
競馬ファンの大きな期待に応える圧倒的なパフォーマンスで、頂まで駆け上ることが果たしてできるのだろうか。その時は刻々と近づいている。